『キリング・オブ・ケネス・チェンバレン』(2019年/アメリカ/83分)【監督】デビッド・ミデル 【キャスト】フランキー・フェイソン,エンリコ・ナターレ,アニカ・ノニ・ローズ,スティーヴ・オコネル,ベン・マーテン,ラロイス・ホーキンズ
こういうサスペンス・ドラマの作りはアメリカ映画は上手いよなと感じる。ほぼ時間通りにリアリティある現場で起きたことを映画で見せる。警官の中にもこれはヤバいことになると感じる人がいたり、被害者がどんどん警官から追い詰められていく過程がわかりやすく描かれていく。
途中息子に電話してこのお前とも今生の別れだ、みたいな話になったり、心配した姪っ子が警官がドアを突き破る現場に来ていたり。差別的な白人警官が登場するのも(でもこれは後で実際の状況を録音したテープとかで明らかにされるから事実なのだ)。
こういう白人警官は外せばいいと思うんだけど、偉くなってしまうのかね。黒人警官もいたのに、状況が最悪の方向へと流れていく。それは警官という権力を持つものが不服従の態度を見せるとすぐに悪人と決めつけてしまうからだ。
その恐怖を黒人側から描いているのだと思うが、臨場感あふれる音の使い方やカメラの撮り方も上手いと思った。
なによりラストで実際に行われたテープを流すのだ。そして被害にあった黒人の写真と。