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共感覚ー恋はファジーに香る

なにもないところで、なんの環境の変化もないところで、急に香りがすることがある。

条件は色々だが、特に「恋焦がれる」時にしか香らないとてもお気に入りの香りがあって、それを香る時はいつまでも嗅いでいたいと思う。

私は嗅覚からの刺激が一番苦手なため、普段は意識して嗅覚を使わないようにしている。(これは確実ではなく、嗅覚に意識を持たないようにすると言う方が正しいかも)それでもなにかの弾みで突然香ることがある。

愛しい人を想う、切ない感情は、もしかしたら色だけではなく「香り」としても感じているのではないだろうか。共感覚として調べてみると、確かにそういった事例はあるらしい。

ロンドンの地下鉄は、夏のサフォークとはまったくの別世界。キングス・クロス駅の階段には、あの香りを発しそうなものなど何一つありません。そして私をおいて他には、誰もそれをあそこで嗅いだことはありません。なぜなら、その香りは実際のところそこには存在していないからです。

参考:愛がレモンで香る時


何もないところで香りがすることはスピリチュアル的なものなのかと片付けていたが、共感覚ならより深く掘り下げられるのではないだろうか。

中には感情だけでなく、色や音色などにも香りを感じる人もいるとのことだ。

アロマの勉強をした時に、この「焦がれる」香りをうまく出して来れないか、試行錯誤したことがある。

結果的には難しかった。

でも、こんなに良い香りを独り占めしているのはなんだかもったいないので、せっかくなので文字で表現してみることにした。

私が感じている恋に焦がれる香りは、

まずはふわっと甘酸っぱい。

レモンのような、スイートオレンジのような
やさしく爽快な柑橘系からはじまる。

その爽やかな香りに乗せて、
すこしコクのある、

あまったるいバニラのような、
シナモンのような、

この世の甘いものに例えるには
うまく表せないような。

そんなファジーな匂いが混ざり合い、
深い深いsweetな香りに包まれる。

思わずうっとりと浸ってしまいたいが
いつも、あっというまに消えてしまうのだ。

これが私の「愛しい人を想う時」の感情の香り。

これにキラキラと光の粒が舞い上がる、赤いうすけむりの色が見える。

私の世界は、いつもこんなかんじだ。


山口葵

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