幸せの味のホットケーキ
せっかくのお休みなのに、嫌な気分になってしまった。
私のお休みは平日なので、朝リビングにいると軽く八つ当たりされる。
少し目が合っただけで「見んといて」とガチで怒られる。また、平日なので朝のニュースが土日よりも穏やかではないものが多い(気がする)
テレビは好きではないが、消してしまうと母が時間が分からないらしいので消さない。
そして、まあそんな軽い八つ当たりをされた後だから私は部屋へ避難する。
数十分後。ドアの閉まる音がして、みんな行ったと思うとリビングは真っ暗で窓の外も曇天。気分はしょんぼり。
「私なんて居ないみたい。」
分かっている。平日は慌ただしい。かまって欲しいわけでもない。でも。
なんだか悲しい。
そんな時は衝動的にホットケーキを作る。
これは意識しているのではなくて、気付いたらもう目の前でフライパンが生地を乗せてジュージューと鳴っている。
ホットケーキミックス150g
絹ごし豆腐100g
牛乳100ml
これで、もっちもちのホットケーキの生地ができる。
しかし私は全部計らない。しょんぼりしているので。適当に混ぜて「こんなもんか」で作る。
しょんぼりしているので。
で、出来上がったものがこちら。
バターをたっぷり。
たっぷりつけて、ぱくっと頬張る。
気が済むまで無心でぱくぱく。
もちっとして美味しかった。
また気がつくと半分くらい無くなっている。
ここで少し落ち着き、「あの人にも作ってあげたい」などと考える。
その時はしょんぼりの塊ではなくて、幸せの味のホットケーキを作ってあげたい、と思う。
(このノートのタイトル、初めは “嫌な気分になった時”だったが変更した。今の方が良いでしょう?)
完全に自我を取り戻したら、アイスコーヒーを飲む。
この時はブラック。
口もとにカップを近づけると、まだバターの匂いが手に残っている。
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ゆったりとした朝にほっとする文章を。
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