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ROUAGEのはなし。

今日はバンドの話。外の白い雨降りでなんだか丁度良いので、ROUAGEの話を。

黒羽に教えて貰った、黒羽が最も好きだったROUAGEというバンドは、活動停止後に知った。

黒羽については此方の記事で。


自分は00年代の90年代よりも少し平和になったバンギャ世代だったので、90年代の活動をメインにしたバンドはほぼ活停後に知った。事実上解散みたいなものだけど活休だったり活停だったり、可能性を残した形のバンドが結構多い。今になってまた活動再開しているバンドもいる。

当時好きだったバンドで亡くなってしまった方も多い。Kagrraの一志とか、蜉蝣の大佑とか、勿論他にもいらっしゃるけど、個人的に当時よく聴いていたバンドとして特に衝撃だったのはこの二人だな…。

ROUAGEは黒服全盛期の名古屋系バンド(この辺りのワードは説明するより検索して貰った方がいいだろう)で、その中でも白系に分類される、切なく儚い詩を明るく綺麗な旋律に載せた曲が多いバンドだった。とはいえ、黒系のダークで狂気的なシャウトのあるような曲も作っている。

ラルクはヴィジュアル系ではないけれど、初期のラルクの系統に近いといえば伝わりやすいかもしれない。ラルクの話はまた改めて別の記事を書く。

ROUAGEの曲は、Queen、Cry for the moon、白い闇、ever[blue]、アネモネ、angel-fishの涙、桜花、繚乱。、胸に降る雨、胸に咲く花、insomnia、蜃気楼、月のながめかた…本当に名曲ばかりで書ききれない。

本当の初期ラルクに近い雰囲気といえば理想郷が近いかもしれない。黒系では、人間・失格が格好いい。

その人間・失格が収録されているBIBLEが、自分は一番好きなアルバム。

もう中古でなければ買えないとは思うけれど、比較的入手しやすいアルバムではないかな…ROUAGEは有名なバンドだし。

このBIBLEの曲を歌ったライブが収録されているのがfrom BIBLE。96年8月6日中野公会堂の映像。

BUCK-TICKの敦司さんも昔はワンレンの長髪で、この黒髪が似合う人といえばまず彼とROUAGEのKAZUSHIだと思っている。二人とも堕天使のように美しい。

神秘的な照明や衣装で歌うBIBLEの曲は、世界や現実、人がそこで生きる事に対する遣る瀬無さに満ちた曲で、絶望や嘆きよりも叶わない祈りに近い印象がある。遠いどこか、会場の向こうの空を見つめるように歌うKAZUSHIの瞳や通る声に、そんな風に思った。このアルバムにはBIBLEというタイトルに相応しい曲が纏められている。

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アルバム一曲目のOriginal Sinは原罪を歌った曲で、プロローグの世界観の創造として機能している。

Over Flow

何かがまたひとつ壊れていく音
窓の外だけが流れていく
over flow 溢れている 泳げない熱帯魚
逃れる事もできずに沈んでしまえば?
「誰もいない、知りたくない、触れたくない、誰にも、もう…」
何の為に生きていこう
君の為に生きていける?

Jesus phobia

少しだけ温かったよ この腕に誰を包む事もない
少しだけ“神様”を憎んだ
ここからは そこはとても遠すぎて
Wingless wing
この願いを 心を抱えて
It's like a “Jesus phobia”
この手をひろげて
Wingless wing… My wingless wing
届かない…
ここにいて そばにいて
いつも僕を壊し続けて
おかしいね 隙間だらけ 誰だろう
キミの顔じゃないみたい
少しだけ“神様”を憎んだ
ここからは 空はとても遠すぎて
Wingless wing
身体中 風を感じたら
It's like a “Jesus phobia”
この手をひろげて
Wingless wing
いつから羽はちぎれたの?
Wingless wing…My wingless wing
「導いて…」
It's like a “Jesus phobia”
この手をのばし続け
“神様”にさえ愛せないだろう
「僕がきこえますか?」
…Jesus?…
「明日、目が覚めませんように…」
いつか みんな泡のように
消えてしまえば

この二曲はアルバムの中では特に好きな曲で、Jesus phobiaはROUAGEでは最も好きな曲といえる。

幼いと言われたらそれまでではあるが、未だにこの気持ちのまま朝を迎えている。あまり綺麗な澄んだ夜の月を見つけると、やはり月のながめかたを思い出す。

闇の感情を抱えたままで白い歌を歌うのは、なにも無い青空への皮肉や綺麗事の願いに似ていて、黒系よりも繊細に響いて自分は好きだ。苦しみや嘆きは、通り越してしまうと叫ぶ気力も訴える感情も無くなってしまう。

黒の抜けた白系の透明感は、抜け殻のように中身を失くしてしまった、形だけ残る壊れかけの硝子で出来てるみたいだ。白い闇というのは、たしかに存在する。抜け落ちてしまったあとの空白は白い絶望で、それは、思考すら消えてしまった寂寞の名残で出来ている。


白い闇

聞き分けのない時はいつの日も
救い様のない未来を連れてくる
幾つもの「呼吸」幾つもの「場面」
すれ違うたび覚えた「優しさ」
底無しの闇 底無しの無力
繰り返せない 想いがこぼれていきそうで
キミの「気高さ」僕のこの「弱さ」
汚さないようにおとさないように
聖なる夜 静かな夜 何よりも白く
その「過去」も「未来」も
Virgin air 壊れて消えた

















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