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今年最後の散歩20221231sat177

大晦日だ。寒い。ネコのトイレの掃除をする。最近のネコはそこかしこにスプレー行動で臭いをつける。引越しの先で、去勢を悩む。ネコと遊ぶ。冷たいが天気はいい。しき布団とかけ布団をベランダに干して、今年最後の外にでる。

県道を跨いで国道の海岸に沿って北へはしる。師走の大晦日の寂しさが街を覆っているがレンタカー屋は盛況らしい。右手に見える大分空港の駐車場は満車だった。

空港と国土交通省の建物を過ぎて、ペンキが剥げたゴリラが座る展望公園の横に建つ焼肉パブ「むさし」の玄関は年末年始は休みです。の看板。年末年始を営業して、年始が明けてから連休を取ることはしないのは土地柄か。

コインランドリーから布団を抱えた老人が出てきた。年末年始はふかふかの布団で寝たいのはわかる。ほほに当たる空気は切るように冷たい。干した布団が心配になる。

となり町の漁港まで来た。海中に沈められるコンクリートの塊を見物する。引きかえす。ローソンの斜向かいにあるGEOの駐車場で止まる。なにか買おうかと思う。が、青色の水性ペンしか思い浮かばずに入らずに帰る。もし店内に入っていれば、自分の人生が変わってしまうような女性と出会えたかもしれない。とまでは思い至らない。東京だったら、思っていたかもしれない。
最寄りの漁港の防波堤まで来ると、ジャンボジェット機が空港へ降下してきていた。巨大な羽のついた鉄の物体がゆっくりスライドしてくる。


国道を渡って鮮魚スーパーに寄る。もやし、豚肉、食パン、水、ソーセージ、生うどん、レタスを買う。スナック菓子を忘れた。

「良いお年を」
出口でカゴを積んでいたパートのおばちゃんにいう。
「お、お兄ちゃんもな」
そういう挨拶の時期だわな。みたいな顔をされる。

家に帰ってすぐに布団を取り込む。若干、冷えていた。
もう一本、書くか。
動画で募集者が身も蓋もないことをいっていた。何を書けばいいかわからない質問に「なんでもいいんです。自分の内部から溢れてでるものを書いてください」
もうひとつマンガ原作のネタがある。それも結局テーマはおなじだった。

時間だ。影響された作家や映画や小説はもちろんあるかもしれない。けれど小さい頃からぼくは時間を妙に気にする子だった。自分の腕時計ばかり気にして、秒針をいつも眺めている子だった。時間は戻らない。当たり前のことに常に首を傾げていた。
そういう叶えられぬ自分の欲求を、虚構の力でもってねじ曲げてでも実現させたい。そういう内部の力を来年からはもっと自分で肯定して解放していこう。
(1035文字)


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