(詩)戦場
傷ついた子猫を
海に連れていって
あげたかった
傷ついた子猫と
そして一日中
海を見ていたかった
昨日傷だらけの姿で
生まれてきた子猫と
海を見ていたかった
子猫が力つき
しずかな眠りにつくまで
昨日までいたところへ
また戻ってゆくまで
傷ついた子猫に
しおざいの記憶だけは
持っていってほしかった
空と海の青さだけは
持っていってほしかったから
傷ついた子猫と
海を見ていたかった
ここは天国じゃない
生まれてきたものにとって
ここは戦場
ここはせんじょうだから
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