結婚おめでとう読書会
1月8日、北区十条のしかのいえで、私たちの結婚を祝う読書会を開いていただいた。テーブルいっぱいに仲間たちが集って、さらに電報のように当日来られなかった方からのメッセージもあり、本当に嬉しかった。
その日のことを、お祝いの本を中心に記録しておこうと思う。
ちなみに鹿野さんご夫妻とは、高校時代に入り浸った読書のすすめ(通称どくすめ)で知り合った。当時高校2年生だったので、あの頃からちょうど10年。
皆様に結婚をお祝いしていただく未来が来るとは思わなかった。
■本のおすすめ
・こころを磨く やまとしぐさ|辻中 公
中ちゃんのおすすめ。
高校時代に知り合って以来”中ちゃん”と読んでいるけれど、私より年上の娘さんがいる人生の先輩。
ご自身が娘さんに日本の伝統的な文化を伝えられなかったので、これからお母さんになる私にはそういったことを伝えられるようにと、この本を選んでくださった。
いまのわたしは、日本の文化にそれほど関心がない。もしも将来子どものいる未来が来て、知らないことを聞かれたら、一緒に学ぶ人になりたいと思う。
・ねじまき鳥クロニクル|村上 春樹
鹿野さん(旦那様)のおすすめ。
一緒に暮らすことについて書いてる本。
帰ってから夫が、村上春樹作品の時系列まで頭に入ってる鹿野さんに関心していたので、私にとって「鹿野さんといえば村上春樹」だと伝えたら納得していた。
村上さんは以前、パートナーの女性が姿を消す話ばかり書いていて、この作品では初めて、去った女性を探しに行く話を書いたそう。
それまでのファンからすると衝撃だったのかな、きっと。
その時の会話の中で興味深いと感じた言葉。
この深みは、読んだ人だけが分かるんだろうなあ。
村上春樹の新刊ってタワー積みされたり、書店に行列ができたりするイメージだけど、この本が出た頃はそれほどでなかったそうだ。
・現実脱出論 |坂口 恭平
会場にはいらしてないよっちゃんからのおすすめ。
華代子さん(鹿野さんの奥様)が紙に書いて教えてくださった。
坂口恭平さんといえば、「いのっちの電話」(090-8106-4666)のイメージ。当日お隣にいらした佐伯さんから、坂口さんが電話を終えた後に話し足りなかったことをTwitterに投稿していること、それが本になっていて、響く内容だということを教えてもらった。
坂口さん作品と結婚が結びつかなくて、気になる。
追記:
よっちゃんに連絡してみると、私個人へのおすすめだった。
高校時代の私が、現実に苦しんでいたことから坂口さんの作品を選んでくださった。常備薬のように積読しておくと良いかもしれないと思った。
・しろいうさぎとくろいうさぎ|ガース・ウイリアムズ
Kさんおすすめ。
関わったことがなく、お名前も初めて知った方。
華代子さんの繋がりで今回のイベントを知って、メッセージ画像を作成してお送りくださった。
2時間ほどのうちに読みたい本(ほぼ活字)が一気に増えている中で登場した絵本のほっこり感。遅読な方ならお分かりいただけるだろうか。
北区立図書館にあったので早速予約した。楽しみ。
・ブルッキーのひつじ|M・B・ゴフスタイン
・夫のトリセツ|黒川 伊保子
華代子さんのおすすめ。
このタイトルに会場が沸いた。
3年ほど前にご夫婦でしかのいえを始めて、一緒に仕事をすることになり、旦那様にそれまでとは別の感情を持つことがあったみたい。
チャラいタイトルだと思いつつこの本が必要な状況で読んでみたら、目から鱗な内容だったそう。
妻のトリセツはあるのかな、と思ったらあった。この対になってる感じ、水野敬也さんの「LOVE理論」と「スパルタ婚活塾」を想起する。
”男性脳と女性脳の違いはない”とも聞いたことはあるけど、私は、男女で考え方の違いがあると思う。むしろ違う生き物ってくらい違うと思ってる。
仮に生まれたときに違いがないとしても、先天的に違う身体の仕組みを持って生まれて、後天的に「男の子として」「女の子として」育てられれば、多くの人は性別の違いが出てくるんじゃないだろうか。
