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(詩)桜は雪のように

雪みたいに桜が舞っていた
だけどやっぱり雪じゃないから
濡れなくていいやって思ったら
きみが泣いていた
だから卒業なんて大嫌いなんだ

きみはもう新しい一歩を
踏み出しましたか?
ぼくは相変わらずとろくてさ
まだ新しい季節に上手く馴染めずに
季節だけが巡ってゆく
まるで雪のように季節は巡り

いつか桜吹雪の中で
きみが泣いたことも
そんな季節があったことも
みんな忘れて
雪のように舞う桜を見て
美しいなあって
ただきれいだなあ、なんて
思える季節も来るだろうか
そして卒業おめでとうって
きみに言える日が
ぼくにそして卒業おめでとうってさ
告げられる日も来るでしょうか

卒業おめでとう、
卒業ありがとう、って
桜たちはきっと
そんな言葉を
ぼくたちに告げながら
散ってゆく
舞っているのだと
悟れる日が来たらいいね
いつかぼくたちが
それぞれの場所で
散ってゆく日に
散ってゆく日のために

桜は雪のように

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