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【税理士が分析する】新型コロナウィルスがトリガーとなり不要となってしまった業種業態とは、そしてこの先のビジネスは……

まず最初に

昨今の経済状況で経営が厳しくなってしまった方へ、最大限の応援の気持ちを表明させていただきたい。
皆様の今までの努力が結果に反映されづらい状況下ではありますが、決してそんなことはありません。内部要因より外部要因、つまり環境が激変してしまっただけです、常に勇気を手に前に進むことを応援したいと思っています。

1社たりとも倒産させない!
多様性は豊かさだと思っているので、倒産したほうが良い企業なんてないと言いたい。
もとに戻るイメージは描けませんが、倒産しないで続けてほしいと思っています。

さて、世の中で何が起こっているのか?を客観視してみましょう。

【産業構造の変化因子】
1.ウィルスがもたらした密を避ける行動により経済全体がシュリンク
2.バリューチェーンにおける中間業務の省略化
3.ほのかに見えていた人口減少課題

ウィルスそのものが原因ではなく、じわりと起こっていた因子に火が付いた。というのが本質でしょう。

1については解説不要だと思うので、2と3について考察したいと思っています。


2.バリューチェーンにおける中間業務の省略化
製造する、流通させる、販売する。というバリューチェーンの上流と下流以外はすべて不要となりました。売上が減って、利益を確保しなければならないので、利益に及ぼす影響が極めて少ないものはゲームから退場させられる状況になりました。

具体的に言うと、「上流の作る」「下流の売る」以外の流通において
中間を繋ぐ卸売・全体を管理する管理業務は大胆にカットされてしまいました。

これはbeforeコロナの頃からほのかに見えていましたが
・メーカーが作成したものを手を加えず小売業者に卸売する業者(横流し・転売)
・大手と零細を繋ぐようなコーディネーター
・出荷流通を規模で支えマーケティングする企業
・多重下請け構造におけるいわゆる中抜き
・中間管理職
このような業務を行っている企業は、売上規模がもとに戻ることはないでしょう。これらの業務はカットしても結果がほぼ変わらないという事が分かったからです。

もし今、アナタがこれらに該当するのであれば、上流寄りか下流寄りにシフトする必要があるでしょう。

上流寄りとは、製造業に寄っていくことで
下流寄りとは、小売業に近い顧客とのエンゲージメントを獲得していくことです。

常に勇気を手に、変化を起こしていきましょう。

ただし、ガラっとチェンジする必要はないと思っています。上流寄りか下流寄りか、すでに成功事例は企業内部にある筈です。
目標をブチあげて努力を強制するのではなく、現状持っているリソースを再度棚卸ししてみてください。
かつ、デジタルの世界でデータを蓄積する必要があります。
属人的な経験は集合知に置き換え、人のリソースは接客という心が通う手法に投下すべきではないでしょうか?

きっと、光るダイヤモンドの原石はある筈です。
手駒で勝負をしかけましょう。


3.ほのかに見えていた人口減少課題
2048年には日本の人口は9,913万人と1億人を割ります。
2020年3月の1億2,596万人からすると78%の経済規模です。

もし、あなたの会社の業績が、売上昨対78%であれば、28年後の未来を先取りしている状況と言えます。
この状況下でも利益が出るように、今から整えておくしかありません。

2つ提言したいことがありまして、1つは売上昨対ということはあまり意味が無いということ、もう1つは人口減少に本気で合わせましょう。という事です。

売上昨対が意味を持たないというのはみなさん肌カンで気づいていますよね。昨年と今年で比較するのがナンセンス。昨年まで野球やってたのに、今年はサッカーになった。というような外部環境の変化です。

それと、売上は永遠に右肩上がりなんだ。という根拠のない話を盲信してきました。我々は。
この虚構と決別する必要があると思っています。
売上下がっても利益は確保できるビジネスモデルを構築しなければなりません。

人口減少時代に本気で取り組む。これを一刻も早くスタートすべきです。
売上は「単価×客数」で計算されますから、人口というものは客数と非常に密接な関係があります。

客数が下がっても持続可能なビジネスを考える必要があります。
世界に打って出ることも可能ですが、全世界で言っても人口は減少する局面にいずれ入ります(2100年以降と言われています)

具体的に言えば、投下資本の回収で考えるという事。
1,000万円かけて新規ビジネスをスタートしたとして、毎月100万円の利益が出るのだとしたら、10ケ月で回収ですね。11ケ月以降はいつ辞めても良い訳です。
この初期資本1,000万円を、いかに低いコストでスタートできるか?という事だと思っています。仮に300万円でスタートできれば3ケ月で回収完了です。

このような視点で考えると、売上額はあまり重要ではなくなってくるでしょう。


まとめ
前時代であれば100年ぐらいかけて起こる変化がわずか半年たらずで起こってしまった。
特にバリューチェーンの中間で仕事をしていた人たちは大打撃で、ウィルスの驚異から解放されても元に戻らないであろう。
旅行・宿泊業はこの限りではないので、ある程度は戻ると予想。

元に戻らないのであれば、上流か下流へシフトすべき。
リアルだけではなく、データが蓄積されるデジタルの世界との両軸でやらないと先細りである。

そして、人口減少時代と真に向き合ってビジネスモデルをアップグレードする必要に迫られている。


はい、以上です。

過去に例がない時代です。書店でビジネス書を探しても答えはありません。むしろ、前時代のルールで書かれたビジネス書なので参考になるどころか、足かせになってしまうでしょう。

時代を切り開くのは勇気です。
誰だってビジネス領域をシフトさせるのは怖い。その怖いという感情を否定せず、それでも進むんだ!と
勇気が出ないのであれば支援してくれるみなさんに相談して、支援してもらいましょう。一人の勇気より、複数人の勇気。

ビジネスをトランスフォームできるのは今です。

ではまた!

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