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時間の相対化の幅を広げられると、行動もしやすくなり、コントロール感覚も増える。

相対の話をしようと思うんですけど、相対の距離とか時間の近さについて話をしようかなと思っていて、ちょっとエビデンスがあるかどうかわからないんですが、これはすいません、自分の最近の私見です。

私、一時期、多分パニック発作みたいなのに結構見舞われていまして、パニック発作自体はたまに起こるんですけど、それが飛行機に乗る手前で起こったおかげで、ちょっと移動が怖くなっていた時期がありました。認知行動療法的なことや、漢方を飲んだりして多分良くなって、普通に行動できるようにはなっているんですが、その時はコントロールできない時間がやっぱり怖くてですね。

例えば、新幹線で仙台まで行くのに25分くらいかかるんですけど、その25分間、新幹線の中から降りられないという状況が結構怖くて、最初は乗れなかったんですけど、だんだん練習していくうちに乗れるようになったということがありました。

この時、私は時間の感覚がどれくらいのものかを多分忘れていたんだと思うんですよね。昔は海外まで飛行機に乗れていたんですけど、飛行機に乗りたくないという感じになっていて。でも飛行機は、まず新幹線で練習して、その後飛行機に乗るしかないから、仕事に差し支えるので、少しずつ練習して、新幹線から始めて、郡山とか仙台まで行ったり、宇都宮くらいまで行けた後、東京まで行って「あ、もうこれ大丈夫だな」と思って新幹線に乗れるようになりました。

その後、名古屋に行く機会が結構多かったので、名古屋行きを練習も兼ねて広島まで新幹線で行くかということで行ったのが今年の2月ぐらいです。それよりも、飛行機に乗る時間の方が短いので、飛行機も同じように練習していきました。

一番不安だったのが、福岡から仙台に帰ってくる飛行機が結構狭くて窮屈な感じで、飛行機に乗る手前でかなり不安を感じていました。結局、飛行機に乗ったら大丈夫だったんですけど、そんな経験を経て、少しずつ慣れていきました。最終的にはフィンランドまで13時間かかる飛行機に乗って、全然大丈夫になったという経験があります。

この経験から、時間の感覚がわかると、他の時間が相対的に短く感じるようになるという現象を感じました。例えば、広島に行った後、東京に行く機会が増えたんですけど、東京まで行くのがすごく短く感じるようになったんですよね。前だったら「いつまでこの新幹線に乗っていなきゃいけないんだろう」と思っていたのが、相対的に長い時間を経験すると、他の時間が短く感じるようになるという現象がありました。

環境心理学には「行く時は遠いけど、帰りはそんなに遠くないと感じる」という現象があるんです。目的地に向かう時って、どれくらいの時間がかかるかわからないので、最初は遠く感じるんですが、帰りはその距離がわかっているから時間が短く感じる、という性質があります。

今回の私の経験から言うと、「こんなに時間がかかる新幹線に乗るのは無理だわ」と思っていたのは、時間の相対的な感覚がコントロールできないぐらい長いと、見通しが立たなくて、それによってコントロール不能の恐怖が出ていたんだなと。今考えてみると、さっさとフィンランドに行ってしまえば、時間の相対的な感覚がわかるようになって、それより短いものは相対的に短く感じるようになると気づきました。

これによって、パニック発作や恐怖が改善したように思います。コントロール不可能なものは怖いですが、それ以上に長いものを経験すると大丈夫になる、というのがあって、過剰学習のようなエクスポージャーの理論の一つかもしれません。

例えば、フィンランドまで行けたんだから、大阪に行くのはそんなに遠くないよね、東京まで行くのはさらに遠くないよね、と感じるようになるもんだなと思いました。

これって、先の見通しが立たないと、時間が相対的に長く感じられて行動が抑制されるんですよね。

例えば、日本縦断の旅とか、その前の岩野さんの退職記念動画を編集している時は、この編集にどれくらい時間がかかるのかわからなかった。それで始めるのに時間がかかってしまったんです。

ただ、今は四国の旅の動画を編集していて、大体これぐらいだなという見通しが立っているので、そんなに苦じゃないというか、すぐに始められて、もう編集が3/4まで進んでいる感じなんです。

だから、時間を相対化して、これぐらいでできるんだなという見通しが立つと、人間は行動しやすくなるんだなと思いました。

やっぱりやってみないとわからない、というところが人間にはあるんだなと感じました。不安に感じる時って、先の見通しが立たないから「これどうなるんだろうか」と思う時だったりするので、さっさと始めてしまって、相対的に覚えてしまうと、その次元の話は敷居が低くなり、始めやすくなるもんだなと思いました。

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