見出し画像

まあだだよ桜前線迷走中

歌があるなんて知らなかった。もうすぐ桜が咲く季節か。開花宣言でているのか?いやまだまだだった。3月だな。そうだ、まだ裏庭の梅も咲いてないんだ。

昨日は午後から図書館。三冊返却して二冊借入。予約本が回送だったのになかった。昼過ぎに行ったのだが、ある時とはあるんだけどな。今日は入っていた。昨日待っていれば受け取れたのに。

読書。橋本治『失われた近代を求めて 下』読了。橋本治は戯作文学が好きだったので、それで明治の文学運動はそれほどでもなかった。その辺が高橋源一郎の文学史とは違っていた。

「100分de名著北條民雄『いのちの初夜』は以前『日本近代短編小説選 昭和編1』で読んでいた。そのときの感想。

北条民雄の『命の初夜』が衝撃だった。不治の病といわれたハンセン氏病の療養所(死を待つだけの隔離病棟だ)での初夜の話だが、恋人は出てこない。先輩患者が世話係としているがその壮絶な生き方によって、死を踏みとどまるという話か(踏み越えるだ)。

ライ病が進行して人間の姿を失っていく。その人間性を巡って社会的に抹殺されているのはそうなんだけど、それを越えて新たな生命として(ライ病患者として)生きることへの覚悟。さらにそれを表現しようとする苦悩。この新しい人間を、今までなかったかつてない生きた人間像を。

「人間ではありませんよ。生命です。ただ、生命だけが、ぴくぴくと生きているのです。なんという根強さでしょう。誰でもらいになった刹那に、その人の人間は亡びるのです。社会的人間として亡びるだけではありません。そんな浅はかな亡び方ではけっしてないのです。廃兵ではなく、廃人なんですけれど、尾田さん、僕らは不死鳥です。新しい思想、新しい眼を持つ時、全然らい者の生活を獲得する時、再び人間として生き復るです。復活、そう復活です。ぴくぴくと生きている生命が肉体を獲得するのです。新しい人間生活はそこから始まるのです」(2013.7.15)

『いのちの初夜』北条民雄

映画は『未来惑星ザルドス』。

今日の一句。

まあだだよ桜前線迷走中

河津桜は咲いていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?