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泡沫も蓮葉にあれば欣求浄土

東京都知事選、町田駅掲示板情報。まだ昨日は三人しか出てなかったのだ、本命の小池ゆりこや蓮舫はわかるのだが、この「うつみさとる」という人は何者なのだろうか?と気になった。泡沫候補(いや独立系無頼派だったかな)でも他の候補に先駆けてというか地元民なのかなと思ってみたり。

東京都知事選の候補者のサイトがあったのだが56人も出ているのだった。

それなのにまだ三人しかポスターが貼ってないのは、まだ選挙期間ではないのか?昨日が公示だったのか?選挙の本でそうした無頼系独立候補を取り上げた本は以前読んで面白かった。都知事選についての本なのでウォッチャーの人は読んでおくと面白いかも。

ただ都知事選は地方選なので、県外の人はまったく関係ないのだが。少しでも選挙に興味が湧けば日本が変わるかもしれない。都知事選とか風が起きればわりと国政にも影響があるのだが、今回は無風のような(今のところ)。

泡沫も蓮葉にあれば欣求浄土 宿仮

選挙で一句。川柳だな。

昨日は図書館に返却本1冊に二冊借入。1冊は予定していたのだが、もう1冊はカフカと文通していたミレナ・イ=センスカーというチェコの女性だがアウシュヴィッツで亡くなっているのだ。カフカの『ミレナへの手紙』は全集で読んでいて感動したのだが、カフカからの一方的な手紙だったので相手の手紙が出たことはあったのだろうか?池内紀の本も読んでいた。

ただ今までカフカの手紙しか読んでなかったので、その手紙から相手を想像するだけだったので、相手の手紙を読むとミレナもけっこう手紙魔だったのかと思えるが、カフカの催促に対して手紙が遅れたことを弁明しているので、カフカほど手紙魔ではなかったようだ。カフカの手紙ついては、ドゥルーズだったか「手紙の吸血鬼」と言っているほどで、その手紙の言葉に対して三倍返しとかしてしまう人だったのだ。だからカフカの手紙から造詣される相手の女性はどの小説の登場人物よりもリアルに恋の告白や人生に対しての共感があるのだった。

ミレナも父親に精神病院に入れられるぐらいの困った人で、カフカ『変身』のザムザに大いに共感する人だったのである。そしてカフカとの手紙が途絶えた後にアウシュヴィッツで死んでしまったという運命的なものを感じる。その手紙が秘密警察の押収物であったというのも興味深い。本来ならそうした手紙は不要なものとして燃やされてしまう(実際にカフカの手紙も燃やされたのもあるそうだ)のに逮捕された証拠物として手紙が残っているという不思議さ。これフィクションだったのか?カフカの手紙のアンサー文(ミレナに成り代わって)だったんだ。

ル・クレジオ『ブルタニューの歌』はル・クレジオが幼少期に過ごしたブルターニュの戦争時代。そのブルターニュという地方性はフランスではなくケルト人的な風習が残る場所で言葉もブルトン語が飛びかっていたのだが、戦後一気にフランス化されていく。その中でル・クレジオが味わう不思議な感情。ル・クレジオはモーリシャス島というフランスの植民地出身なのだが、両親はケルト系の血を引いていて、それがフランスにイギリス統治というかつての場所がブルターニュであって、フランス人と敵対しながらドイツに統治されるという(その統治はイタリア兵によってされていた)、占領軍が眩しい感じのイタリア兵であり、戦争で男たちがいない社会であり、イタリア兵は女性に優しいとか、それでも無骨なドイツ支配の中で、最初の爆弾がカナダ軍のものであって、そのことがトラウマになっているとか複雑な感情を述べている。子供時代のことで戦争や民族紛争をあまり理解してなかったのだが、あとになってそのことを回想している小説なのだが、子供時代の回想なんてしたくなかったというような。

『ファウスト第二部』を読み始めて、第一部は読んだのにその繋がりが理解出来なく戸惑っている。メフィストーフェレスが道化として参加した仮面舞踏会が『古代ヴァルプルギスの夜』で神話上の悪魔や化け物が総登場という感じの地獄絵図だったのだ。

映画を見に行かずに家に帰ってきた。ちょっとキツそうな映画だったから、今日の方がいいと思ったのだ。あまり精神状態が良くないのでキツい映画はパスしてしまう。

家に帰ってか『三国志 ~司馬懿 軍師連盟~』を見る。これは「文選」に出てくる魏の武帝のの子、兄の曹丕と弟の曹植との権力闘争で司馬懿は敵対する軍師なのだが一族滅亡されるので、兄の曹丕側に付くという話。「文選」では負ける弟側の詩が紹介されたりしている。このあと感想をアップする。すでに書いていた。

そんな感じでダラダラ過ごす。あと聴き逃しでバロック音楽「タリス・スコラーズ」にハマっていた。

今日の一首。

導く声に
従いながら我が
煩悩は
不協和音の
木霊する声


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