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悪魔の尻尾を捕まえろ。

久しぶりにnoteを開いた。
もちろん読むのも書くのも、だ。

白紙のページを眺めながら、学生時代を思い出す。
新しいノートを買うと、今回こそ丁寧に使うぞと意気込んで、結局2ページ目には読むに耐えない雑な文字が並び、後で見返してもよくわからないことが常だったなぁと。

今この瞬間だって、大切に書いていこうと思っているんだが、タイトルを決めた時点で破綻してる様にも思う。

しかしながら、この半年間苦しみぬいて学んだことやバカみたいな話が、同じ様に悩んでる人の助けになったら嬉しいなって心から思ってる。


悪魔がとりついてるみたいだった。
単にやる気がでないとかそんなんじゃなくて、心と身体が分離して動いてるみたいな。

精神科に通ってるけど、それが拗れてこんなことになってるのかと色々薬を増やしたり疑ったり、時には神社にいって神頼みしてみたり、でも現状が変わることはなかった。

八方塞がりになって迎えたこの三連休。いや、正確には木曜日から続いたまさに悪夢の最終章だったが、そこでようやく自分に巣食う悪魔の尻尾を捕まえることに成功したのである。

木曜日。
仕事をさっさと終わりにして友人と飲みに出掛けた。残りは明日やればいいさと息巻いてほっぽりだしたのだ。

早い時間から飲みだしたのとナンパに失敗したおかけで飲み過ぎ、スナックで知り合った女の子と2件目に入ったスナックでは魂をさけぶ男性グループの歌声が途切れず、ろくに会話もせず店を出た。

タクシーの待ち合いで仕事のことを思いだし、気休めに買ったリアルゴールドはブレスケアを食べたせいか不味すぎて吐き出してしまった。

無駄金を使い、無駄金を道に吐き出して、一体なにをしてんだ。

もちろん、金曜日に仕事がはかどるわけもなく、ほとんどノー作業で仕事を残すだけ残し週末を迎える結果になる。

連休初日。
気分転換にと3時間程かけて土岐市のイオンモールに。本当はアウトレットが良かったがあまりの暑さに断念し、冷房が効いてる室内を選んだ。

あ、タバコでも買いに行くか。みたいなノリで出掛けたので、到着したのは15時前。
高速の反対車線は15キロ以上の渋滞。
もはや名古屋まで行って泊まりで帰る道も考えたが、せっかく遠出したのだから楽しむことに集中しようとあてもなく店内をうろつくことに。

以前「この歳になると、洋服みたいな布っきれに金なんてかける気にならない。」と言い放った友人の言葉を聞いて深く共感した自分はここのところ洋服を見たいとも思わなくなっていたし
たいした持ち合わせもなく好奇心で遊びに来たのだ。

こんな日に限って、靴からパンツ、アウターにTシャツ、買い出したらキリがないほど素敵な出会いがあり、とりあえず短パンとアウターだけ購入。

楽器やに寄ると、ずっとネットで注文しようか悩んでいた電子ドラムを発見。
試打してわかったことと言えば、探してた価格帯のものだと練習にはなるが実用性がないということ。
少なくても倍。25万前後~が妥当。大は小を兼ねるのだ。

はぁ……金カネかね、かぁ。

と、ここまで読んでもわかるように、なんだか「カネ」縛られていた。半年間ずっと。

悪魔の尻尾が見えた。

まだ違和感と呼ぶくらいの、それが何かわからないくらいのものだったけど。
後々考えたら、この時確かに見たのだと思う。

「損してる。」

高速代、洋服代、コーヒー界のハイオクスタバ。
タバコにお酒。なんでもいい。
使いたくて使ったお金のはずなのに、損してる気分になるのだ。

自分は仕事をして、対価の代金を貰う。
当たり前だ。
ならば全てのものに対価を支払うのも当たり前だ。

な、の、に。
損してる気分になるのは何故だろう。

これこそが悪魔の尻尾を垣間見た瞬間だ。
自分のモノを失うのが嫌で、相手のものが欲しいなんて
わがままなクソガキじゃないか。

餓鬼……か?悪魔だしな。
いや、鬼って悪魔の分類なのか?
(これはどうでもいい。笑)

