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#ネタバレ 映画「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」

「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」
1997年作品
子どもは巣立つもの
2021/1/2 9:39 by さくらんぼ  (修正あり)


( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

恋人に捨てられない方法は、「捨てられる気配を感じたら、こちかが先に捨てること」みたいな話を昔読んだことがあり、なるほど思いました。

ところで、この映画「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」に出て来る主人公・ウィル・ハンティング(マット・デイモンさん)は、孤児で愛を知らず、虐待を受けた経験もあるために、誰にも心を開きません。

愛が近づいても「捨てられる前に捨てろ」を実践してしまうのです。

それどころか、そのトラウマは世の中への怒りとしてマグマのように渦巻いており、噴出孔はビルの解体現場などで働くことのようです。無意識の破壊活動が彼の癒しなのでしょう。

しかし、世の中には「捨てられることを待っている人たちもいる」のです。

この映画「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」は、そんな「捨てられることを恐れる子ども」と、「捨てられることを待っている大人」のお話だったのかもしれません。

★★★★

追記 ( 疑似親子からのスタート ) 
2021/1/2 10:05 by さくらんぼ

ウィル・ハンティングは、セラピーを担当したショーン・マクガイア(ロビン・ウィリアムスさん)を最初は小ばかにしていましたが、やがて心を通わせ、①ショーンに抱きついて泣きます。

迷子の子供がやっと親に出会った時のように。

そうです。ウィルは愛の迷子。

生来、ウィルはずっとそれを夢見てきたのです。

その儀式が済まないと先へは進めない。

だから、儀式が済んだウィルは、②恋人の元へ走るのです。

彼にとっては自らの魂の救済が最優先課題であり、市井の就職などは③番目以下だったのでしょう。

追記Ⅱ ( 子どもは巣立ちするもの ) 
2021/10/15 11:29 by さくらんぼ

映画「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」を観ていたら、池のほとりで、ウィル にショーンが語る名言がありました。

ポエムのように美しく長い言葉ですが、要約すると、「君には本から得た知識しかない。だから、経験から生まれる気持ちまでは語れない」という話でした。

天才を持て余し、周囲を見下して天狗になっているウィルに対して、「何も知らないのは君の方だ」と教えているのです。これは酒場でハーバード大学の学生にウィルが言った言葉と相似形になっているようです。上には上があるという事でしょう。

前述したように、ウィルには虐待のトラウマがあり、そのせいもあって、ある意味引きこもりになっており、(才能を生かせるような)世界に出て行きたがらないのです。だから、本の知識しかない。

その限界を突破するには、いわゆる「書を捨てよ、町へ出よう」が良いのです、その背中を押すために、ショーンはそう言ったのだと思います。

ウィルは本しか、記号しか見ていないのです。

ここで連想したのは、映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」

と、映画「護られなかった者たちへ」 でした。

三者は似た者同士かもしれません。

ちなみに、ショーンにも亡き妻との間にトラウマがあったようですね。しかし、ウイルが旅立ったことで、ショーンの(心の天気)にも変化があり、前に進めるのかもしれません。

追記Ⅲ 2022.8.6 ( お借りした画像は )

キーワード「数学」でご縁がありました。目に鮮やかな緑ですね。規則性も心地よいです。少し上下しました。ありがとうございました



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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