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ベスハチとライヴ現場復帰を目指す推し活再開話

【前回記事↓】ライヴブランク期間からのベスハチ推し活再開まで

前回、
ライヴ通いも創作活動も封じられた わたしが
コロナ禍を含めたブランク期間を経て
Elizabeth.eight(エリザベス・エイト)こと
ベスハチ の活動に
再び触れ始めるまでを書いた。

今回は前回に続いて
徐々にベスハチの推し活を再開させるとともに
再びライヴの現場への復帰を目指す過程を書いていく。


如何にしてベスハチの音楽にたどり着いたか。
わたしの通ってきた道と少しでも道が重なるのであれば、
これからこれを読むあなたには、
ベスハチを好きになる素質や素養がある。
そう思う。






▼ あと ひとりくらい


ライヴ現場への復帰を目論むも、
世は依然としてコロナ禍 真っ只中の2021年。


コロナ禍をきっかけに
実に約8年ぶりに触れた、

わたしにとってのライヴ現場の象徴たる存在
エリザベス・エイトこと
ベスハチの活動状況。

そこから深堀りして、
ブランク期間の彼らについての足跡を辿れば
知らなかった激動のトンデモエピソードの宝庫


加えて
いざ推し活を再開しようという矢先、

ベスハチのヴォーカル・ミワユータ総帥の
乳がん発覚。

ただでさえ脳炎の後遺症で
今尚困難を抱えている状況であるにも関わらずである。


しかしその反面、
これをきっかけに登場した
乳がん治療の為のチャリティーグッズ

ベスハチブランクのある自分にとって
良くも悪くも生のやりとりをせずに参加のできる
これ以上無い企画で、

このチャリティーグッズの購入によって
ファンとしての活動再開への第一歩を踏み出せたような思いであった。


ファン活なぞ さっさと再開すれば良いのに、
何をそんなに躊躇することがある?
とお思いかもしれないが、

タイミングの悪いことに
それまでに経験したメンヘラさんの粘着によって
四六時中浴びさせられた『ヒト』成分に当てられ
完全に人間不信に陥っていた時期でもあり、

加えてコロナ禍に突入したことで
ニンゲン コワイ
という状態が より極まっていたこと、


それ以上に、
10年に渡り最前線で追っていたにも関わらず
何も告げずに消えた身ゆえ、
当時のテンションのまま何事もなかったかのようにバンドに相対するのも気まずかった。


埋没したいタイプの人種であるわたしにとって、
個人を完全に認知されているような距離感のインディーズバンドを追うということは

有象無象を相手にするメジャーバンドと違い、
発言や出入りを逐一注視されるプレッシャーと向き合わねば
推し活もままならないという弊害がある。

本来であれば
バンドの音楽そのもので熱くなっているうちに
霞んでしまう類のものではあるが、

長期間 音楽とも距離を置いていると
その熱い気持ちが戻るまでには
あらゆる手順を踏む必要があり、
中々 急速沸騰!という訳にもいかないのだった。


※ちなみにミワユータ総帥の乳がん術後も
通院での治療に5年程かかるそうで、
2024年現在もセイブザクイーン企画の一貫として
下記ショップにて投げ銭による支援を行うことが可能。

