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アンチテーゼ・ジャンクボックス

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2021年7月の記事一覧

先ほどまでわたくしの
体の一部だったものを捨てました
カチャッという音がしました

どうでもいい

どうでもいい
全部なくなってしまえばいい

そしたらみんな
幸せでしょう

そしたらみんな
「幸せ」でしょう?

どうでもいい
全て終わってくれるなら

世界はどうして
すべてまっくらやみにしてくれないんだろう

世界はすでに真っ暗闇なのに

どうでもいい

呪い

呪い

人は呪いにかけられてしまった
「幸せになりたい」と言う呪い

生まれた時にその呪いをかけられて
みんながんじがらめで動けない

人は呪いをかけられてしまった
「幸せにならければならない」という呪い

呪いをかけてかけられ
この世は呪いだらけ
みんながんじがらめで動けない

人を幸せにするのは呪いだった
人が幸せになるには呪いが必要だった
遥か昔から

誰かの悲劇は誰かにとっての喜劇だ

人は呪いを

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ティアドロップ

ティアドロップ

結局人間に何かできることなんてなにひとつないんだ
なにかできるなんて思い上がりだ
なにかできるなんてとんだ思い上がりだったんだ
それでもなにかできないかとあがくことは無駄なことか
それに気付けた時 なにか進めると信じたい

大魔王

大魔王

1999年7月 空から恐怖の大魔王が来ると言われていた
けれど結局空から恐怖の大魔王は来なかった
その必要がなかったからだ
人間たちのありさまの方がよほど大魔王のふるまい
いまや世紀末より世紀末の様相

人魚

人魚

そうしてわたくしは昏い深海で王子様が現れるのを待つ
ここから救い出してくれるのを待っている

ぶくぶく  ぶくぶく

馬鹿だなあ 王子様なんて現れやしないよ
お前はお姫様でもなんでもないじゃないか
お前は醜いブタだ
いやそんな称号くれてやるのももったいない
豚の方が愛らしい

ブクブク  ブクブク

それでもわたくしは昏い深海の底で
王子様が来るのを待つ

ぶくぶく  ぶくぶく

だれかここからす

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深海

深海

そうしてわたくしは深海に舞い戻り
底から夜をじっと耐えるの
朝がくるのを待つ
絶望をつれてくる朝を

夜は好きだ                 (嫌いだ)
静かで落ち着く          (胸がざわざわする)
人の気配がしない

そうしてわたくしは深海にとどまり
そこから夜をじっと耐えるの
昏く長く

そして朝を待つ

☆来世にご期待ください

☆来世にご期待ください

もう生きていくのに疲れました
悲しいも楽しいも嬉しいもしんどいも面倒くさいです

この髪の毛の一本も
この心臓のひとつも
わたくしのものではありません
生きたい誰かがお役立てください

☆来世にご期待ください――…

もう生きていくのに疲れました
お腹が空くのも食べるのも面倒くさいです

人間とは嫌な生き物で
どこまでも汚なく欲深く
世界には絶望しかありません
そこまでして生きていたい理由って何で

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オレンジドロップ

オレンジドロップ

夕やけはオレンジのドロップ
夜は群青色のゼリー

みんなみんなかえってしまった
待てども待てどもあの人はこない
みんなみんなお家に帰ってしまった
ぼくだけかえるお家がない
みんなみんな暖かいお家に
ぼくだけ帰るお家がない

天井の木目はおいしそうなクッキー
節はおいしそうな焼き色

ぼくはぼくはひとりぼっち
どうしてずっとひとりぼっち
ぼくだけどうしてひとりぼっち
待てども待てどもあの人はこない

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