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文学フリマのために作ったZINEを振り返ってみた

11月20日は東京で文フリがあるのだとか!
いいないいな。いつかは行ってみたいな文フリ東京。

年々どこの文フリも盛り上がっていくようだし。

私自身も2016年の初参加から7年目。

この辺で私が参加した文フリを振り返っておこうかと思う。



記念すべき第一号!最初は別の名称だったけど直前で変更しました。

2016年9月18日の文学フリマ大阪のために「ピノコプレス」が
生まれました!
はじめてのZINE!
16ページの簡単なコピー本だけど
4コマエッセイ漫画、コラム、短編小説と盛りだくさんで
作っている間楽しくてとても興奮しました(笑)

見開きで作った蒼乃シュウのコラムのページ。コラージュが楽しい。

短編小説は「城崎にて2016」という青春温泉小説。
城崎の七つの湯すべて出てきます。
書くの楽しかった!



1回目の文フリですっかりZINEのとりこになってしまった私は
4か月後、第2号を作って2017年1月22日の文フリ京都に出店しました。


第2号の特集は「一人旅」。
要するに雑誌の後ろの方によくあるおたよりコーナーみたいなのを作りたかったのです。


ひとり大好き4コマ。

1号、2号と共通するのは、エッセイ漫画とコラムと小説は
別々の人物が書いているという設定で、
実は同一人物のひとり芝居なのでしたー!
というオチなんだけど、
どう見ても全部同じ人が書いていることがバレバレなんで
そういうややこしいことは2号をもって廃止。

自信はあったんだけど、全然売れなくて
大量の売れ残りを持って帰りました…。

京都の後、4月に金沢の文フリにもこれを持って参加しました。
でも、まだ現在も在庫あるし…。(ほしい人はあげます)

そしてまた9月。大阪です。
このころはまだ天満橋ではなく、堺の体育館みたいなところで
開催していました。

3号の特集は「断捨離」。ホットケーキ美味しそうに描けた。


はじめての一人暮らしで困ったこととか、怖い人が借金の取り立てに来た話とか(前の住人の借金よ)、断捨離をした話などのコミックエッセイが中心です。
こちらは完売したので手元にはありません。


そして2018年1月の京

ゼンタングルにハマっていた頃のイラスト。


このころに一回目の別府旅行をしていた!

第4号は、ツイッターに投稿し始めた1ページマンガをまとめました。
短編ホラー小説も載せました。
あまり売れなかったので手元に数冊あります。(ほしい人、あげます)

で、2018年9月の大阪です!
このころnoteをはじめてお酒のコミックエッセイを描き始めました。
それをまとめたもの。すべてマンガです。
最近完売しました。

特集は「酒」


次は2019年1月の京都です。
このころ私は趣味で百合を描き始めて
百合を描く楽しさと自由さを知ってしまいました。
(男が出てこない&男を賛美しなくていい漫画って何て楽しいんだ!)
なので百合特集です。

特集は「オンナノコばっかり」

京都の後、自信満々で広島にも参加。
でもあまり買ってもらえず…。
がっかりしながら帰りました。


そして2019年9月の大阪。
こちらはミステリー百合です。


特集は「ゾクツとするはなし」

6号に続き百合です。
自分的には「これは絶対におもしろい!」と自信があったのですが、
あまり手応えなく、在庫抱えています。(ほしい人買ってください)

て、振り返ってみると、毎回毎回、私は
「今回は自信ある!」となぜか自信に溢れて挑んでいるんですよね。
その割りにあんまり売れなかったりして…。
でもこういう根拠のない自信も続けていくためには必要なのかも?

はい次、2020年9月大阪です。

特集は「お風呂」。表紙は初の二色刷。かわいくて気に入ってます。

表紙が目立ったのか、通りすがりの人も足をとめて
手にとってくれるようになり、いつもより売れるようになってきました。
「銭湯」と「ビジホ温泉」という文字も良かったのかもしれません。
完売しました~

そして2021年9月の大阪!

特集は「喫茶店」。クラフト紙にブルーのインクがお気に入り。

好きな喫茶店のことやレトロ喫茶店に訪れたエッセイ漫画など。

「お風呂」に続き、「喫茶店」て、
なんか悪どいような気もしてきました。
だってお風呂も喫茶店も、誰だって好きじゃないですか!
お陰さまで9号も完売しましたが…(ありがとうございます!)

