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赤いボタン | 毎週ショートショートnote

「土足でいいんスか」
先生が「OK、OK」といって僕をベッドに促す。ウォーターベッド。初めて寝る。

新任の保健室の先生はアメリカ贔屓のおばちゃんだった。

「給食食べたの?」と訊かれて
「まだっす」と答えた。
すると先生が大量のプレッツェルの入った袋を投げてよこした。
「OK、OK」先生は笑う。

「寒気は?」「あります」
「じゃ、そのボタン押して」「これっすか」

ベッド脇に埋められた赤いボタン。
ボタンに刻まれている英語を、僕は読めない。

「これ、押していいんすか」
「OK、OK」先生は笑う。

指で押したが、なかなか押せなかった。
先生が言った。

「もっと強く!ゴーゴー!」

先生に煽られて思い切り拳で殴った。
ボタンは破壊されて、僕の拳は腫れ上がった。
先生は笑っている。
笑いながら「やっちゃったねえ」と言って僕に近づいてきた。

「このボタン、アメリカ製だから」
「だから、なんなんすか!」

先生が僕の耳元で言った。
「今、隣の国、やばい事になったかもよ」




[完]


#毎週ショートショートnote

オチは先生のジョークです。
いけない先生です。


今週のお題
「アメリカ製保健室」でどんでん返しのストーリー。

難しいです💦





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