お互いに悪気はなくても、考え方が根本的に違う。
夫や異性に対してだけでなく、人と付き合う上で参考になりそうだ。
・深呼吸をして|高橋 真澄(写真)谷 郁雄(詩)
まなみさんおすすめ。
お子さんが「森のようちえん」に通っていて、自然を身近に過ごすことが大切だと感じたそう。
森のようちえんは、スタッフが子どものそのままを受け入れたり、保護者会という名の”親が子を語る会”があったり、家族でキャンプをするイベントがあったりするそうで、一般的な幼稚園とは違う様子が伺えた。
まなみさん自身も、保護者向けのプログラムを通して、自然光を浴びることや、葉の緑を感じることで自己治癒に繋がると感じ、その体験の共有としてこの本をプレゼントしてくださった。
森のようちえんは、知り合いがFacebookで発信したのを見てたまたま知っていた。下記の記事はまなみさん親子が通うところとは別の拠点だけど、森のようちえんを最初に知ったとき、印象に残ったもの。
・ぽっかぽか |深見 じゅん
おたまさん(まなみさんの旦那様)のおすすめ。
物語に出てくる奥様は性格が抜けていて「肩肘張らずにいこう」って思えるそう。
ほのぼのした話なのかな〜とこの記事を書くにあたり調べてみたら、上記引用の通りシビアな題材を扱ってい意外だった。
先日、昔のバイト先で知り合った友達と会って、家族計画とか、なぜ子どもを欲しいと思うのかとか、妊活してる話などを聞いた。
こういった話、今みんなが既婚/子なし/アラサーという同じ立ち位置だからフラットに出来るのであって、状況が変わってきたら会いづらくなったり、気を遣ったりするのだろうと考えた。
いつか孤独になったとき、この本は不安を共有する友達のような存在になるかもしれないと思った。
・そろそろいい歳というけれど|ジェラシーくるみ
サイトさんのおすすめ。
同年代で未婚の女性と会うと、度々そんな話題になる。
その時の参考になりそうな本。
結婚がテーマの読書会でそんな視点があるのかと、選書のセンスに驚いた。
この本自体も、絶妙なタイトル。
日常の些細な会話でありつつ、人生のこと。
プレゼントしていただいたので手元にあり、もくじだけ見るつもりが「結婚式の憂鬱」がタイムリーで読んだ。部分的に共感。
キリスト教式の結婚式に参加したのは小学生の頃が最後。当時笑いたい衝動はなかったものの、大人になり、結婚式だけキリスト教の真似をする人々に違和感が湧いてきた。
きっと主催(またはその家族)が選んだ形なんだよね。ほっとけばいいのに、いちいち違和感を発動する自分が好きじゃない。
・幸福な質問|おーなり 由子
佐伯さんのおすすめ。
絶版。絵本の寿命としては”それくらい”なんだそう。素晴らしい本にも寿命がくることを再確認し、切なくなった。
パートナーに質問する内容で、これを読むと結婚した時のことを思い出して、喧嘩しても元に戻れるのだとか。
調べたら本の中身の画像が少し出てきて、大切な本になる気がした。
Amazonにあったので注文した。定価1,100円で、いま流通してる新品は3,000円ほど。アミのようにどんどん高くなっていくんだろうなあ。
・Presents|角田 光代(著)松尾 たいこ(イラスト)
こちらも佐伯さんのおすすめ。
女性が一生にもらう有形/無形のプレゼントをテーマにした小説。
「読んだことあるかもしれないけど」って言いながら新品の文庫本をいくつか用意してくださり、これは20歳くらいの頃に佐伯さんのおすすめで読んだ作品だった。
この些細なやり取りが嬉しかった。長いお付き合いであることや、佐伯さんのおすすめと自分のお気に入りが重なってることかな。
・さがしもの|角田 光代
こちらも佐伯さんのおすすめ。
本好きにはたまらない内容なんだそう。
本を挟んだカップルや、本の旅の話。
夫と出会うまでのきっかけには本もあったので、私たちも本が挟まったカップルかも。いずれにせよ本好きな私に刺さりそうだ。
