ミッドナイトパフェ
本当は『おされフェパ』というふざけたタイトルにしようと考えていました。
最近、Instagramでフォローしているお気に入りのカフェが「桃のパフェ」を販売し始めるシーズンとなり、それを見ていたら自分でパフェを作りたくなったので、人生初の手作りパフェにチャレンジして、いつものように記事にし、noteにアップするつもりでした。
どんなパフェにするのかネットで散々検索し、3つの方向性を決めました。
1つめは、グラスは絶対角のあるタイプの形がいいという事、2つめは、自分の好きなように好きな素材を組み合わせてみようという事、3つめは桃は外せないという事です。
ナッツ類、グラノーラ、ジャム、フルーツ、アイスクリーム、生クリーム、あらゆるカテゴリーで自分の好きなものだけを取り揃えました。
グラスはネットでしばらく探してもなかなか理想のものが見つからなかったのですが、偶然にもZARA HOMEの横を通り過ぎた際、求めていた形のグラスが目に止まり、即座に購入を決めました。
完璧に取り揃え、あとは1人楽しくニヤニヤしながら、作るだけでした。
そうしたところ姉から突然電話があり、父が急遽入院したという事でした。
ここ最近検査入院を終え退院したところで、数値結果も良く、このまま薬で治療を続けていけば良いと聞いていた矢先のことでした。
すぐさま命に関わる病気ではないにせよ、この1年でずいぶん体調を崩す事が多くなった父のことを思うと、心配せずにはいられません。
悪い事は重なるもので2つ3つと別の事態が起こり、昨日まであれほどカラフルに輝いて見えた世界が、一瞬にして手の届かない所に行ってしまったようでした。
パフェなんか全然作りたくない。
1人で家にこもって、お菓子作って、おもしろおかしくnote書いて、全く自分は下らない。
私は親友へとLINEを送りました。
負担にならないように、ウエットな自分語りにならないように、「ちょっと聞いてよー」ぐらいの軽さで。
でも本当は、辛いので助けて欲しいという、祈りにも似た想いを込めたものでした。
親友からは、なぜすぐ電話をしてこないのか、なぜ頼らないのか、と秒速で返信がありました。
そのメッセージを見ながら、全米は泣かないけど私は泣きました。
さめざめと泣きました。
その夜ビデオ通話で、父の事や、心ない誰かの差別に苦しんだ事など、起こった事態についての話を聞いてもらって、他愛もない話しで爆笑して、するとふと、親友が笑いながら言いました。
「それにしても、週末にナスカのオンラインセミナー受講したり、かと思えば土器クッキー作ったり、私との遊びを断って、何を一人で楽しんでるんや。面白いやっちゃなぁ」
その言葉は強烈な光を放ち、暗闇に沈んで見えなくなっていた私自身の姿形、輪郭を、また浮かび上がらせてくれました。
私の人生で、キラキラした夢のような事は滅多に起こらないけど、夢なら良かったのにと思う事は結構起こる。
けれど、キラキラした夢のような事よりも、暗闇に沈んだ時に、自分自身を正しく照らし出してくれる光の存在があるという事の方が、よほど大切ではないだろうか。
TMB※もいらない。
うそ、できれば欲しい。
2時間ほどのLINE通話を終えて、ゆっくりとお風呂に浸かりました。
深夜0時。
私は誰のためでもない、自分だけの楽しみのために、好きなものを好きなだけ好きなグラスに詰め込んだパフェを作り始めました。
ミッドナイトを照らし出す、素敵なパフェ。
バタークッキーをクラッシュしたものをベースにして
冷凍していた土器クッキーをクラッシュして上乗せし
ドライフルーツが美しいグラノーラを盛り
可愛い桃をカットして
アイスやクリームを盛り付けて仕上げていきます。
できました。
コンセプト:白亜紀
恐竜クッキーどーん!乗せてもうた。
途中で、コンセプトが間違った方向に変わった気がします。
自己採点。
桃メインのパフェにするはずが、桃が控えめ。
こうやってくだらない事を楽しみながら、日々の暮らしの困難を乗り越えていこう、そんな事を思った深夜2時でした。
2時にパフェはキツい。
※TMB :T=地位 M=名誉 B=美貌
#日記 , #エッセイ , #スイーツ , #パフェ , #お菓子作り , #親友とは , #桃
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