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「始めること」が大切だと感じた、イラストと写真の話【colore.vol4メイキング#2】

こんにちは、村上あおです。

本記事のシリーズでは、コローレvol.4の変わったところ、進化したところを、要素に分けて紹介しています。

本記事では写真イラストといった「素材」について、触れます。

素材はコローレの最大と言ってもいいほどの難点ともなっているポイント。

コローレではプロのカメラマンや、イラストレーターの方に、素材を委託して用意してもらっております。

…ということはなく、コローレでは予算も限られた中なので、そのほとんどは、自分たちで用意したり、素材サイトから、使用したりするものがほとんど。

写真が苦手だと相談する方もいたり、イラストも素材サイトから使用したはいいものの、なかなかしっくりくるものにならないなど。毎号、制作の大きな課題となっています。

しかし、今号はそれらの状況に、ひとつの変化が現れた号になっています。どのように、これらの課題に向き合ってきたのか、コローレの写真とイラストについて、注目してみましょう。

◆「写真」は似合うものでないといけない

先ほど述べた通り、コローレの写真はそのほとんどが、ライターさんから共有いただいてるもの。

雑誌って文章ビジュアルが互いに深く影響し合う媒体なので、写真は文章にしっかり似合うものにしないといけない。

例えば、へたに素材サイトから持ってきた写真を使えば、慣用的な表現になってしまって、なんだか浅い表現で伝わってしまうことにもつながる。

松本幸子さんの記事「ちょっとお暇いただきます」の初期案、ネットの素材を使用。写真のクオリティは決して低くないのですが、借りてきた感が否めず、なんだかひっかかりのない表現になってしまいます。

その反面、ライターさんから写真をもらうことができれば、その人の生活の風景を切り取ったものなので、文章との親和性は高い。

ですが、そもそもの撮影の技術写真加工の技術も必要になるので、ライターさん同士で、上手な写真の撮り方を共有したり。

写真加工については、デザイナーや写真加工の経験のあるメンバーで集まって、打ち合わせを行いました。

今回、僕もこの写真加工については、学び直しを行い、勉強しながら多くの写真を加工・検討させていただきました。

暗めにしてシックな雰囲気?明るめにして再喝な雰囲気?写真の加工次第で雰囲気は変わります。
印刷物になると、印刷された時の色味も変わるため、そこも考慮しながら、調整していかなければいけません。


写真を提出してもらった後で、問題が発生し、加工や撮り直しが必要になったこともしばしば。こればかりは経験して、見直しながら、修正していくしかありません。

加工は明るくしたりするだけではなく、時には物を消したり、背景を引き伸ばしたり、合成加工も必要になります。

◆イラストが一番、大きな課題に

そして残るはイラストの課題。

今までのコローレでは、素材サイトから使用したイラストが多かったのですが、vol.4になって、その限界を感じてきました。

制作が始まって2ヶ月ほどが経ち、その限界に悩みはじめ、作業が進まなくなってしまった頃。

イラスト不足問題について編集部に相談を持ちかけました。 

すると、ライターの1人である”直子さん”から「私でよければイラスト書きますよ」とありがたい一言。

直子さんには養生特集のイラストを担当してもらいました。

そのおかげか、元の記事よりも、原稿との親和性の高い、紙面を作ることができました。 

直子さんに描いていただいたイラスト。子育てしながら限られた期間の中で描いてくれました。特に子供たちもいるので絵の具を使のが大変なのは想像に難くありません・・

直子さん本人は出来上がった後で、「もうすこし配色とかちゃんとできたな」、などの声もいただいて、イラスト制作を通して課題も感じていましたが。

まずコローレのメンバーが書いているということ自体が、この自主制作ではとても価値のあることですし。

どんなことにおいても、始めてみる、ということもコローレにとって大きな価値になるものだと感じました。

 コローレ自体が「作ってみた」から始まったような雑誌ですから。やってみたを繋げていくことがとにかく重要です。なので今回の立候補は僕個人としても、コローレとしても大変ありがたいことでした。

