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笑顔と、喜びと、キラメキが舞った夢の時間 Hololive 1st fes. ノンストップ・ストーリー 所感

ついにこの日がやってきた。
2020年1月24日、東京にある豊洲PITに、23の輝く光と、それを追いかける老若男女すべての仲間たちが集った。バーチャルタレント事務所ホロライブプロダクションの最初の全体ライブ、「ノンストップ・ストーリー」
今やこのバーチャルYouTuber界隈でも一二を争うほどの大きなグループとなったホロライブという箱で開催されたフェスに現地参加した感想をまとめたい。

ノンストップストーリー


私が到着したのは開場の30分ほど前だったが、平日にもかかわらずすでに会場周辺は人混みで溢れかえっており、ホロライブの人気ぶりが伺えた。

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入場するとロビーにはおびただしい数のフラスタが設置されていた。こんな数のフラスタを目にしたのは初めてかもしれない。後に大神ミオのアフタートークで語られたが、100基以上あったらしい。

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フラスタについては有志のファンの方々が写真をまとめてハッシュタグにツイートしてくれているのでぜひチェックして頂きたい。(rizeruさん、高野豆腐くんさん掲載許可ありがとうございます!)

ちなみに私もフラスタと楽屋花のイラストをそれぞれ担当させていただいた。この場を借りて紹介させていただく。

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開幕

「アイドルになって、大きなステージで歌って踊りたい― 2年前、1人から始まったこの思いは 20人以上のメンバーとの、大きな思いになって実現する。 個性も目標も、夢も違う。そんな私たちが、初めてみんなで見る同じ景色。これからもずっと輝くために、笑顔でいるために…私たちは、前を向いて進み続ける―」

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ときのそらの言葉とともに、ときのそらの楽曲「ヒロイック・ヒロイン」に乗せて参加メンバー23人の姿とコメント、それからこれまでのメンバーの印象深いシーンのダイジェストが流れていく。そしてノンストップ・ストーリーの文字とともに、この最高の時間は幕を上げた。

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ShinySmilyStory

同じ未来を見ていたい―。
あの夢手にしたい―。

ある意味アイドルグループとしてのホロライブを象徴するこの曲が、今日のライブのスタートを飾る楽曲に選ばれた。全メンバーが一同に会しこの曲を歌唱する。まさに全てのホロライブを愛する人たちが待ち望んだ光景がそこにはあった。
会場に居たときはそれほど気にならなかったが、後から配信のアーカイブを見ると、ホロリスナーたちのコールは見事なまでに統率され、最高の熱気に溢れていて、彼らの“推し”に対する凄まじいまでの“愛”を肌で感じた。
この日のために彼女たちがずっと前から準備してきたように。ホロリスナーたちもまた、この日をずっと待ち望んでいたのだ。そう感じさせられた。

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この瞬間、少女は真に清楚できらめくアイドルとなった

開幕のSSSによる導入はバッチリ。会場のホロリスナーたちも一気に暖まった中でいよいよソロライブパートに突入していく。一番手はなんと夏色まつり。
事前に「全員ガチ恋させてやるよ!!!!!!!!!!!!!!」


と意気込んでいた彼女が選んだ楽曲は「ファンサ」
会場はオレンジ一色に染まり、「ホロライブの清楚」を自称する少女の歌声に聞き惚れる。
「まつりを見て!もっと!!」その瞬間会場の視線は彼女だけに注がれていた。
会場全員での「おまつりわっしょい!!」で夏色まつりのステージは締めくくられた。

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野うさぎたちの愛を胸に、少女は夢の舞台で歌う。

そして続くのは兎田ぺこら「fancy baby doll」。まさか2番手に来るとは思っていなかったので、私も「兎田ァ!?」と叫んでしまった。田村ゆかりさんの楽曲を可愛らしく歌い上げるぺこら。野うさぎたちも「世界一!かわいいよ!!」「愛してる!!!」のコールで返して、更に盛り上がりは熱を帯びていくのを感じられた。

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一見相反する2つ武器を使いこなすオトナのアイドル

そして癒月ちょこ先生の「おじゃま虫」
ビジュアルはセクシーな先生だが、ただセクシーなだけではなく内面には可愛らしさも秘められている、そんな先生を全面に押し出した楽曲だ。「ぱふぱふにゃーにゃー」のコールで会場で会場は大いに盛り上がり、先生の「超好き」、ラストの「大好き」で黄色い歓声が上がる一幕もあった。