【BETH.8 WEB SHOP】
https://beth8.stores.jp/?category_id=5e931f309df1636e86ba87f8


そんな中
ミワユータ総帥の手術も無事終えて間もなくの、

2021年3月31日。


投下された1本のMVは、
女王の身を案じていたわたしにとって

初めてベスハチの音楽に出会った瞬間を思い出させるような、
稲妻の如き一撃となった。


ELIZABETH.EIGHT 『あたしバンドマン』


衝撃で打ちのめされると共に、

泣くしかなかった。


バラード曲でありながらも、

ミワユータ総帥、
そしてベスハチの

どんな困難が立ち塞がってこようとも乗り越え、
さらに他人に手を差し伸べるという強さを
これでもかという程 詰め込んだ曲。


これで驚きなのが、
詞の内容としても
ミワユータ総帥の乳がんを意識しての楽曲なのかと思いきや、

実際に曲が作られたのは、
彼女の乳がん告知前だという。


今、この瞬間に、
こうして存在していることが

まるで運命であり、
業(カルマ)のようではないか。


これまでのベスハチというバンドに
あらゆる困難があったことを知ってしまうと
より一層泣けてくる楽曲ではあるが、

そのバックボーンを知らずとも、

例えその傷跡が
乗り越えた困難の勲章として存在したとしても、

それそのままに、美しい曲だと思った。

ベスハチの音楽そのものが
ロックの神に愛されているとしか思えなかった。


次々に降りかかる困難を
歯を食いしばりつつも
毅然と立ち向かい薙ぎ払ってゆくベスハチは、
さながら長編漫画の主人公でもあり、

そんなバンドが現実に存在するのであれば、
神も放っておかないだろう。

事実、ここに実在するのだ。


そして わたしは
この神曲の産声を聞くために導かれ、
ここへ戻ってきたのだろう、と。


ここへ舞い戻ってきたことで、
「あとひとりくらい」
と差し伸べられた手により

救われたその “ひとり” にもなったのだ、と。


このMVが発表されたことは、

確実にわたしの推し活再開に至るまでの
ピースのひとつとなったのであった。


【参考】↓ミワユータ総帥の乳がん闘病エッセイ



▼ 続くコロナ禍自粛期間


コロナ禍によって家に籠る時間も長くなり、

友人たちと遊ぶ数少ない機会をもっても、
専らリモートによるTRPGで遊ぶのがメインとなっていた2021年。


気軽に現場でライヴが観られない間の
バンドのコンテンツとして、
ライヴやメンバーとのトークをネット配信する文化が各所で散見されるようになっていた。


わたしの場合は基本的に
バンド発信のライヴ以外のコンテンツについてはあまり興味が無かったため
ライヴ配信をメインに楽しむ日々が続いた。


特に大型のフェスや
メジャーバンドのライヴ配信は
映像や音質のクオリティも高く、

尚且つ媒体によっては
リアルタイムでコメントが出来るような公演もあり、

配信でも臨場感のあるライヴを楽しめるということがわかってきた。


それによって わたしの認識も、

音源 = 冷凍食品やレトルト食品
ライヴ = レストランや食堂の出来立ての料理

に対し、

配信ライヴ = レストランや食堂のデリバリー料理

というようなものとなった。

媒体によって
そのクオリティは大きく左右されるが、

音源で楽しむよりも遥かに
血の通った音楽 を楽しめている感覚があり、
上記の例で言えば
出来立ての熱い料理にも引けを取らない。

それも、わたしがライヴに対して求めている
定まった型におさまらないパフォーマンスのステージが観られるという部分においては

リアルタイムの臨場感と共に
ライヴでの音楽体験に限りなく近い状態で楽しめるため、

コロナ禍によって研ぎ澄まされていった配信ライヴ文化には感謝しかなかった。


そこで再び、
配信ライヴを中心に観ていた中で
よく観たりハマったりしたバンドを貼っていく。

2021年は前年に続いてコロナ禍であったにも関わらず
フジロックが開催されたことも驚異的であり、
それに伴い配信されたライヴ映像もありがたく楽しませてもらったので、
その中のものを中心に挙げていく。

毎度のことながら、
興味の無い方は次の章まで飛ばしていただき、

お付き合いいただける方は
コロナ禍の閉塞感の中で
もがきながらも活動した人々の空気を少しでも味わって欲しい。


草田 一駿(そうた かずとし)

※2020年のフジロックの配信ライヴで知るも、
当時の時点でも音源らしい音源も出ずやきもきしている中、
こちらの動画の2021年のフジロック配信ライヴでは五重奏での出演でより一層素晴らしいライヴを魅せられ、余計に熱が高まった。
元々この手のピアノジャズを好む要因ともなったのはCS放送の海外キッズアニメ専門チャンネルであるカートゥーンネットワークで放映されていた60年代~80年代の『チャーリーブラウンとスヌーピー』のアニメBGMによるものだが、
いかんせん普段の自分のフィールド上にジャズ音楽の開拓場が存在しておらず、ピアノジャズの出演者が豊富なフジロックの配信は貴重な供給源ともなっていた。
草田氏はZ世代となる若き才能だが、その音楽性と演奏には本当に心が洗われるようだ。

平沢進+会人(EJIN)(ヒラサワススム+エジン)

※こちらもありがたいことに2021年のフジロックの映像がそのまま公式で残っていたので貼っておく。
お馴染み平沢師匠と、会人というマスクを被ったサポートメンバーによるユニット。
この年も素晴らしいステージを魅せてくれたアーティストが多く、自分の中でのベストアクトも定まらない中でも、
確実にこのステージはベストアクトに挙がるものだったと思う。
この前年にもフジロックの配信があったことでも話題となっていた平沢師匠は、
悪魔と契約したサカナクションだとか
闇落ちした坂本龍一だとか
散々色々と言われていたものの、
そこで大きく認知度を上げたことは間違いない。
動画のこの曲はわたしの敬愛するアニメ監督である故・今敏氏の製作予定だった『夢見る機械』というアニメーション映画でのテーマ曲ともなるはずだった楽曲で、
この曲を聴くたびに胸が熱くなるのだった。
ちなみにこの年のフジロックはこの平沢師匠のステージの裏で電気グルーヴも出演しており、
どう考えても客層が被りそうなこの2者を同時刻に被らせてしまうという運営陣の悪魔の所業については、我々音楽ファン・フェスファンにとっては非常に苦しいものとなった。
(わたしは平沢師匠を優先して電気はアーカイブで楽しみました)