また、今回ライターである”こゆきんこ先生”のパートナー”ゆまお”さんも、イラスト制作に立候補してくれました。

こゆきんこ先生の記事にて、世界観のあるイラストを提供していただきまして、これもコローレにまた一つ色が生まれて、ありがたかったです。

こうやって、いろんな方の手が加わると、より多様なコローレが見れて良いなと思いますね。

ゆまおさん提供のイラスト。柔らかくも、曼荼羅のようなテイストもあります。2人の人間関係が絡まった様を表現している絵とのことで独特な雰囲気を感じます。
紙面では、中央に配置、綴じ部分に巻き込まれてしまうので、すこし空白を作る必要があったりなど、調整は難しかったですが、コンセプトを感じる紙面になっています。

◆もうひとりの立候補

そんな中で、もうひとりイラスト制作に手を上げたのが僕自身でした。

イラストは正直、趣味程度にしか描けないのですが、兼ねてより、ipadでのデジタルイラストを学びたいと思っていた僕。

しかしipadをまだ購入していなくて、それも収入との兼ね合いで4月以降しか購入できない状態

3月中には一度、仕上げたいコローレには、間に合わない、そんな状態でした。

なので、イラストを描くつもりは毛頭なかったのですが、やはりイラスト素材不足の問題は続いており。またイラスト制作に名乗りを上げてくれた直子さんの助言もあって。ipad購入の資金を編集部メンバーに援助してもらうという行動を選択しました。 

正直、イラスト技術について確約もできない中で、借りる形とはいえ、援助なんてしてくれるだろうかと不安な部分もありましたが、いざ相談してみれば、多くの方が手を上げてくださり、3日後にはipadが届くというスピード感。

イラストを描くということも大きなチャレンジですが、みんなに援助してもらうということも僕の中では、ひとつチャレンジでした。 

そんな経緯から、数点のイラストを描かせてもらいました。

しかしまだ駆け出し、やはり描いた後で見つかる課題はたくさんありますし。

コローレの魅力を引き出すという目標に適ったかどうかというと、確信できるものではありません。

ですが、少なくとも、先ほど述べたように「始めること」は確実にできたと言うように感じます。 

左が使う予定だったフリー素材で右が今回、僕の描かせていただいたイラストになっています。

イラスト制作は想像以上に大変で、とにかくいろんなイラストを参考にしながら制作。

ピンタレストでは要素ごとにのイラストを収集、分析しながら、合うテイストを探し続けました。

もちろん試行錯誤の連続でボツ案もたくさん出しております。

精度良く、適したイラストを用意するのはとても大変。時間がないなら尚更です。こればかりは、プロに外注するということになっても、一筋縄ではいきません。


次号でも、必要であれば、描くことになりますが、少なくとも。今回始めることができたことにより、次はもっと進化した形で、技術を提供することができる。 やっぱり、始めないと始まりません。

始めることがまず1番の価値なのだと、今回のことを通して感じました。

◆「向き合うこと」と「始めること」が大切

といった経緯で、現在のコローレvol.4のイラスト写真が制作されました。

正直、このイラストや写真といったものについては、課題もまだ多いですが、ひとつのコローレらしさには向かっていけてるのかと思います。 

見えた課題の分だけ、次の号では、もっと洗礼されたものにも出来上がりますし、次号は僕としてもとても楽しみな号になっています。

とはいえもう一つ大切なのは、完璧に作ろうとすることよりも、今できることを考えてみること。

そういう意味では、できないことをちゃんと諦めることも大切だったりもする。

それでも、 できそうなことは”やってみる”
そんなふうに、できるの?できないの?の間を行ったり来たり。

Coloreは決して、予定通りに、当たり前のように作られた雑誌ではなく、不確定な要素が絡み合って完成しているものです。

ライターやデザイナーの発想や悩みでダイレクトに内容が変わる、ある意味、生き物みたいな雑誌だなとも思います。

そこもコローレの面白いところ。

”作ってみた”から始まった雑誌はvol4になっても、”やってみた”ことだらけ。 そんなチャレンジャーな一面にも注目しながら、読んでいたけると、よりコローレを楽しんでいただけるようになると思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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今回、これらのイラスト制作の延長線で、オリジナルしおりも制作いたしました。

例のipadで描いたものになります

僕から購入するとついてくる、ささやかな付録です。
興味のある方は、ぜひ販売ページ覗いてみてください!


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◆Colore.vol4 販売中
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◎コローレは編集部メンバーが直接販売しております。下記ページよりライターを選んでご購入ください。
◎数には限りがあります。売り切れの際はご容赦ください。

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