NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「らんまん」のOPに出てくる植物について、雑草好きの素人が画像認識AI片手に特定を試みました。植物ガチ勢の皆さんのご指摘お待ちしています。
OP映像のスクリーンショットに対して、「牧野日本植物図鑑」インターネット版の頁画像を引用しています。
ジョウロウホトトギス
画面中央のスケッチは主人公・牧野万太郎のモデルになった牧野富太郎博士の実際のスケッチを元にしているようです。「ホトトギス」というと紫の斑点がある花を思い浮かべますが、平行脈の葉を見ると仲間であることがわかります。
ヒメノボタン?
早くもわからない…
作品的に、高知県で絶滅危惧種に指定されている「ヒメノボタン」かな?と思いました。
ちなみに「姫の牡丹」ではなく「姫野牡丹」です。カラスノエンドウとかもそうです。
ノジギク
…とスケッチに書いてあります(笑)でかいテレビで見るとわかります。牧野博士が発見して名前をつけたキクの仲間です。
キクの仲間は似た見た目の植物ばかりなので、見分けがつくようになったら植物特定上級者だと思います。
バイカオウレン
第1話のタイトルにもなっています。牧野博士がこよなく愛した花だそうです。
花言葉は「情熱」。これからのドラマの展開が楽しみですね。
フジバカマ
秋の七草の一つです。そばを飛んでいるのは、この花を好む「アサギマダラ」という蝶です。
岩国の錦帯橋の近くで実際にこの花と蝶のセットを見かけました。
カリガネソウ
またもやスケッチに「カリガネソウ」と答えが書いてあります。小さくて可愛い花ですが、異臭がするそうです。
身近な臭い雑草といえば「ヘクソカズラ」があります。、こちらも花は可愛いのに、あんまりな名前です。
ヨメナ?
キクの仲間でしょうがこれだけでは素人にはさっぱりわかりません。ヨメナっぽい?
ちなみに、キクの仲間は花びらに見えるもの一つ一つが花である「集合花」です。
ガマズミ
スケッチでネタバレ第3弾。赤い実は食べると甘いそうです。図鑑にも「小兒往々採り食ふ」とあります。
私が幼稚園児だった頃は、園で配られた冊子に食べられる草花の紹介がありましたが、今はどうなんでしょう。アケビとか食べてみたかった。
オオキツネノカミソリ
「牧野日本植物図鑑」に載っている「キツネノカミソリ」より葯がびよんと飛び出ているのが特徴らしいです。花の形を剃刀に、色をキツネに例えたとか。
キイレツチトリモチ
キノコかと思いきや、「キイレツチトリモチ」という寄生植物だそうです。トベラやシャリンバイなど、植え込みとしてもよく見かける木に寄生するとか。
寄生植物で有名なのは、クリスマスの飾りにも使われる「ヤドリギ」ですね。
カンラン
「カンラン」、漢字では寒蘭と書くランの仲間です。高知県の牧野植物園内「土佐寒蘭センター」では、愛好家による寒蘭のコレクションが観覧できるらしいです。(激ウマギャグ)
ツバキ
ここからは季節を感じる花が続きます。
まずは冬の「ツバキ」。サザンカとよく似ていますが、開花時期や花の落ち方の違いの他、葉を透かしてみたときの様子でも見分けられるらしいです。透かしたときに中心の葉脈が黒くなるのがサザンカらしく、これはそうではないのでツバキ(のはず)。
ソメイヨシノ
だと思うのですが、違う桜だよ!ということであればお知らせください。
図鑑に「おめぇは生粋の江戸っ子じゃねぇ!」って書いてあって笑う。
お花見で人気ですが弱い木らしく、近年あちこちで老木化して対策が大変みたいです。
キンモクセイ
キンモクセイの香りがすると、秋を感じます。
条件によっては同じ年に2回開花のピークが来るらしく、ちょうど昨秋、私の住んでいる地域では二度香りを楽しめました。
ノリウツギ
アジサイの仲間です。一部しか開花していないように見えますが、花びらに見える萼(がく)が大きいものと小さいものがあるのでそう見えます。
アジサイと聞いて思い浮かぶ、全ての萼が大きく咲いているものは、園芸用に品種改良したものです。
スイフヨウ
時間帯で色が変わっていく花です。開花時は白く、夕方にかけて段々とピンク色になるそうです。フヨウは葉っぱの形が特徴的ですね。
ススキ?
これはススキ!って言いたいのですがススキにはオギとかアシ(ヨシ)とか似ている草がいろいろあり、わかりませんでした。
朝ドラのバトンが渡ったにも関わらず、宙を舞いあがっている神木さんを他所に草を注視してもわかりませんでした。詳しい人の判別求む。
スエコザサ
これはメタな視点から特定しますが、牧野博士が妻・寿衛子さんが亡くなったときに命名したスエコザサだと思います。「牧野日本植物図鑑」に載っている「アズマザサ」の変種だそうです。
アザミの仲間
詳しい人は花の下の苞の部分で特定しそうです。
細かい種類は見分けられなくても、「あ、アザミだ」くらい大雑把に楽しむのが素人雑草道のポイントです。
ダイサギソウ
ランの仲間で、絶滅危惧種です。高知県の牧野植物園で見られるそうです。このOPの映像も植物園で撮ったのでしょうか?
牧野植物園、近いうちに行ってみたいです。
ショウキズイセン
前半に出てきたキツネノカミソリに近いですが、「ショウキズイセン」ではないでしょうか。図鑑では「しょうきらん」とあり、牧野博士が図鑑を書いた頃はそう呼ばれていたのでしょうか。
「なぜそう名付けたのか俺はわからん」と書いていますね(笑)
キクの仲間っぽい何か
最後の最後でわからない。なにせカメラのピントが神木さんに合っているので手に持っている花はボケボケなのです。
画面を凝視しましたが神木さんの素敵な笑顔しか見えませんでした。
これでわかる特定班の方がいたらご連絡ください。
皆も画像認識AIとともに植物特定の旅に出かけよう
ここまで読んでくださった人ありがとうございます!!
今回使用した画像認識AIはGoogleレンズです。Androidのスマホで撮った植物の写真を表示して「レンズ」をタップすると、近い植物の候補を提示してくれます!
私はGoogleレンズが元で雑草好きに目覚めました。
素人でも、名前を覚えるのが苦手でも、手軽に誰でもそこらへんの草を楽しむことができます。
GoogleレンズはAndroidスマホの機能ですが、iPhoneにも同等の機能があるみたいです。
ぜひスマホ片手に植物特定の旅に出てみてください。
(7/6追記)らんまん植物図鑑に投稿した「トマト」
皆さんたくさんのスキありがとうございます。一人でも多くの方に草花に興味を持ってもらえると嬉しいです。
ところで、番組の最後に紹介される「らんまん植物図鑑」、私も密かに応募していました。
トマトが大好きな博士にちなんでグルメ方面で描きました。
「牧野日本植物図鑑」では、トマトは「あかなす」の名前で掲載されています。
トマトはナス科ですもんね。以前話題になった「ナス科の地上絵」を思い出しました。
道端では同じナス科でミニトマトによく似た実をつける「タマサンゴ」や「ワルナスビ」などを見かけますが、どちらもソラニン(じゃがいもの芽の毒)を多く含んでいて食べられません。
(美味しそうなんですけどね笑)
ナス科の中でもたまたま人間が美味しく食べられるものが野菜の地位を得たんですね。