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真の高性能は歌声で空間を支配する

続くロボ子さんは自慢の儚げなウィスパーボイスを活かしたバラード「はなびら」を歌い上げた。
ここまでで盛り上がりすぎ?な場内を一旦クールダウンさせるような、静かに聴き入ってしまう歌声。私も思わず目を閉じて聴いてしまっていた。

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歌って踊れてゲームも出来る。ゲーマーズいちのオールラウンダー

物事に緩急は大切だ。一旦クールダウンした会場に再び火をつけたのは大神ミオだった。
歌い上げたのは「夜もすがら君想ふ」である。
場内はミオファの森のグリーンに包まれ、大神ミオ自身の軽快なパフォーマンスと安定して綺麗な歌声に併せて手拍子をうつ会場。合間に挟んだ「みんなだいすきだよー!」に歓声があがる一幕もあり、彼女の盛り上げ上手な一面を垣間見れた。

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↑登場した時のポーズと表情も印象に強く残っている。ミオかわいい。


“ダメ天使”とは言わせない。大天使あくあは確かにそこに居た。

続く湊あくあ「桃色片思い」を歌唱した。
往年の名アイドルソングを軽やかに歌い上げる彼女の姿はまさにアイドル・湊あくあだったに違いない。間奏の「あーくあくあ、あくーあ!!!」の煽りが突然で、観客が乗り切れず微妙にずれていたのも彼女らしく、まさにかわいいアイドルの姿がそこにあった。

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ここでときのそらとロボ子さんのMCタイム
ライブでよくあるコール&レスポンスでは「こっちのみんなー!!(二人が直接移動する)」と観客を煽った。のちにときのそらの配信で語られたのだが、「“右側のみんなー!”などの方向で言うと、演者と観客の向きが違うのでどっちか分からなくなるから自分たちで直接移動することにした」という彼女たちなりの工夫があったようだ。
そして、まだ「みんなの衣装がまだ通常衣装であるから前哨戦だぞ」という期待を煽る前フリもあり、この後がいよいよ楽しみになった。


訛りが愛らしい、ホロライブ随一の天才肌

2部のスタートを飾るのは戌神ころね。楽曲は「こちら、幸福安心委員会です。」
独特の?感性を持っている彼女らしい選曲といえば彼女らしいかもしれない。
もしかしたら以前に彼女のスマートフォンに物騒な死因の検索履歴が残っていたのはこのときのために下調べをしていたからなのかもしれない。
彼女特有の訛りのある煽りと「幸福なのは!義務なんです!!」で会場は一気にヒートアップ。正直めちゃくちゃ楽しいコール&レスポンスだった。しーねっ☆で歓声のあがる会場は、どうやらすっかり彼女の支配下にあるようだ。

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妖艶で儚い、蠱惑の少女は夢の空を舞う

続くのは潤羽るしあ
「13」を歌い上げたが、正直鳥肌モノだった。彼女の優しく儚げな歌声、そして蝶をモチーフにした衣装と華やかなダンスがあわさって思わず見とれてしまう、彼女がネクロマンサーというある種魔性の側の存在である事実に頷ける光景がそこにはあった。彼女が最推しでなくとも、彼女のことが好きになってしまった人も多いだろう。

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スターを目指しひたすら駆け上がって来た、ある少女の物語が迎える夢の舞台

星街すいせい。彼女はアイドルを目指してホロライブに加入してきたスターの原石…いや、この日ステージに立っていたのはスターそのものだった。今日初披露の3Dの身体…であることすら忘れてしまうほどの圧倒的で力強い歌唱力で持ち歌でもある「天球、彗星は夜を跨いで」を歌い上げた。すいちゃんは今日もかわいい!!

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余談だが私はAZKiの企画の一つである、アズラジの楽曲紹介で「天球、彗星は夜を跨いで」を聴いてまだ個人勢だった頃の彼女の歌声に惚れた訳なのだが、それから1年近く経って、彼女がホロライブに加わり、このステージでこの曲を披露する姿をずっと待ち望んでいた。彼女もまた、夢を追い求めて1から駆け上がってきた叩き上げのスターなのだ。


