自由律はやってなんぼの世界
『カキフライが無いなら来なかった 』(著)せきしろ, 又吉 直樹(幻冬舎文庫)
図書館本なので読んだのは単行本。その前に読んだ二冊目の『まさかジープで来るとは』と違っているのは、せきしろのエッセイがまだここでは叙情性があるということだった。なるほどエッセイとして読むならばこっちの方が面白いかもしれないが、自由律の俳句性を考えると二冊目の方が進化して(厳しく)いるように感じる。まあ、自由律は鑑賞するよりは、俳句と同じで作ってみるほうが圧倒的に面白い。
Twitterで自由律をやり始めた。けっこう面白いと思ったのはそれを繋げていくと詩になるからだった。自由律と言っても寄りかかるものが必要ななんだと思う。独立していいと思えるのはこの本でも数句だろう。後は日記代わりのような日々の積み重ねが面白いのかもしれない。だからこの本ではエッセイや写真がより効果的だ。まあ、エッセイの面白さだとは思うが。ほんとうに自由律だけで筆が立つのならもうとっくに詩人だった。放哉とか山頭火はそこに彼等の放浪という生き様があるから。コトバより行動的だった。
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