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【詩】

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私の創作した詩を載せてゆきます
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#大切

家族

家族

人生の始まりは
誕生した家庭から
愛がなくても
一緒にはなれる
でもぼくは
そんなんじゃ嫌なんだ

時間をかけて
大切な我が家が
形成されてゆく
接着剤はごはんと愛だ
梁と柱みたいに徐々に
家族が固く結ばれてゆく

年齢が増すと互いに
理解しがたいことも増える
だからこそ
すべてを絆に変えたいのだ
いつまでも大切に想い合い
ずっと長く生きてゆきたい

大切な人

大切な人

冬道で独り転ぶと
とんでもなく情けなくなる
一日に三度もそうなったら
限界を超えて泣きたくなる
世界一不運なのは自分だと思う

生きるってつらいことだ
その連続に
心が折れてしまいそう

「あなたは大切な人だから
生かされているんだよ」

そう云ってもらえたら
どんなに気がラクになるだろう

幸せってやつは…

幸せってやつは…

幸せとは夢で出会う
亡くなった知人である

ありえないほどの喜びなのに
そのときはそうと思えず
あたり前に笑って過ごし
目覚めてから

「どうして心に強く刻まなかった?」
そう思うものだ

愛する人との日々も
本当は幸せなのに
ふだんはそこまで感じられず
ときに不満をこぼし
自由が欲しいと口にしたり
なかなか
大切にできないものだし

過ぎてから
哀しみつつ思い出し
スルメのように味わうのが
人生

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大切

大切

親戚の子が亡くなったのは
十一年前の冬のことだった
夜中に家を出て公園で眠剤を飲んで
ベンチに横になり凍死したのだ

あのときのショックで
ぼくの病気は重くなり
ひどく疲れやすいのは
現在も変わらない

セクハラやDVを受けたこと
心の病
進学したかったのに
継父に反対されできなかったこと

そんな事情は
彼女が亡くなってから
発覚したことだった
なぜ黙っていたんだ

一緒に生きていたかった
もっ

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