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引っ越しとメンタルヘルス【心理学】

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

皆さんからのご質問やお悩みに心理学(と私情)の観点からお答えするラジオをしております。

「私は春ごろに引っ越しを控えています。今から不要なものを少しずつ断捨離しているのですが、物が多すぎて少し憂鬱になります。よく環境が変わることで、引越しうつなどと言われますが、そういった環境の変化に対する気分の変化なぜそうなるかをわかりやすく説明していただければと思います。よろしくお願いします。」

というお便りをいただきました(#ジャージ嬢さんどうもありがとうです!)

なるほどですね。引っ越しのシーズンですもんね。

あおき的にはめっちゃくちゃわかります。引っ越しのたびに憂鬱になるんで、あんまりしないっていう選択をします。

僕の人生の中で一番嫌いなもの引越しです。めんどうだし、お金もかかるし、各種の手続きも面倒です。

引っ越しうつはまたの名を荷卸しうつともいいます。

引っ越しがなぜうつを引き起こすかというと、人間にとって変化がストレスで、ストレスがうつの原因になるからです。

引っ越しって環境変化のレベルがすごく高いんです。ホームズとレイの社会的再適応評価尺度という、ストレスリストにもランクインしています。

引っ越しに伴って職が変化したり、人間関係も変化する、住環境も変わるし、好きだったパン屋さんも変わる。そういう積み重ねが変化になっていって、ストレスレベルをあげていきます。

基本的に、変化があったときに人間に出る反応が不安やうつです。

それから、引っ越しうつに関しては、疲れが出ます。疲れは、うつの症状を引き起こす原因にもなりますし、うつの症状でもあります。

物理的に片付けの作業や、あれを捨てるこれを捨てるの決断の連続、少しでも安く済ませるにはとお金を使う、次の住居や・・・と考えることがいっぱいで、心身ともに疲れてきます。

しかし、時間制限がある中でその作業をしなければいけないので、一気にエネルギーを使いその結果疲れ果てます。

そして、燃え尽きて段ボールの山の中で生活、その後の慣れない環境、友人、家族、お気に入りのお店がない状況がストレスとして積み重なるのかもしれません。

https://bpspsychub.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.2044-8325.1995.tb00687.x

この研究を見てみると、過去の転居回数が多いほど、転居後のストレスが低いことがわかりました。したがって、引っ越しに慣れていくとストレスも減ることがわかります。

しかし、過去の転居回数が少ない人と多い人が最も大きなストレスを報告していることもわかりました。

同じ場所に居続けるのももしかしたらストレスになるのかもしれません。心機一転リフレッシュという効果もあります。

引っ越しでどのようなことがストレスになるか?を頭の中で理解しながら、無理のない範囲で引っ越し作業をしていただけたらと思います。

それでは最後までお付き合いいただいてありがとうございました!

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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