Kawaiiを体現するワガママアイドル

ここで再び楽曲の雰囲気がガラリと変わる。歌うのは赤井はあとで、「私、アイドル宣言」。「打首よー!!」の声に会場からは大歓声があがった。
おそらく彼女以上にときのそらに憧れているホロライブメンバーも居ないのではないかとすら思えるはあと様(ときのそらのツイートに欠かさずリプライしている姿が頻繁に見られるため)だが、この日の彼女はまさにステージを駆け回りKawaiiを体現するキュートなアイドルそのものだっただろう。ぜひとも打首を所望したい。

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のんびりマイペースなアルトボイスで観客を虜にした猫又おかゆ

猫又おかゆ。彼女の緊張をおくびにも出さないのんびりとしたトークと女性にしては比較的低く特徴的な声色から繰り出されるのは「惑星ループ」。テンションが下がるわけでもなく、かといって激しく白熱するわけでもない。それでも確かに観客は彼女に魅了されていた。不思議で心地よい空間がおわりを迎えると「さらばだ~」と言い残して去っていく彼女は最後までマイペースだった。

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芸人とは言わせない。本物のアイドルはここに居た

入れ替わりに現れたのは大空スバルで、歌うのは「金曜日のおはよう」
正直甘く見ていたかもしれない。彼女のよく通る歌声と元気なダンスは、まさに歌って踊るアイドルの姿そのものだった。普段の彼女の芸人ムーブを知る人はそのギャップに圧倒されただろう。会場の盛り上がりも熱く、彼女が如何に愛されているのかが伺い知れた。

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ここでMCタイム。
今回は白上フブキと大神ミオ、夏色まつり、宝鐘マリンの4人だ。
4人のおなじみの挨拶を使ってコール&レスポンスをして、会場を大いに盛り上げ…と思いきや、まつりだけは「夏色まつりは?」「清楚だよな!!」と言わせようとして大いに滑っている姿が見られた。
なおここで宝鐘マリンは初の3Dの姿のお披露目となったが、ずっとピョンピョンしていたのが印象的だった。船長の「しゅっこーう!」「ヨーソロー!」で舞台は3部へと進んでいった。


彼女の歌声は開拓の歴史そのものだ。そしてその道は、今ここで22の輝きと交わる

3部のスタートはAZKi「without U」。複数回のライブ・イベントを経験してきている彼女の歌唱は私としては絶大な安心感を感じた。場内に散らばった開拓者たちも手拍子やコールで会場を引っ張る姿が見受けられ、彼女が築き上げてきたものがついに全てのホロリスナーに披露される瞬間と相まって実に感慨深かった。
ライブ後やその後のオフ会に参加して開拓者以外のホロリスナーと何人か話す機会があったのだが、「今まで名前しか知らなかったけど、めちゃくちゃ歌がうまいじゃん」「without Uの歌詞がとてもよかった」「AZKiちゃんのブレスの使い方が最高だった」「帰りにアルバム買った」という声も多く聞けて、開拓者でもある自分としては実に嬉しく、誇らしかった。

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かわ余とかっこ余が合わさるとき、鬼神はその真価を発揮する

そしてここからは赤がイメージカラーのメンバーが続く。
百鬼あやめで、歌うのは「千本桜」
普段はかわ余と言われることが多い彼女。かわ余なのはそのままに、かっこ余でかつどこか美しくこの曲を歌い上げた。曲風も彼女の容姿とマッチしており、有名なボカロ曲ということもあって会場のコールも力強く彼女の勇姿を盛り上げていた。

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昭和感?懐かしい?新時代のアイドルは歌声でわからせる

次に現れたのは先程初3D披露となった宝鐘マリンで、「Lost my music」を歌い切った。
どこかセクシーでどこか可愛らしい。そんな姿で所狭しと動き回る船長の姿はまさにアイドルだった。少し懐かしい選曲と振り付けもまた彼女の魅力のひとつだろう。歌唱力も非常に高く、船長の秘められた実力を見せ付けられたような印象だ。
このライブに合わせて、発表時点ではまだ3D化していなかった彼女を含めた3人のメンバーのモデルをこのクオリティで作ってきたホロライブのモデラーその他技術スタッフの努力にも手を合わせたい。

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その異世界の舞踊は、観客の心を釘付けにする

そしてここで会場は幻想の世界に引き込まれる。
歌うのはアキ・ローゼンタールで、彼女のオリジナル曲である「シャ・ル・イース」を得意のダンスとともに披露した。
この楽曲は彼女のデビュー直後に公開されたもので、オリジナルの言語で構成された民謡テイストの曲である。
この楽曲にどこかバレエの舞いのような魅惑的なダンスが合わさり、まるで魔法の世界に紛れ込んだかのような錯覚を覚えた人も多いだろう。

