見出し画像

目的と手段_博論日記(2024/02/11)

学生生活の終わりまで、あと49日。

珍しく家でnoteを書いている。母が仕事で家を空けているので、リビングのこたつに陣取って作業をしている。私と母は言語・非言語問わずとてもコミュニケーション量が多いので、同一空間にいるとセッションが始まってしまう。

今週は前半少し苦戦した。コーヒを淹れる、お味噌汁を作る、お風呂に入る、などが疎かになった日が続いた。過食も出た。
やはり就職先が決定していないことは不安であるらしい。
ひとつ応募していた先から不採用の封書が届き、返す刀で「えいや!」と新たにメールでエントリーした先から書類選考が通った旨の返信が届いた。
結果的に、今週後半に入って前向きな気持ちに落ち着いている。

カウンセラーさんについていただいて約1年半。2週間に1回のオンラインセッションを継続してきた。今週のセッションでのこと。

優秀な後輩たちが何人も何人も、新幹線のような速さで成長して、社会人として、または研究者として羽ばたいていくのを見てきた。私はメンテナンスを何度も必要とする古い鈍行列車のスピードで、呆然と、いや、ぼんやりと、新幹線の後ろ姿を見送ってきたように思う。

こんな話をしたら、
カウンセラーさんに「お話を聞いていて、最近、目的と手段の違いなのかもしれないなあと思うようになりました」と言われた。

考えてみたら、私は「研究者になりたいですか」「アカデミアで生計を立てていきたいですか」と問われると、実はよくわからない。
確かなことは、私は、より良く(何が良い、ということはずっと考えていくことなのだろうけど、それでもより良く)生きたいと思っている。その「より良く」の範疇に、人新世と呼ばれるこの時代に人間とその他の生き物がなんとかかんとかうまく共存していく道を探ることも含まれている。それは、私の双極性障害というままならないありようともリンクしている。ひいては、私が研究テーマにしている希少な動物と近しく生きている一人ひとりのままならない人生ともリンクしている。
この地続きの感覚を持って、私は人間とその他の生き物の共存をめぐる問題に取り組んでいきたいと思っている(まずは研究テーマにしている希少動物をとっかかりとして)。すなわち、目的は「研究者になること」「アカデミアで生計を立てること」ではない。「研究者になること」「アカデミアで生計を立てること」はあくまで手段で、それによって「より良く生きること」を目的としている節がある。

そう考えてみると、「研究者になること」「アカデミアで生計を立てること」を目的にしている人の姿が新幹線のスピードに映るのは、至極当たり前のことのように思える。どちらが良いとか悪いとかいうのではない。目指しているものが違うのだ。
となると、よく「私には才能がない」という思いに苛まれるが、この哀しみは見当外れなのかもしれない。

研究者になること、(具体的なことに落とし込むと)博士号を取得することは、目的ではなく手段だ。博士号を取得した自分は、なりたい自分の結果ではなくて、なりたい自分になるための過程だ。

そう思えば、新幹線の速さに心ざわつかせることなく、「人は人、吾は吾なり とにかくに 吾行く道を、吾は行くなり」と竹を割ったようにスッパリと思い定められるかもしれない。

今日は恒例の散歩報告というより、買い物報告をする。私にしては珍しいパターンの興奮、「買ったぞー!」という高まりを共有していただけたら嬉しく、ちまちまと書いていたら長くなった。気楽にお付き合いくださいー。

今年のバレンタインは、"最近お世話になるもお礼がまだできていない人たちに感謝の気持ちを伝える機会"と位置づけ、「大手を振ってお買い物じゃい!」と豪気に攻めた。
普段、お金に関しては
「お金ない…。でも過食には使っちゃう…。お洋服買えない…。学会費払わなきゃ…。論文投稿料高い…。奨学金返さにゃ…。」(沈)
と、暗雲立ち込めている。
そんな状況で「豪気に攻める?! いいのかそれは!」という感じなのだが、「感謝を伝える機会だもの! いいのさ!」と思い決めた。お金は天下の廻りもの。

さて、いっちょ豪勢にお買い物しましょう! ということで、やってきました、大丸京都店のショコラ・プロムナード。
ここへは去年、研究室の代表者として先生方と秘書さん(性別問わず)に渡すチョコレートを買いに来たが、その時は一人ひとりブランドはばらばらに、けれど価格はばらつかせず、なるべくはお好みに合うように。とまあ、なかなか頭を痛めたものだった。
今回は相方に付き合ってもらって、足取りも軽い。

まずは年始にお祝いとたくさんのお菓子を送ってくれた祖母に。
▶︎ VERDIERのレザンドレ・オ・ソーテルヌ -貴腐-[フランス / ソーテルヌ]
 貴腐ワインにドライレーズンを漬け込んで、チョココーティングしたという。
 (祖母は洋酒チョコレートやレーズンチョコが好きなので)