買ってもらいやすい本を作るには、
○表紙がかわいい、目を引く
○誰でも好きな内容

なのかな、とも思いました。

でも…

なんかそれって当たり前のようだけど、
「卑怯」なような気もしてきました。

ZINEは普通の商業誌とは違う
自由な本…のはずなのに。

何かこう、「自分しか書けないようなもの」で
勝負せなあかんのではないか、と
悩んだ時もありました。

悩んでたって次の文フリはやってくる!
今年2022年9月の大阪で作ったのはこれ!

そして最新号!特集は「ビジネスホテル」。どや!という気持ちを込めた渾身の二色刷。

10号にしてやっと「私が作りたかったもの」に
近づいたような気がします。
ありがたいことにたくさん買っていただきました!
今までの経験を糧にして頑張りました。(涙)
自分が満足できるものがよく売れると
ものすごく嬉しいです!!

「ピノコプレス」だけではなく、ノートを作ってみたり、
イラストbookを作ってみたり、
マンガ「恋するルマンドちゃん」とか
別冊ピノコプレス「女子の生き方」を
作ったり、ステッカーとか羊毛ブローチを作ったり
毎回かなり楽しませてもらっています。

自由なので「あ、やってみよう!」とひらめいたことを
すぐに形にしちゃっていい!
失敗してもたいした損害になるわけではないし!

自分のZINE のことばかりを書いてしまいましたが、
もちろん、他の方のZINEを見るのも大好きです!

今までで特に印象に残っているZINE は…

平川マオさんの、「おいでよ!ポリウッド」という
インド旅行記。

ひとりずもうさんの「ひとりずもう」
相撲を観戦にいくルポ等。
文章がおもしろくて相撲好きではない私も
夢中で読んでしまう!
全巻買ってます!

まろりぬさんの「18歳未満では行けないお店にいってきた話。
AV女優さん編」
内容もドキドキしておもしろいし、まろりぬさんの文章も最高。
※まろりぬさんは11月20日の東京にも参戦するそうですよ!
(いー20) 

他にもいろいろあります!
振り返ってみると、私はすごく
「個人的な話」が好きなようです。
「これがめっちゃ好きでたまらない!」という
溢れる気持ちを鎮めるために(?)に
書かれたような文章に惹かれます。
本屋さんでは見つからないようなものが
ここで見つかることが私にとっての
文学フリマの魅力です。

あとは「文学」といいながら
「小説」はなかなか手を出すのが難しいジャンルなのかな…
と思ってしまいます。

小説は好きだけど、すべての小説を愛しているという
わけではないので、
本屋さんで売ってるベストセラーでさえ
「え?これ、おもしろいの」とモヤモヤしてしまう
こともあるのです。
小説って、超個人的な思考が詰まったものです。

たとえ文章が「うまいなぁ!」と唸るような人の作品であっても、
小説は「文章の巧さ」だけでは好きにはなれません。

だからといって文学フリマでの小説のジャンルを
否定しているのではなくて、
「だからこそ」という気持ちもあります。

私が今回、この記事を書くために、
過去のZINE を引っ張り出してきて
読み直してみたんですよね。
すると…
おもしろい…
(自画自賛…でもいいじゃない)
と、じーん、と感動してしまったんです。

私、自分でいうのもなんですが、
自分のことを「恥ずかしい」という気持ちが大きいです。
10代、20代の自分なんて世間知らずのただの馬鹿だし
30代、40代の自分もやっぱり馬鹿です。恥ずかしい人生なのに
よく生きてたな!と思うことが多いです。
50代になり、やっとそういう気持ちは収まってきて
(開き直り)はいるものの、やっぱり
1年前の自分を思うと「バッカだな~」と
思ってしまうのです。
恥の多い人生とはこのことです。

でも…
ZINEをはじめ、「創作物」はそうではないのです。
「自分の頭で考え作ったもの」だけは
ぜんぜん恥ずかしくないのです。
むしろ好きです。
自分で作ったものなのに、
形にした瞬間、自分を離れてしまって
別物になってしまうような感覚で、
それを「私」が見て楽しんでいるのです。

だから…

私はこれからもZINEを作って自分を愛してあげたい。

本当は小説を書きたい。

誰も読んではくれないかもしれない。
漫画ではなく「小説」を読んでもらうことは
とても難しいことだと思っている。
だから、自分のためにZINEという場所を自由に
何でも書いていい場所を作ってあげたい。
そんな気持ちでやってます。
 
ぴのこ堂を今後ともよろしく。



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