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ふにゃっとした騎士団長は、自らの夢見た輝きとなった

入れ替わるように登場した白銀ノエル「太陽系デスコ」を披露した。
この楽曲のイメージカラーである赤とは違う、彼女の色である白銀に染まった会場の中で披露される太陽系デスコもまた魅力的な空間だ。また、彼女のセクシーな容姿から繰り出される可愛らしい歌声のギャップが魅力的だった。
後に彼女のアフタートークと、ときのそらのアフタートークで語られたのだが、彼女がこの楽曲をキーを下げてまでこのステージで歌うことを選んだのは、彼女自身がホロライブを知ったきっかけがときのそらの太陽系デスコを聴いたことだったから。ということらしい。自らが聴き憧れた歌声と同じ舞台で、同じ歌を披露する。これがどれほどの重圧と、どれほどの喜びを秘めていたのだろうか。

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オタクで照れ屋なアイドル狐は友の思いを胸に走り続け、そのステージに立つ

そして3部のラストを飾るのは白上フブキ「Say!ファンファーレ!」
この楽曲は実は先日の「Congratulation!! FUBUKI BIRTHDAY PARTY.2019(以下FBKBP)」で披露された楽曲で、すこん部の諸氏には既に知っていた人も多いだろう。
楽曲自体が公開されたのはこのノンストップ・ストーリーの1日前だったので、中々コールを練習するのが大変だった人も多いと思う。そんな中で完璧に仕上げてきている人も多くおり、彼女への愛が伺えた。
白と水色の光の中、「うーっ、こんこんっ!!」とコールを繰り出すのは楽しい時間だった。私自身FBKBPにも参加しており、そのときは初披露だったとはいえ、不完全なコールしかできず、今回のステージで楽しくリベンジ出来たので、とても嬉しかった。人前で歌うのを恥ずかしがっていた彼女が、すこん部だけでなく全てのホロリスナーの前に立ってその歌を披露する日をこうして迎えることが出来たことが、私自身推し事をしてきて幸せを感じた瞬間だったのかもしれない。

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3部のあとのMCはぺこみここと兎田ぺこらとさくらみこのコンビだ。
今回もコール&レスポンスをやってみよう!とのことだったが突然の機材トラブルで暗闇に囚われてしまう。トラブルすらも「ぺこみこ虐だ!!」とネタにしようとするところにアイドル精神?を感じた。
観客からのコールで彼女たちを呼び戻そうと「ぺーこみこ!」コールをしていたホロリスナーだが、途中から「にーんじん!」「エリート!」に変わり、最終的に万策尽きた彼女たちを差し置いて自然発生的に「YAGOO!」コールが始まった。そして段々と加速するYAGOOコールが終わったとき、図ったかのように二人が帰ってきたのはこのライブでも5本の指に入る印象的なシーンとなった。
なお、ここで語る必要は無いとは思うが、YAGOOとはホロライブプロダクションを運営するカバー株式会社のCEOである谷郷(たにごう)氏の愛称である。


YAGOOコールにより無事に生還したぺこみこの2人を見送り、舞台は4部に突入する。


愛らしい小悪魔は、ギャップという名の魔法で観客の心を掴んだ

登場したのは紫咲シオンで、歌うのは「Booo!」
普段はお子さm…幼い印象のある彼女だが、今回ばかりはその真の実力を見せつけ、しっとりと大人びた楽曲を歌い切った。
ラストの「おしまいっ!!」には彼女の可愛さが詰まっていた。

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その歌声は、心を震わせる。

続くのは初3D披露となる不知火フレアで、「天ノ弱」
入場時のお辞儀や、あまり動き回らずに歌唱に集中する姿がまさに武人のようで印象的だった。
この勇ましくも高音の多い楽曲を力強く、美しい歌声で見事に歌い切る彼女の姿は非常に格好良かった。

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エリートな巫女は常に進化していく

さくらみこは自身のオリジナル曲である「マイネームイズエリート☆」を披露した。この楽曲は電波ソングのスタンダードとも言える楽曲で、コールは多いものの乗れると大いに盛り上がれ、印象にも残りやすいライブ映えする楽曲といえるだろう。さくらみこ自身も以前に開催された「ホロライブオンステージ―でいどり~む」や、「It's a Virtual&Real Pop World!」といったライブに登場した際より明らかに持久力が成長しており、以前は息切れしていた場面も多かったが、今日のライブでは観客を煽りつつ見事に歌い上げていた。

