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毎週ショートショートnote|ひと夏の人間離れ

二ヶ月の夏休みを終え、懐かしいメンバーの待つ教室へ向かう。
「おい、袴田」
名前を呼ばれて振り向くと、木村が目を見開いて驚いている。
「え!お前なに、どうしたんだ、その首!」何を騒いでいるのかと思えば。これか。

「ひと夏の間にさ、マスターしてやろうと思って」
俺は体を固定したまま首を180度回して見せた。次には軽やかにブリッジを決め、後ろ向きに歩く。

悲鳴を上げる木村が面白くて、俺はそのままの格好で説明をする。

「だってもうすぐじゃないか。今年の文化祭。出し物は『悪魔祓い』だろ?確かこの演目を選んだの、お前じゃなかったか」
「いや、そうだけど……」
口ごもる木村を真下から見上げた。

「皆を驚かせたいからこのドア開けてよ。俺、このまま突っ込んで行くから」
馬鹿だな……と言いながらも木村はカウントダウンを始める。

3・2・1……。


人間離れした異様な学生が、女学生のスカートの中に顔を突っ込み、停学処分。現在詳しい事情を訊いています。



[完]


#毎週ショートショートnote

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