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「痩せている=美しい」?「痩せている=幸せ」?

読書を始めて2冊目。
今回読んだのは、キム・アンジェラさんの「太れば世界が終わると思った」という本。

17年間摂食障害を抱えていた著者の壮絶なエピソードと、快復した現在、摂食障害について思っていること、そして摂食障害で悩む人たちへのメッセージが綴られていた。

タイトル大げさじゃない?と思った人もいるかもしれない。でも、摂食障害を抱えている人たちにとっては自分の容姿が全てで、“痩せていなければ自分に価値はない”という偏狭な思い込みの世界で、毎日懸命に生きてる。

実は私も、小学6年生の頃に摂食障害を患ったことがある。
3ヶ月ほど入院して完治したが、今でもダイエットをするときには「痩せている=美しい」「痩せていない自分には価値がない」と考えてしまいがちだ。(こう考えてしまうってことはまだ完治していないのかな…?)
最近も、ダイエットがうまくいかず、ストレスから暴食を繰り返していて、また摂食障害のときの思考に近づいてきていると感じたのでこの本を読んでみた。

文中には著者の壮絶な過去が生々しく描かれていた。過去の自分と重なって辛くなってしまうときもあったけれど、だからこそ、「こういう考え方をしてしまっていたのは自分だけじゃなかったんだ」と思えた。

そして、最後の方に書かれていた著者からのメッセージを読んで、すごく気持ちが軽くなった。考え方を変えるには時間がかかるかもしれないけど、少しずつ、私のペースで変えていけばいいんだと思えた。

摂食障害特有の“容姿に関する白黒思考”を緩めることは、ダイエットだけでなく、仕事や人間関係においても、「今よりも楽に考えられるようになること」に繋がる気がする。

そして、この本の中で最も興味深いと思ったのが、「摂食障害の根本的な原因は幼少期の経験や両親との関係にある場合が多い」ということだ。著者の場合、親からの虐待や愛情不足、父親との不和などが摂食障害発症の根本的な原因と考えられていた。

私が摂食障害になったのは、周りの同級生と自分の容姿を比較して、ダイエットがエスカレートしてしまったからだ、とずっと思っていたけれど、もっと深いところに、家族関連の原因があるのかな。
子どもの頃の自分を呼び起こして、じっくり考えてみようと思った。

最後に、私の心に響いた著者の言葉を添えて終わりたい。

「完璧でなくてもいい。完璧でなくてもわたしは美しいし、人生は十分に面白い。」

「多様な体型、多様な性、多様な年齢などの特徴が存在することを知って、さまざまな種類の人から美しさを探し出そうとした。納得できる新しい基準を見つけたかった。けれど、実際には美の基準など存在しなかった。虚像だったのだ。ただ生きていくだけでも、みんな美しい存在だった。」


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