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“かわいい”の“かっこいい”は人の心を撃ち抜く

ここで登場したのは夜空メル。事前にヘドバンする曲という情報は公開されていたが、その曲が「ヒバナ」だったのは少し予想外だった。前述した「でいどり~む」での彼女と異なり、激しいクールな曲を歌い上げる姿は印象的でした。
ヘドバンはもちろん一緒に楽しんだ。「よく出来ました…」が最高にクールで格好良かった。

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すべてのはじまりを夢見た少女は、希望と喜びときらめきを携えて歌う

1部から4部まで続いてきたソロパートを締めくくるのはやはりときのそら。彼女しかいないだろう。
歌ったのは「フレーフレーLOVE」。彼女が歌い始めた瞬間、会場の空気すら引き締まり、研ぎ澄まされたように感じ、やはりというべきか、ここまでホロライブを引っ張ってきたアイドルとしての貫禄を感じさせられた。そして観客のコールもまさに待ってましたと言わんばかりに勢いを増したように思えた。

笑い声の絶えない小さな行進は、世界中を巻き込んだ大行進に
彼女のアルバム「Dreaming!」の中に「ブレンドキャラバン」という楽曲があるが、彼女のここまでの道程と、今日のこの日はまさにその歌詞の通りの光景だったといえる。
「いつか横浜アリーナで歌いたいー。」そう夢見たいたって普通の少女の物語は、たくさんの友や仲間たちの希望となり、今ここでひとつの節目を迎えた。夢は夢で終わらないということ、そして彼女がついに夢にその手の届く場所まで上りつめたということを教えてくれた。

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4度目のMCは百鬼あやめ、大空スバルのあやスバコンビだ。
どうあがいてもさくらみこのマイネームイズエリート☆のコールに引っ張られる彼女たちはあやスバてぇてぇだった。


彼女たちの道の始まりは、どれもひとりきりだった。それでも今は、ともに歩む仲間に囲まれている

サイン

あやスバの「とまらないホロライブ!」コールで転換した第5部はいよいよ全ホロリスナー待望のアイドルユニットパート。ここからはまさに“とまらない”怒涛のクライマックスだ。
某有名アイドルゲームのSSR演出をオマージュした、登場メンバー各々のサインのあとに現れた5人は、ときのそら、ロボ子さん、さくらみこ、AZKi、星街すいせいのいわゆる“0期生”ユニットで、彼女たちは「Dream☆Story」を披露した。
この曲はときのそらの自己紹介曲でもあるが、この日のライブで「ときのそらだよ!」の部分が「ホロライブだよ!!」に差し替えられていた。当初はオリジナルである「ときのそらだよ!」の予定だったが、ときのそら自身からの申し出で変更となったそうだ。
5人の歌いまわしが目まぐるしく入れ替わり、とても贅沢なホロライブの自己紹介曲となっていた。観客のコールもこの楽曲で爆発的に盛り上がった。
現地では盛り上がりすぎて全く気付かなかったのだが、2番に入ったところでロボ子さんがコールを入れる場所を間違えて「あっ…」と言っていた事実をあとでアーカイブを見てから知って、思わず笑ってしまった。
アーカイブを購入している方はぜひチェックして欲しい。

0期生の共通点として、活動を始めたとき様々な理由で同期がいなかった。ということがときのそらのアフタートークで挙げられた。それでも彼女たちは走り続け、そしてその道は多くの仲間たちと重なり、今ここで23人の仲間と共に舞台に立つこととなった。もちろん彼女たち以外にも裏方スタッフや、中国ホロライブに4期生、そしてホロスターズといった多くの仲間たちがともにその道を歩んでいる。

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紆余曲折の末、少女たちは同じ光を目指し、そしてきらめく星となる

