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(詩)ゆくあてのないあなたのために

まだ熟する前に
木の枝から落ちた果実を
野良犬が口にくわえ
どこかへ運んでゆく

自分の秘密の隠れ家へでも
持っていって
今晩あたりゆっくり
食するつもりなのか

どこへも
ゆくあてのないわたしのために
食べたあとの残りかすは
どうかやさしく
土にうめて下さい

そしてどこにも
ゆくあてのないあなたが
いつかどこかで
おなじような目にあう時のために

残りかすはいつも土に眠り
想いだけが風になる
かなしみをひきずった風だけが
いつまでも歌いつづける

ゆくあてのないあなたのために

風になってさえ
ゆくあてのない時のかなしさは
どんな、かなしさだろう


※詩集(マガジン)作成のため再投稿しました。あしからず。m(__)m

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