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なぜネガティブになる?【心理学】

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

皆さん、思考と感情の関連性について考えたことはありますか?

私たちが何を考えているかが、どのような気分になるかに直接影響を及ぼすとしたら、どうでしょうか?

ネガティブな考えが頭をよぎると、それに伴ってネガティブな感情が湧き出てくるものです。

今日の記事では、私たちの思考が感情にどのように影響を及ぼすのか、そしてネガティブな感情がどのように生まれるのかについて詳しく解説していきます。

思考と感情はつながっている

まず、考慮すべき重要な点は、思考と感情のつながりです。皆さんが様々なことを考えると、それに応じていろいろな感情が引き起こされます。

例えば、「やった!」と感じるとき、嬉しさのようなポジティブな感情が湧いてきます。逆に、「大丈夫だろうか」と思うと、不安という感情が出てきます。そして、「自分はダメだ」とか、「先の見通しが全く立たない」とネガティブに考えると、気分の落ち込みという感情が出てくるわけです。

基本的には、ネガティブなことを考えるとネガティブな気持ちになり、そのネガティブな気持ちがさらにネガティブな思考を引き起こすというループになっています。このような考え方がネガティブな感情を引き起こすというのが基本的なパターンです。

ただし、ネガティブな感情に陥りやすい状況というのは、例えば生活習慣が乱れていたり、睡眠不足だったり、環境が整っていなかったりといった具体的な条件にも左右されます。これらの条件を踏まえて、ネガティブな考えが頭に浮かびやすくなったり、そうでなかったりするのです。

ですから、初めに理解しておきたいのは、ネガティブな思考がネガティブな気持ちや不安を引き起こすということです。これを前提に認知療法について話していきたいと思います。

ネガティブな考えを変えると感情も変わる

ネガティブな考えは、時に私たちを苦しめますね。例えば、バスを待っているときに、ある知り合いがあらわれて、そう、ただ黙々と歩いてきたという状況になったとします。

皆さんなら、どのように考えますか?

ある人は、先輩に「無視された」と感じてイライラするかもしれません。また、「私、何か悪いことでもしたのかな?」と不安になる人もいるでしょう。さらに、「誰も私のことなんて気にかけてくれないんだ…」と落ち込んでしまう人もいます。

しかし、考え方は一つだけではありませんよね。違う視点から考えてみることも大切です。

例えば、先輩はただ単に「忙しいのかも」しれません。そう考えると、ちょっとした気遣いの気持ちが湧いてくるかもしれませんね。あるいは、「先輩がどう思っていようと、自分の人生は自分が主役。それとは別に進むんだ」と考えると、何の感情も湧いてこないことだってあるでしょう。

このような視点の切り替えが、認知療法的な発想と呼ばれるものです。ネガティブな考えを中立的、あるいはポジティブな考えにシフトさせることで、感情をコントロールすることができます。

ここで一つ注意したいのが、「必ずポジティブに考えなければいけない」というわけではないということです。

前向きに考えられない時があっても、それはそれで大丈夫です。自分を責める必要はありません。大切なのは、考え方の「幅」を広げることです。

いろいろな視点から物事を捉えられるようになれば、ネガティブな感情も上手にコントロールできるようになります。

だからこそ、認知療法では、その「考え方」そのものがターゲットになるのです。個々の人が持つ考え方は様々で、その考え方がどのように感情と結びついているのかを理解することが重要なんです。

まとめると

心理学には、「認知療法」という、考え方を変えることで感情をコントロールする方法が存在します。この方法を用いると、ネガティブな考えから生じるネガティブな感情を、中立的な考えやポジティブな考えに切り替えることで抑えることが可能になります。

しかし、それは必ずしもポジティブに考えなければならないというわけではありません。

大切なのは、考え方の「幅」を広げることです。さまざまな視点から物事を捉えられるようになれば、感情のコントロールも容易になるでしょう。

今日の記事を通じて、ネガティブな感情がどのようにして生まれ、それをどのようにコントロールできるかについて理解し、より健康的なメンタルヘルスを保つ一助になれば幸いです。

それでは最後までお付き合いいただいて、ありがとうございました!

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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