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白上フブキ、夏色まつり、アキ・ローゼンタール、赤井はあと、夜空メルで構成された“1期生”ユニットは新曲「夢見る空へ」を披露した。センターはなんとアキ・ローゼンタール
まさに綺麗で光り輝くアイドルの歌だ。と言わんばかりのアイドルソングで、歌詞がホロライブのアイドルの姿と、夢へと進む姿を描き、表題にあるようにその象徴が“空”になっているところがまたポイントに感じた。「one for all, all for all」「憧れって思ったし、掴み取ったその光がいつの日かまた誰かの憧れに変わる…つなげよう」「重ねた手をギュッと離さずに一人ひとり違う色で描くときめき」「出会った全てにありがとう」これらの歌詞が全て、この楽曲の初披露を1期生が担当した理由なのだろう、と感じさせられた。ときのそらという“星”を継ぐべくデビューした彼女たちはそれぞれが楽しさも、つらさも、悲しさも、喜びも、沢山のことを味わってきた。そしていつしか彼女たちもまた後輩から背中をおわれる立場になっていた。そんな彼女たちだからこそ、この楽曲は強い想いを伴って聴く者に訴えかけてくるのだろう。

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なお、この楽曲のコーラスはアキロゼが担当したことが後に明かされた。


個性も得意も違う。それでも5人は共に歩んできた。

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アイドル“2期生”ユニットが歌うのは「五等分の気持ち」だ。
まさかホロぐらで一瞬だけ登場したネタがここで使われるとは誰が予想出来たのだろう。
それでも2期生の関係性や思いを象徴している、5人にふさわしい楽曲なのだと納得出来た。
湊あくあ、紫咲シオン、癒月ちょこ、百鬼あやめ、大空スバル…それぞれが色の強い個性をもち活動している2期生。きらびやかな衣装に身を包み、5人はこの瞬間、確かに同じ気持ちをもって、そのステージに並び立っていた。

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彼女たちはネタに走らずには居られない…!だが、やるからには常に本気だ!!

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続いて登場したのはアイドル“ゲーマーズ”ユニットの白上フブキ、大神ミオ、猫又おかゆ、戌神ころね「新宝島」を披露した。曲名が表示された瞬間会場は笑いに包まれたが、彼女たちは本気だった。正直この日のライブで一番盛り上がったと言っても過言ではないかもしれない。コーラスは会場全体で一緒に歌うところが最高にエモかった。ネタなのにエモになってしまった。
なにより本家公式PVの再現度が高すぎる。真顔で踊るところまで再現されている。エアバンドも丁寧丁寧に再現されていた。円盤が発売されたらぜひ買って楽しみたい。

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5人はデビューしたときからずっと一緒だった。そしてこれからも。

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アイドル“3期生”の兎田ぺこら、潤羽るしあ、不知火フレア、白銀ノエル、宝鐘マリンが歌ったのは「Connecting」。後に同時視聴枠で不知火フレアから明かされたが、振り付けは兎田ぺこら、歌いまわしは不知火フレアが担当したそうで、3期生の結束力の高さが伺える。
開幕の潤羽るしあのハモリが完璧すぎてまたしても鳥肌が立ってしまった。
不知火フレアと宝鐘マリンの最高にカッコいいシャウトも見どころである。

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ホロライブを支え先導してきた3人のエース

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ユニットパートのラストを飾るのはときのそら、白上フブキ、湊あくあのホロライブ3TOPによるスペシャルユニットによる「気まぐれメルシィ」だ。
とにかく最高にセクシーでカッコいい。
ホロライブを最前線で引っ張ってきたその歌唱力とパフォーマンスは納得のものだった。
3人の声の特徴がそれぞれ異なり、それが絶妙に噛み合っていた。
ときのそらの「抱きしめてよね」の高音はやはり他を寄せ付けない圧巻の音圧と高音を兼ね備えているし、白上の「振り回さないで」の伸びも凄い。あくあの「溺れるくらい愛してよ」「気まぐれメルシィ」の透明感も素晴らしかった。
そして私の目を一際惹いたのは、敢えて王冠を着飾っている白上フブキをセンターに据えているというところである。彼女が1期生のデビュー以来ずっと、バーチャルの世界を文字通り駆け回り続けて今の位置まで上ってきたことを思い起こすと、これだけでエモさを感じてしまう。

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劇場版ホロのぐらふぃてぃ エドテンセイ

(「穢土転生」ではなく、きへんに歳であるため漢字表記なし)

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そして歌パートが突然おわり
ホロぐらの大長編が始まる。大長編ということで気合を入れて内容を考えるメンバーが描かれるが…?ツッコミが大神ミオしか居ないので出番が多くて嬉しいような心配なような…ともあれ、ライブ会場で見るホロぐらもまたカオスで楽しいものだった。
個人的にはときのそらのこのなんとも言えない顔が大画面で見られたのが最高だった。

