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パンデミックとメンタルヘルス【論文紹介】

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

パンデミック時には、メンタルヘルスが悪化している・・・というのは実際のところどうだったのでしょうか・

じぶんじしんも大学教員をしつつ、メンタルヘルス関連の仕事をしているもので、学生のメンタルはだいじょうぶかな・・・と心配していました。

今後こういったパンデミックがなければいいなと思いつつ、後学のために実態について共有しておきます。

今回の研究は198,000 人の医学部生に関する 201 の研究からの結果をまとめたものです。

メンタルヘルスが悪化しているとされる学生の割合は

うつ病が41%、不安38 %、ストレス34 %、睡眠障害52 %、精神的苦痛58%、PTSD34%、自殺念慮15%、燃え尽き症候群38%

という結果でした。中等度または重度のうつ症状が27%、不安症状が24%でした。 (95% CI、20%–29%) でした。

大学生はメンタルヘルスが悪化しやすい時期といわれており、医療従事系の大学生ではそのような結果が得られやすいのですが、それにしても高い数値であると言えそうです。

メンタルヘルスが悪化しやすいリスクとなる要因は、

女性であること、臨床前の学生であること、COVID-19 の流行地域にいること、親戚が COVID-19 に感染していること、学業ストレス、精神疾患、経済的不安定、教育またはキャリア障害への恐怖、オンライン学習の困難、COVID-19 感染の恐れ、健康状態の悪化、一人暮らしまたは孤独、身体活動の低下、社会的支援、スマートフォンの使用時間の増加、若年

でした。

中には変えることが難しい要因もありますが

学業的な面では、低学年のほうが学習方法をまだ未習得であることに、オンライン授業などが重なることで、不適応的になっているケースが一定数あるように思います。

また、本来であればキャンパスで友人などと会えるはずが、登校が制限され、特に独り暮らしの場合実家に戻ることもできずで、メンタルヘルスが悪化した場合もあると考えられます。

活動量の低下とスマートフォン使用による光を浴びる時間の増加も、生活習慣に影響して、メンタルヘルスに影響しますし、感染の恐れも影響してきます。

もしまたこういった事態になった時には、私たちがメンタルヘルスをキープするための冊子なども作成していますので、もしご興味があればご覧になってください。

それでは最後までお付き合いいただいてありがとうございました!

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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