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いやな気持ちのコントロール方法が生活に影響する?【論文紹介】

悩みの正体は感情というくらい、何かいやな出来事や悩み事が出てきたことを自分自身に気づかせてくれるのは感情です。

なにかを失うことがあって自分が苦しんでいることを気づかせてくれるのは「憂うつ」ですし、先のことに心配していることを気づかせてくれるのは「不安」です。

感情は本来適応的なものですが、いやな気持ちに振り回され続けては、よりよい生活からは遠のいてしまうこともあります。

そこで本日の記事では「感情コントロール方法とより良い生活がどのように関連しているか?」について調べた研究成果をご紹介します。

今回の研究では、精神疾患にかかる人を対象に、感情コントロール方法とより良い生活がどの程度関連しているのかを調査した研究を集めてきて、94の研究結果をまとめました。

研究をまとめた結果、さまざまな感情コントロール方法の中で、特により良い生活に関連していたのは以下の2つです。

1つ目は良い影響を与える感情コントロール方法で、「アクセプタンス:いやな気持ちを受け容れ、そのままにしておく方法」を使う人のほうがより良い生活を送れていると感じていることがわかりました(効果量は r = 0.42 )。

反対に「回避:いやな感情を避けようとする方法」を使う人のほうがより良い生活を送れていないと感じていることがわかりました(効果量は r = 0.31 )。

いやな気持ちを避けようとすればするほど、いやな気持ちがふくれあがってしまうので、より良い生活を送ることに支障が出るのかもしれません。

いやな気持ちを受け容れ、そのままでいられることができることが、より良い生活をすることにもつながるようです。アクセプタンスのワークについては、またの機会にご紹介できればと思います。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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