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違ったココロと異なる夢で結ばれた仲間は同じ世界を歩む

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オルゴール調のSSSに乗せて23人のメンバーの夢が語られる

不知火フレア「見に来てくれてるみんなや、応援してるみんな、大好きな3期生のみんなと一緒にユニットライブがしたいぞ!」

AZKi「AZKiがいなくなっても、みんなの心や記憶に残り続ける音楽を作りたいです。」

兎田ぺこら「歌やいろいろな活動で、もっともっともーっと、多くの人にぺこらの事を知ってもらうことぺこ!」

星街すいせい「全部オリジナルソングのアルバムを作って、メジャーデビューがしたいです。そしてもっと、沢山の人に私のことを知ってほしいな。」

宝鐘マリン「船長の夢は海賊船を手に入れ、コスプレ女を卒業し、一味の君たち、ホロライブの先輩、同期、後輩と大海原へ出港することです!」

戌神ころね「ころねは~ホロライブのみんなとずっと一緒に居られればそれでいいかな。あっ、でも億万長者になる。なりたい。なります。」

潤羽るしあ「みんなが笑顔になれるように、これからも楽しい時間を、みんなと沢山過ごしていきたいです。色々な思い出も、もっともっと作っていきたいです。これからもるしあはみんなを笑顔にしたいです。」

大神ミオ「うちは~ホロライブのみんなと武道館ライブやりたーーい!!豊洲PITは凄いところで嬉しかったなぁ~!」

白銀ノエル「団長は、ホロライブの先輩や同期みたいに歌もゲームも喋りも、自他ともに認めるつよつよVtuberになって、自身を持って、ステージにまた立ちたい!今度は可愛い後輩たちと一緒にライブするぞー!!おーっ!!!」

猫又おかゆ「そーだなぁ、僕は~、一等地におにぎり屋のビルを建てることが夢かな~」

紫咲シオン「みんなを笑顔にさせれるようなVtuberになりたいです。」

百鬼あやめ「余の夢は人間様たちの元気になれたり、頑張る源になること!そして余をたっくさんの人間様たちに知ってもらって、みーんなで楽しむこと!」

赤井はあと「私の夢は、大きな養豚場を作って、快適な打ち首ライフを送ることですっ!」

アキ・ローゼンタール「アキロゼは、バーチャルベリーダンサーとして、みんなにキラキラとした素敵なショーをお届けしたい!そして、ホロライブのみんなとも、ワクワクするようなショーを、いーっぱいやることです!」

夏色まつり「夏色まつりは清楚だよなぁーっ!!全人類まつりす計画ぅぅぅ!いええええぇぇぇぇぇい!!!!」

大空スバル「スバルの夢は、最強の地獄の人になって、先輩たちみたいなつよつよスーパーアイドルになることです!」

夜空メル「メルの夢は、夜空メル…そしてホロライブをもっともっと色んな人に知ってもらいたいです。そして、またホロライブのみんなで、いつか武道館でライブしたいな。歌って、踊って、またみんなと楽しい思い出を作っていきたいな。メルもそのために頑張るから、これからもどうぞよろしくね」

さくらみこ「みこの夢は、今ここにいるみんな、そして、まだみこのことを知らないみんなに“エリートだ!”って思わせられるようなアイドルになることです!」

湊あくあ「私、湊あくあの夢はやっぱり日本一、いや世界一、ううん宇宙一、いやいやもっと…銀河一のトップアイドルになりたいです。」

白上フブキ「私の夢はぁー!いっぱいいっぱい悩んだんですけどー!やっぱぁ!ハリウッドかなぁー!!行くよなみんなー!ハリウッド行くぞぉぉぉぉ!!!!以上です!」

癒月ちょこ「私の夢は~、そうね…まだ癒月ちょこを知っていただいてる方って、ここにはね、知ってる方々がいっぱいいると思うんだけど、まだね、全人類には知れ渡ってないのでね。もっともっとちょこ先生を知って貰ってね。“ちょこ先生大好き!”って言って貰えるようなね、Vtuberになりたいなーっと思います。だからこれからもよろしくお願いします」

ロボ子さん「んー…僕がみんなの心のオアシスになれるような存在になれたら嬉しいなぁ。あっ、高性能なところも、もちろんもっともっと知ってほしい。」

ときのそら「いつか、横浜アリーナでソロライブがしたい!!」


そしてここでときのそらの語りが入る

自分は2017年から活動をしてきて、Vtuberも知られていない中、少ない人数で活動してきて…皆のがんばれ!が大きくなっていって、今、こんなに沢山の仲間に囲まれて、こんなに大きな舞台でしゃべることが出来るようになって嬉しい。

こんな舞台に立つことが出来ているのも、裏方のスタッフ、ホロライブの仲間、そして応援してくれる皆さんのお陰です
でも、私たちの夢はここでは終わりません。

これからもみんなと一緒に歩いていきたいし、もっともっと楽しいこと、幸せなことをみんなと分かち合っていきたいなと思ってます!
これからもホロライブをどうぞよろしくお願いします

これからもとまらねえぞ!!!!!!!!!