なーんて考えに辿り着いたわけです。

そう。後2日続く連休のおかげで。

残り2日はただただひたすらに廃人だった。
ダラダラと昼近くまで寝て、買い物で使ったお金を取り戻そうとパチンコに行き、結果15万も使った。
キャッシングまでして。
というか、内訳はほぼキャッシングだ。

半年間悩んできたギャンブル依存の末路は
トータル150万円の負けと借金。
おまけが息抜きで手に入るはずの「楽しさ」や「喜び」「安心」に代わり、「怒り」「怒り」「怒り」だけを手に入れたのだった。

借金してまで大金を使い、不愉快を買い込むとは
買い物に損だなんだと言ってた人間の発言とは思えないだろう。

が、実はこの矛盾に悪魔の尻尾の正体と呼ぶべき発見があったのである。

ギャンブルに依存していた根本的な理由とは
「失くならないかもしれない」「損しないかもしれない」という漠然とした期待だ。

つまり、買い物をすればその分お金がなくなる。
(当たり前だ)
食事に2000円使えば、その2000円は帰ってこない。
(当たり前だ)
代わりに食料を得るし、満腹感や幸福感を得る。
(当たり前だ)
これをまた味わうには、自分も働いて対価を得る必要がある。それでようやく使った2000円が戻ってくる。

世の常だ。

しかしギャンブルは違う。
2000円使ったら、2000円が帰ってくるだけでなく「喜び」というお土産まで持ってくることがあるのだ。
それどころか、前日まで使った買い物の代金が勝手に戻ってくることすらある。

だからなのだろう。
ギャンブルに使ったお金に「損をした」という感覚がなかったのだ。
正確には、負けて帰路につけばもちろん損をしたと思うが、使っている最中に「ソレ」がなかった。

大問題だったとようやく気づく。
今更かよと笑ってくれていい。
本当に欠落していたのだから。


たまたま見かけた動画で
パニック障害や精神疾患、自律神経の乱れについて言及しているものがあったのを思い出す。

よく聞く「電車等に乗れない」という症状は「閉じ込められた」とか「次の駅まで密室で降りれない」と感じる心に原因があるという。
普通はドアが閉まった時「これで目的地につける」とか「次の駅まで行けばドアは開いて降りられる」と感じているらしい。

そもそも、毎回こんなこと考えてなんていないから、自分の捉え方を言語化するとこんなイメージだったのだろう。

例えは電車だったが、私生活全てにこれが当てはまるのだ。
「損している」と思うのか「対価と交換できた」と思うのか、言葉にしてしまえば「たったソレだけ」だ。

たったソレだけのことに気づくのに
150万円も使ってしまった。
欲しいものは大体買えた。
時間も感情も、もっと安定したり緩やかだったりしただろう。

でも今の俺は違う。
もちろん損したって気持ちがないと言えば嘘だ。
むしろ損しかしてない。笑
だからこそ、損で終わらない為にこれからがある。

嘆いても戻ってこないもの。

悪魔の正体はきっとまだまだ隠れてて
尻尾しか掴めてないけど
いつかきっと本体をブッ飛ばしてスッキリ死ぬまで
負けないように生きていこうと思う。

皆さんも色々な形の悪魔を垣間見ることがあるだろう。
そんな時はまず尻尾でも耳でも腕でもなんでもいい。
片鱗を見つけて捕まえてみて欲しい。

巨大で、怖くて、絶対的な存在で
人間なんて太刀打ちできないと思っていた悪魔は
案外小さくて、不細工で、蹴り飛ばせば消えるくらいのなんともない存在かもしれない。

ただ、しつこくて素早くて、なかなか正体を見せないから本体を叩くのは時間がかかるけど。
それでもきっと、倒せない相手じゃないはずです。

頑張ろうとか言うつもりはないけど、ぶっ飛ばそう。
晴れた大空に笑いながら。
ぐぐっと背を伸ばして、あくびして。
ふっと消えてなくなるように死ねたら、最高の人生なんじゃないかなと思う。

何も持っていけないから
手ぶらで気楽に、最高の旅に出掛けるその日までに
悪魔の尻尾を捕まえて、できればそいつをブッ飛ばして。

お気に入りの洋服で。

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