![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/121253577/rectangle_large_type_2_bce6e7b172d3c249e792c3a35748c005.png?width=800)
Photo by
kayunemu
わがままをあなたに。
誕生日。
誕生日よ、絶対。
その日は私の好きな白百合を持ってきてね。1本で構わないから。
そしてあの場所へ行くの。
イビザ島。
遠い、だなんて。
いいじゃない、私の誕生日だもの。
私がイビザ島なんて言い出すのは
あなたのせいよ。
私が19のときにあなたがくれた香水。
「エスカーダのイビザヒッピー」。
あれをつけて、私は大人になったのだから。
それから。
二人で馬鹿みたいに飲んだウォッカ。
あれを空に撒いたらいい。
風に乗ってどこまでも飛んでいくの。
若い頃のくだらないいざこざも、
嫉妬も。
全部アルコールで飛ばして。
さあ。
それが済んだら、いよいよお別れの時。
夜の海で一番光るところを探して。
そこに私はいるでしょう。
私を認めて。
あと数秒だけ、愛して。
そうしたらあなたは、
また誰かと幸せになってね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?