彼女たちはそれぞれが考え、悩み、それでも夢に向かって強く輝いて歩んでいる。
そしてその小さいけれど強い想いに惹かれて、心も、夢も異なれど、同じ想いを持つ仲間が集ってくる。
そんな小さな奇跡が積み重なった巨大なきらめきが今確かに目の前にあった。

「とまるんじゃねえぞ」「とまらねえぞ!」というキーワードは、最初は1人の少女が某機動戦士アニメのネタに対して返しただけのやり取りだった。それが今はこんなにも頼もしい言葉に昇華されてしまった。それも、全てのホロライブメンバーや、ホロライブリスナーが、その言葉を希望のフレーズとして口にするほどに。


キラメキライダー☆

最後はホロライブ全体曲の2曲目となるこの楽曲を23人全員で合唱となった。
全体的に暖かく、希望に満ち溢れるような印象を受けるこの曲は、まさにアイドルグループ・ホロライブとしての新たなスタートに相応しい楽曲だと感じる。彼女たちが、そしてこれからそこに加わるだろうまだ見ぬ仲間たちが、夢と希望に満ち溢れた道を共に歩めるように…そんな願いを。

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そして曲の終わりに銀テープ(この銀テープには出演者のサインがプリントされていた。ときのそらのアフタートークによると、サインの提供者もどこでサインが使われるのか聞かされていなかったようである)が飛び、SSSのインストロメンタルとともにセットリストが紹介された。このとき誰に頼まれるわけでもなく、その場のホロリスナー全員がインストのSSSにコールを入れていたのが、最高だった。今日一番、いや、今までで最高のSSSのコールだった。断言できる。もう、この空間、この時間にずっといたい。そう感じさせられた。奇跡のストーリー、そして終わらない夢はこうしてつくりあげられ、今まさに始まったばかりなのだ。


そしてSpecialThanksとして全ホロリスナーのファンネームが表示された。これはもう最後の最後に泣かせに来たとしか思えない演出だった。

私自身、正直な話Vtuberにハマるまでアーティストのライブなんて一度も行ったことの無いオタクだったのだが、Vtuberのライブ(とくにAZKi)を通して「ライブとは、演者だけでなく観客も共につくりあげるこの空間とこの時間そのものの事を言うのだ」と考えるようになったので、この演出は我々ホロリスナーたちの事をある種“認められた証”のような気がしてどこか誇らしく、そしてどこか報われたようなあたたかな気持ちで満たされたのは言うまでもない。

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そんな嬉しい演出のあとに「おわり」と表示されかけて、おわ…おわ…おわ…おわ'…おわらないホロライブ!となるシーンは、ホロライブはここではおわらないという決意表明であるとともに、この場は涙で締めくくるのではなく、笑って締めくくって貰おうというえーちゃんなりの優しさなのかな、と感じた。

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おわらない夢、ともに歩む夢

ホロライブを少しでも知っているのなら、いや、もし知っていなくてもこの日のライブは今よりももっとホロライブの事を好きになるきっかけになっただろう。0期生からホロライブを追い続けているが、全員は追いきれていないので3期生はあまり知らない人。逆に3期生から入ったので2期生以前のメンバーのことは名前しか知らない人。そういったホロリスナーが「推しではないメンバーも推し始める」きっかけになるイベント。それがこのノンストップ・ストーリーだ。

夢に向かって歩んでいるのは彼女たちだけではない。今回のノンストップ・ストーリーにはアンコールが無かった。だが、逆に言えばアンコールが無いのだから、この終わらない夢はまだ続いているのかもしれない。彼女たちを支える裏方のスタッフ、そしてホロライブの仲間、そして彼女たちの良き理解者であるリスナーたち。みんなが共に、この夢のような物語の続きを歩んでいくのだ。

セットリスト

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