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やっぱり、ワクワクは大事そう

脳の不思議、大好き、青砥です。
その中でも、ドーパミン(DAが医学文脈での略記)が好きすぎて、
社名DAncing (Einstein) のDAが大文字。

何が好きって、ワクワクしたり、好奇心もつと放出され、
それが我々の生物にいろんな可能性をもたらすから。

そんなDAさんについては、
まだまだ色んな研究があって、
毎日が楽しすぎですが、
本日もその一つ。

DAさんを放出する脳部位(VTA)さんと、
高次情報処理を担当すると言われる前頭葉の一部、
mPFCさんとの関係性について、まとめられたレビューペーパー。

解剖学的にも、
VTAさんからmPFCさんに働きかけるし、
mPFCさんもVTAさんに働きかけて仲良しさん。

いやでも、本当に、この論文でも仰っているように、
DAのシステム変化が、
本当に色んなタイプの神経的特徴に繋がるのは不思議でもあるし、
それだけ我々に大きな影響を与えていることがわかる。

わかりやすく中毒症状もそうだけれど、
一般的に統合失調症と呼ばれる特徴を示すことにも関係するし、
鬱や、パーキンソン病、ハンティントン病などにも関与する。

我々の行動、思考、感情にどかっと影響していく。

もちろん、DAが全てでないし、部分ではあるけれど、
我々にとってDA性を健全に活用することは、
我々の生体バランスを整える上でも大切な気すらしてしまう。

本論文では、DAが単に報酬にだけ反応するのではなく、
嫌悪を導くものにも反応することが示され、
その文脈においてmPFCが重要であることが示唆されている。

それは他の最先端の研究を統合的に見てみても、うなづける。
DAは我々の行動する先を示してくれる、
脳のボトムアップの羅針盤である。

「これはヤバいぞ、こっち逃げるぜ」も、
我々の行動先を指し示してくれている。
この時もDAが活躍するのだ。

なので、研究者たちは、VTAによるDA放出を、
広義の意味で、普遍的報酬(Universal Reward)に反応と呼んでいる。
別に、嫌悪対象が現れることは、報酬では当然ない。
でも、その回避は、ある意味、報酬ではないが、報酬に値する。
そんな方向へ仕向けるのがDAでもある。

ただ、そんなDAは、回避の方向づけがお仕事だから、
それを示したらお役御免。
長くは続かない。
すぐに、NAccという脳部位で、DA放出を抑える。

自分が求めて進む、好奇心とか、ワクワクの場合は、
NAccの負のフィードバックはかかりづらい。
だから、DAの効能の、
集中や記憶定着効果も期待できる。

ただ、危機回避だとしても、
心理的安全で、すなわちストレスが過剰になりすぎず、
前頭前皮質の機能が停止しない状態であるならば、
DA性の力を借りて、
高いパフォーマンスが期待できるとも言える。
うむ、鍛冶場の馬鹿力はこれかも。

脳が高速回転して、
その場を脱するための情報処理を促しうる。

そしてそれらの情報処理は、
無意識に近い形で行われるのは、
DAとmPFCの関係性にヒントがあるかもしれない。

mPFCには、デフォルトモードネットワークと呼ばれる
脳のネットワークが関与し、
これまで培った情報処理を半自動で処理する。

mPFCとVTAとのやりとりにおいて、
それはヤバいやつよーの情報に加え、
それは価値あるよーの情報もやりとりしているだろう。
そして、その情報を、ちゃんと記憶に留める反応も大切で、
記憶のアップデートもなされるのだろう。

あっ、これは以前紹介した、
OFC(mPFCとオーバラップする部分あり)の仕組みと連動しそう。

うむ、まだまだ分からないことも色々あるけれど、
でも、色んなことが少しずつ見えてくるのは、
なんとも楽しい。

いずれにせよ、DA性が我々の行動、思考、感情に大事なら、
やっぱり、普段のワクワク、好奇心は大事にしたいなぁ、
と改めて。

いろんなことに、些細なことにも、ワクワクできて、好奇心持って、
世界を、新しい発見の宝箱のようにみる、感じる、
そんな脳を持つことって、
我々を豊かに育んでくれるような、
そんな気がして、ますますならなくなっちゃいました。

Let's DAnce Together in this World!

取り止めもない感想文になってしまいましたが、
お読みいただき、ありがとうございました。


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