電脳ヴードゥー

ゴンゾ・ジャーナリスト兼詩人

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最近の記事

Jaza - Kéchidiki Oylar(遅い月)日本語約

 先の記事で紹介したJazaの詩の日本語訳が完成した。多くの方々のご協力を得て記事が拡散された結果、匿名を条件に協力してくださる翻訳者の方が現れ、翻訳を完成させてくださった。翻訳の際、ラップを意識した訳をしてくださり、作詞者Jazaの人柄が浮かびあがるとともに、韻の美しさが伝わる訳となっている。ぜひ音源を聞きながら味わっていただきたい。  翻訳者を見つけるのにご協力いただいた多くの方々、翻訳してくださった方、MVを上げてくださったQuzghun氏、拡散していただいた方々一人

    • Jaza - Kéchidiki Oylar(遅い月)ウイグル語原文

      先の記事でご紹介したJazaの曲の歌詞(原文)を掲載する。こちらはMVを制作したQUZGHUN氏が書き取ってくれたものである。全ての権利はJazaに帰属する。Google翻訳で「ウイグル語」を選択すると大まかな意味をつかむことが出来る。皆様どうか翻訳を試みて頂き、Jazaの詩の世界を味わって頂きたい。 Söz : JAZA. Timtas kéche, Tügmes oypikir ilkide xiyal déngizigha chöktüm Meynetchilik

      • ウイグル人ラッパーをスラムに誘おうとしたら強制収容所に入っていた話

         ポエトリーリーディングを齧っている。 今年、ポエトリースラムジャパンの後継大会が誕生し、出場を決意したところだ。(https://www.cinra.net/news/20201006-kotobaslamjapan)  テュルク系言語オタクなのもあり、トルコ語ラップなども好きなのだが、最近ウイグル語ラップにはまり、紹介用のアカウント(ウイグルサブカルチャー @b2ToRdlQH7cj21Z)を運用するようになった。  毎日何かしらのウイグル語コンテンツを紹介するため

        • 周庭さんに伝えたかったこと

           周庭さんがミスiD2021の審査員を務めると知って応募を決めた。面接で会って話がしたかったからだ。エントリーシートも30秒動画も、全て周庭賞を意識して構成した。  そんな私の計画を明確に、個人的に、私自身の敵として、邪魔してきたのが香港国家安全法である。周庭さんがTwitterから撤退し、ミスiDの審査に今後どの程度関わっていけるのか不透明になった時、私は即座に目標をグランプリに変更した。周庭さんに選んでもらうのではなく、周庭さんに並ぶくらい有名な存在になるしかないと思っ

        Jaza - Kéchidiki Oylar(遅い月)日本語約

          かつて課金していたライブハウスがオワコンになったとき

           以前、あるお店に足しげく通っていたことがあった。 当時私は長年住んだ京都を離れて名古屋に嫁いだのだが、知り合いの一人もいない土地で家庭に居場所はなく、さらに主治医の勧めで会社を退職して行き場のない三十路の主婦だった。  お店に通うことで、夫の金で居場所を買えることに気付いた私は瞬く間にはまっていった。もともと人からの誘いを断りづらい性格で、知り合った人の主催イベントに誘われれば興味がなくても赴いた。店長に、客の入りが少ないから顔を出してくれと頼まれれば夜半でも家を出て向か

          かつて課金していたライブハウスがオワコンになったとき

          呪いをもたらす伝説の美女たち

           明日の弊紙に加計呂麻島の「ムチャカナ公園」に関する記事が掲載されるにあたり、記事を書いた先輩記者から面白い話を聞いた。  奄美群島に「ムチャカナ伝説」というものが伝わっている。これは私も子供のころから聞き知っているもので、私の記憶によればその内容は以下のようなものである。  奄美大島の南、加計呂麻島のI集落に、ウラトミという名の美女がいた。時は江戸時代、薩摩藩制下において奄美群島は厳しい砂糖年貢にあえいでいた。  ウラトミの名声は高まり、薩摩藩より派遣された代官からア

          呪いをもたらす伝説の美女たち

          くそったれ!幼女時代

          ブコウスキーの「くそったれ!少年時代」は大学の時に読んだきり。  3歳で父が出ていった。 両親は典型的な関東の郊外在住のマイルドヤンキーのカップルで、低年齢低学歴低収入にして子供を持ち、福祉関係の仕事をしながらろくなしつけもせずに私を育てていた。  父が出ていく時、両親は私に人生を選ばせてくれた。 どちらの親についていくか。 どちらの姓を名乗るか。 4歳の誕生日を目前に控えた私には、判断の材料は本能しかなかった。 私をろくに叱ることもできず、おもちゃや甘いものを買って泣き止

          くそったれ!幼女時代

          「どこに行っても内地人と間違えられる」話

           奄美市名瀬の市街地に、永田町市場・末広市場という隣接する横丁がある。戦後のアメリカ統治時代の闇市が起源で、ひなびた佇まいが廃墟・横丁マニアを惹きつける。東京のハモニカ横丁が発刊している「横丁インタビューズ」で特集されていたので、仕事帰りに寄ってみた。横丁の実態については後ほどYoutubeにアップするVlogを参照されたい。  問題は撮影を終えた後である。末広市場の入り口に立っていた私に、マスクをかけた物腰柔らかなオジイが話しかけてきた。横丁の管理人さんと見えて、店舗の空

          「どこに行っても内地人と間違えられる」話

          私と四畳半の追憶

          大学1回生の秋だった。 夜中11時に京都市北区はわら天神前のマックで2人席の片方に腰掛けて、2個目のクォーターパウンダーにかぶりついていた私の前に忽然と酔っ払いが現れた。 「すいません、向かい座らせてもらっていいですか」 私の許可を待つまでもなく2人席のもう片方にくずおれるように座り込んだ若い男は、同じ大学の学生とみえて、酔っているのは飲み会の帰りであろう。 ヒップな風貌にがっちりとした体つきの、DJサークルにでもいそうな男であった。 私は男を無視してクォーターパウ

          私と四畳半の追憶

          リバタリアンで陰謀論嫌いの私がなぜ検察庁法改正案に抗議するかについて

           TLを埋める講義の嵐は気持ち悪い。 それが普段ただ芸術やサブカルを愛する人たちのそれであるならなおさら。 芸能人らがマスコミに踊らされて何事かを発信した気になっているのは噴飯物だ。 左派の言う「政権の延命のため」はオカルト並みの陰謀論だと思っている。 さらに言うなら私はリバタリアンである。 いかな後ろ暗いところのある独裁政権であろうが、私が金を稼ぐのを邪魔しなければそれでいい。 もっと言うなら、金のあるやつが裏でうまいことやって何が悪いんだろうくらいに思っている

          リバタリアンで陰謀論嫌いの私がなぜ検察庁法改正案に抗議するかについて