カレンダーをめくるたび_20190630


6月のカレンダーを千切って、捨てた。

冷蔵庫に貼ってあるのは、同居人との共有カレンダー。我が家にカレンダーはこれしかない。

わたしの同居人は

去年、わたしは実家を出てこの2Kアパートに越してきた。実家の猫を連れてくるために猫可アパートである必要があり、思いがけず広めの部屋になってしまった。一ヶ月ほど住んでみたがひとりでは持て余してしまい、SNSで「誰か住まないか」と募集した。

そこでやってきたのが、今の同居人。形式上、実は「中学校の後輩」に当たる。

共通の知り合いから連絡をもらい、実際に会って話をした。今はフリーターで、実家から東京まで通うのが遠いから良ければ住まわせてほしい。実家では犬と猫を飼っていて、猫には慣れている、と。

お互い、存在は知っていたけれど話したことはない。
そんな関係から、同居生活がスタートした。

同居人との生活

はじめは恐る恐る、生活をした。

人と一緒に住むというのは、少しずつ許しあっていくことで、だから私は同居人との生活に細かな決まりを作らなかった。

基本的に、できることをできる時にやれば良い。

なんせお互いフリーターで、不規則なスケジュール。「何曜日に何をする」などという決まりを作ってしまっては、きっと攻め合う種になっていた。柔軟性があることは本当によかったと思う。

知人にはよく、「ルームシェアって大変じゃない?」と聞かれる。

一緒に住み始めて9ヶ月が経った今、振り返ってみれば、そんなに大変だったことはない。むしろ、ひとりで暮らすより救われていることばっかりだ。

忘れがちなゴミ出しや、不在時の猫の世話。もちろん、家賃や光熱費、消耗品だって、ひとりで住むより割りがいい。お互いが話し相手となっているから、家に帰ってきてもさみしくない。

さまざまなところで、救われている。

感謝

同居人が住み始めた当初もわたしは学校を休みがちだったが、それは年明けに酷くなり、結局学校を辞めた。

そんなわたしを一番側でみていても、蔑むことなく「今日も学校行かなかったんですか〜?」なんて、いつも笑い飛ばしてくれた。

明け方に寝る生活をしていたから、朝早くに回収されてしまうゴミ出しにいつも間に合わなくて、それでも同居人が代わりに出してくれていた。家から出れなかった時、夕飯に牛丼を買ってきてくれて、一緒に食べた。新しいバイトで朝が早い時、わたしの起きる時間に目覚ましをかけて、起きるように仕向けてくれた。

ここには書ききれないほどたくさん、感謝しなくてはいけないことがある。そういうことのすべてわたしの救いとなって今、ようやく新しい歩みを始めているのだ。

わたしが文章を書いているのも、それを仕事にしているのも、
そういえば同居人の一言がきっかけだ。

だから、そんな同居人との日々を想って
カレンダーをめくるたびに愛しさがつのってゆく。
その時が来るまでどうか我が家で笑っていてほしい。

- aoiasa
20190630


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最後までありがとうございました。 〈ねむれない夜を越え、何度もむかえた青い朝〉 そんな忘れぬ朝のため、文章を書き続けています。わたしのために並べたことばが、誰かの、ちょっとした救いや、安らぎになればうれしい。 なんでもない日々の生活を、どうか愛せますように。 aoiasa