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かねこしゅうへい / いいねは押さない。が、推す Vol.1



かねこ氏と知り合ってぼくはnoteを始めた。
かねこ氏はぼくをnoteに誘ったの張本人である。
久しぶりにかねこ氏の作品を読んだ。

かねこ氏の作品の素晴らしさは、物語の出だしだ。

部屋に、缶ビールや氷結が転がっていて、携帯のアラームが鳴る。すでに「ぼく」は物語にいる。「ぼく」の部屋はどういう作りになっているのかな? と思い巡らす前に、事件は起こる。それがジェットコースターに乗っているようで痛快だ。「ぼく」は世界に困惑し、不安になる。ときに「ぼく」は解決されない日常の謎に見惚れてしまう。「ぼく」は世界に淡々と生きる。読了後、ぼくは「ぼく」の世界に置き去りにされた。

「この表現いいよね」
昔、かねこ氏に訊ねた。
「もっと濾(こ)してみます」
かねこ氏は答えた。

物語(言葉)を濾す。

これもいい表現である。

彼が物語を形づくる道具の一つを垣間見た、そんな気がした。

「ぼく」が生きる素晴らしい世界。

三年ぶりに読みました。

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