・鉄道員(ぽっぽや)|浅田 次郎
こちらも佐伯さんのおすすめ。
浅田次郎の全てが入ってる作品。
人に優しくなれたり、慰められたりする内容で、これから二人でいろんなことに立ち向かって行く過程で、きっとためになる本だと教えてもらった。
10代の頃にもおすすめしていただいて手に取ったけど、当時は頭に入ってこなくて読むのをやめた。20代後半から分かるようになるそうで、いまがタイミングなのかもしれない。
・八甲田山死の彷徨|新田次郎
これも佐伯さんのおすすめで、特に夫へのおすすめ。
リーダーの在り方を書いてる本。
靴屋さんをしていた頃、ある時の店長会議の課題図書だったとか。
店長会議に課題図書があることにも、それが小説であることにも驚いた。
プレゼントしていただき、当日中に読み終えた夫から内容を少し聞いた。
そんなことを話したのが印象に残ってる。
■さらにプレゼント
・フォトフレーム|会場の皆様
当日参加が叶わなかった岩ちゃんもこのプレゼントに参加してくださったと伺った。
ハンドメイド作家さんが丁寧に作られたもので、白基調の花々に縁取られたフレームは結婚式の写真がよく合いそう。
入れる写真と飾る場所は楽しく考え中。
皆様ありがとうございます!
・伊勢神宮の絵馬|中ちゃん
「こころを磨く やまとしぐさ」おすすめの中ちゃんから、伊勢神宮の特別な絵馬をいただいた。
どんな絵だろうと思いならが開封してみたらピカピカ。
物理的に輝く絵馬を初めて見た。
ここ数年は干支を飾ることに興味を持ちつつ、しっくり来るものがないので何も飾らずに過ごしていた。
この絵馬が私のお気に入りエリアにはまりました。
中ちゃん、ありがとうございます!
・花束|まなみさんおたまさんご家族
初めましてのお子さんから渡していただいた。
私が最近お花好きなことに気づかれていたのかな。
お花は日常の豊さや、命の儚さを感じられて好きです。
ありがとうございます!
・色紙|清水店長
清水店長は前述の「読書のすすめ」店主。突然水曜会(江戸川区篠崎で毎週開催していた飲み会/私はノンアル参加でした)に来た私を可愛がってくれて、高校の文化祭にも遊びに来てくださった。
みんなでこの色紙を見ていると鹿野さんが、清水店長の造語なんだと教えてくれた。
「清水店長は、この意味を聞きにきて欲しいんじゃない?」
たしかにご無沙汰してしまった。
清水店長ありがとうございます!
また遊びに行きます!
・色紙|小川さん
小川さんは読書のすすめのカリスマ店員。他己紹介のときにいつも「飲み会に来た女子高生」エピソードで皆様からの関心を高めてくださる。
一昨年はご無沙汰していた私をzoomに招き、新たな交友関係のきっかけを作ってくださった。
小川さんありがとうございます!
・色紙|会場の皆様
佐伯さんの感想にリアルな親戚らしさを感じた。
皆様ありがとうございます!
■あとがき
しかのいえでの読書会は過去に何度か参加していて、持ち寄った本を優しい空間で紹介していくイメージでいた。
そしたらいつもと同じようで少し違う。
主役の席があって、たぶんプログラムが用意されていて、鹿野さんがリコーダーで演奏する”結婚行進曲”から始まった。このサプライズ、とても嬉しかった。(当日楽譜を調べてくださったそうで、練習時間が大変短かったことにも驚いた)
終わってから、お祝いってこんな形もあるんだなあと感じた。
お祝いにあたっての選書やエピソード、これからの人生のヒント。
この日出会った本には、私たちの夫婦の形を模索していく過程できっと助けてもらうと思う。
鹿野さん華代子さん、私たちのために読書会を企画してくださりありがとうございます。
イベントのご参加や伝言のメッセージ、Facebookコメント、心の中でお祝いしてくださった皆様、ありがとうございます。
”結婚”という、私の人生で想定外の体験をさせてくれた夫、ありがとう。
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