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(詩)銀河の扉

この夜のどこかに
きみがいるなら
確かにこの夜のどこかの場所で
今もきみが
ぼくを待っていてくれるなら

そして今はまだ
ぼくが生きていることさえ知らず
ただぼんやりと遠い星を見上げ
ひとりの夜を抱きしめているのなら

いくせんの夜を越え
いく数千の夜のやみの扉を
ひとつ、またひとつ
諦めることなくたたいてゆくよ
銀河の星のひとつひとつを
旅するように

たとえ無限のとしつきを費やしても
ぼくはきみを見つけ出すから

どんな小さな星
どんな小さな一粒の涙のかけらも
見逃すことなく
どんな小さな風、どんな小さなうた
どんな小さなため息も
聴きもらすことなく

今はあわてず
ゆっくりゆっくり歩いてゆくよ

もしも急ぎすぎて
きみを見つけ出せなかったら
銀河は永遠のやみへと
落ちてしまうから

今はこの夜のさびしさを
ひとつまたひとつ
ぼくの孤独な胸へと刻みつけよう

遠い時の彼方から押し寄せる
銀河の波のしおざいが
しずかにぼくたちの心へと
降り積もってゆくように

降り積もり
やがていつか必ず
ふたりは巡り会えるように

今はこのさびしさを
大事に育ててゆくよ

いくせんの夜を越え
いつかぼくたちが巡り会う時

ぼくがきみをきみだと気付くように
きみがぼくのことを
ぼくだとわかるように

そして一番最初にきみに
ごめんね、とあやまれるように

今はひとりでも
ちゃんと生きてゆくよ

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