祖母に渡すなら、祖父と小父にも渡そうと、3つ購入


日は巡り、本日。
デパートは前回楽しんだから別のアプローチでチョコを探そうと、まずおしゃれファッションビルの新風館へ。ここにはカカオ豆の焙煎からチョコレート作りまで一貫して手がける、いわゆる"bean to bar"のお店があったはず。

とてもかわゆい小さきぬいぐるみを「お供に」と東京から送ってくれた友人に。
▶︎ green bean to bar CHOCOLATEの京都 -羅臼昆布-[日本:カカオ豆はマダガスカル産]
  老舗・うね乃のおだしの「うま味」とチョコレートの出会いが楽しめるチョコレートバーとのこと。
(おいしいものに目がなく、いつもじっくり味わうように食べる人なので)

ちなみにとてもかわゆい小さきぬいぐるみは、下の写真、中央の子。


次に、新風館から3分とかからない距離にある、これまたおしゃれなスーパー、八百一本館にやってきた。

今年度でお別れとなる、研究室のみんな(約20数名)に。
▶︎ チョコプラリネ[イタリア]
(とにかく量を確保するのだということで、1kgのアソートパック)

いつも遊んでくれる後輩に。
▶︎ 北陸製菓 チョコビーバー、カレービーバー
(彼女が長崎バイオパークのビーバーにとてもハマっているので)

同じ研究チームの後輩に。
▶︎ マルカイコーポレーション 玄米グラノーラ 粗挽きカカオニブ&アーモンド
(彼女はフルマラソンを何度も完走するアスリートなので)

論文のネイティブチェックをしてくれた留学生に。
▶︎ people tree フェアトレードチョコレート
(好みが分からないので、自分にとって安心感のあるチョコレートを)

さて、相方に渡すチョコレートはどうしようか。
せっかくだからショコラティエの路面店で買い物をしたい。BEL AMER京都別邸とMarie Belle京都本店とで迷って、場所がうろ覚えだったMarie Belleに行ってみることにした。

京都の通り名の歌(東から西へ)を口ずさむ。
「てら・ごこ・ふや・とみ・やなぎ・さかいー・たか・あい・ひーがし・くるまやちょう」
(寺町通り・御幸町通り・麩屋町通り・富小路通り・柳馬場通り・堺町通り・高倉通り・間之町通り・東洞院通り・車屋町通り)

私のおぼろげな記憶では、Marie Belleは東寄りの通りにあって、東西を走る六角通よりは北、御池通よりは南にあるはずだ。
御幸町通・麩屋町通・富小路通のどこかにあるはず、と見当をつけ、ぷらぷらと歩き始める。

道中のお散歩写真。

お部屋に入った鍾馗様
立小便防止の小鳥居
オレンジ色鮮やかな、双子のラック
斬新

なかなかMarie Belleは見つからず、捜索範囲を広げる。気づけば40分ほど経過していた。細い路地を抜けていく、あの店構えをはっきりと記憶しているのに、思い当たる場所に出ない。
不安になりかけた頃、麩屋町通りでそれらしき細い路地を発見した。
が、おかしい。別の店舗が入っているようだ。
まさかMarie Belle撤退したのか? と思って、ようやくスマホを開いた。そしたらなんのことはない、Marie Belleは柳馬場通りにあるというではないか。

頑なに「柳馬場ではなかったはず」と避けて歩いていたから、そりゃ見つからないはずだ。
柳馬場通りに入ったら、すんなり見つかった。

麩屋町通り三条下ル。この路地かと勘違いした。
柳馬場通り三条下ル。ここが正解。

路地の入り口には案内スタッフが立っていて、そしてチョコレートもお洒落に並べられていた。

この路地を10歩ほど進んで振り返るとこんな感じ。

こじんまりとした店内は大変賑わっていた。背中にしょったリュックを気にしながら、ガナッシュを吟味する。直感で一粒、もう一粒は店員さんの魅力的なアドバイスにより選んだ。

いつもよい塩梅で伴走してくれる相方に。
▶︎ Marie Belleのガナッシュ[アメリカ / ニューヨーク]
(量は食べないけど、甘いもの好き、ファッション好きな人なので)

帰宅したら、母が正月飾りから抜き取った稲穂を玄関先に植わった木にぶら下げているのを見つけた。雀が来ないかと楽しみにしているようだ。

明日からの一週間は、模擬授業に始まって投稿論文2の本格的な修正、研究室の送別会と慌ただしい。

呼吸を整えて。ひとつずつ。
吾行く道を、吾は行くなり。

<To Do>
・投稿論文2:修正(3月31日〆切)
・模擬授業:2月13日本番
・就職面接:2月中
・投稿論文1:修正提出。再査読結果待ち
・システマティック・レビュー:二次チェック中
・博論本文:
 5月(予備審査委員会立ち上げ願い)
  7月予備審査?
  9月口頭試問?

この記事が参加している募集

散歩日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?