GEZAN(ゲザン)

※こちらも2021年のフジロックのもの。
バンド自体の噂はちらほらと耳にしていて実質これが初見となったが、
あまりにも圧巻すぎるライヴに度肝を抜かれた。
このステージは特にフジロックならではの特別なもので、映像として残されていることに感謝している。
このようなステージを観てしまうと、やはり普通の型におさまった音源では物足りないなと感じてしまう。
実際、リリースされている音源は聞かずにこの動画ばかり観ている。
またフジロックで配信があれば観たいと思わせられたバンドである。

Tempalay(テンパレイ)

※2020年のフジロックの配信で知り、
主にフェスでの配信ライヴや動画で楽しんでいるバンドだが、
特に野外でのライヴテイクこそ至高、と思わせられるバンド。
フジロックのライヴ映像ばかり観てしまうと、普段のライヴハウスでのライヴや音源でなく、こういった野外フェスや野外ライヴの動画や配信映像しか観たく無いという気持ちにさせられてしまうが、フジロックというフェスが それだけ各アーティストを魅力的に見せる技術に長けているということでもある。
今尚フジロックの現場に足を運んだことはないが、あちこちに好きなバンドがいる身としては、
配信ライヴによって現地に足を運んでいたら到底観ることはかなわなかったであろう多くのステージを観ることが出来、
そうでもなければこのバンドと出会うこともなかったろうと思うと配信文化様様である。

cero(セロ)

※2020年のフジロックで知ったバンドだが、こちらもテンパレイと同じく野外でのライヴテイクを体験してしまうと、他での音楽体験が霞んでしまう程、毎ライヴで素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる。
この手の野外向きのバンドの音楽は、コロナ禍の閉塞感から解放してくれるかのような癒しを得られるため、当時よくライヴ動画を探して聴いていた。
フェスのような場では基本メンバーに加えてサポートメンバーも加わることで非常に華やかな音・パフォーマンスとなるので、余計に普通の音源には戻れないなと思う。

サニーデイ・サービス(さにーでい・さーびす)

※フジロックの配信ライヴを含めてこのコロナ禍で多くのサニーデイの配信ライヴのステージを観てきたが、
それまでのサニーデイと明確に違うのは、
2020年にQomolangma Tomatoのドラムスでもある大工原幹雄氏が加入してからである。
とにかくライヴパフォーマンスがべらぼうに良い。
元々ギターヴォーカルの曽我部恵一氏から感じられるロックへの熱い思いの乗ったライヴパフォーマンスに胸を打たれながら観ていたサニーデイであったが、
ここへきてバンドの音がさらに高みへのぼりつめ完成された感もあり、
曽我部氏自身も心底音楽が好きなんだろうなぁというのがひしひしと伝わってくるのが微笑ましく、
観るたび若返っているのでは?という程のパワフルなステージングには観る度に元気をもらえる、本当に向日葵のようなバンドだ。

くるり

※兼ねてより行く機会をうかがっていたくるり主催の音楽フェスである京都音楽博覧会がコロナ禍の影響で2020年、2021年に念願のライヴ配信が行われたことで、この時期はくるりに対してかなり熱を上げていた。
音博では本来のバンドメンバーに加え、ライヴで毎回サポートとして登場するメンバー+αの特別仕様のステージでもあったことでライヴとしてもかなり印象に残った。
上記の動画で演奏された『大阪万博』は2021年にリリースされたアルバムにも収録されたプログレッシブインスト曲となるが、『Tokyo OP』と並んで くるりというバンドの振り幅とポテンシャルの高さに改めて驚かされ、特に気に入っている楽曲でもある。
この2020年・2021年の大半は、くるりの音博でのライヴの思い出を反芻していた程だったと思う。

岸田繁楽団(きしだしげるがくだん)

※くるりのギターヴォーカル岸田繁氏による、メンバー編成も楽器も自由な上になんでもかんでも演奏するという自由な楽団。
上記のくるり主催の京都音博ではこの楽団のライヴも行われ、
そこでは元andymori小山田壮平氏をヴォーカルに迎えての くるりの楽曲『ブレーメン』が演奏され、これがまた岸田氏のヴォーカルとも違った良さのある大変素晴らしいものだった。
ただ権利の関係か、その場の配信ライヴと数週間のアーカイブのみでしか味わえず、
映像として残っているのであればどこかのタイミングで映像を販売して欲しいものだと今でも思う程だ。
配信ライヴといえど、ライヴはナマモノであると痛感させられたライヴであった。


2020年の時点では
世の中 完全にコロナウィルスに支配された空気感であったが、

2021年後半に差し掛かる頃には
わたしの住むトチギの田舎と東京とのコロナに対する温度差が浮き彫りになってきており、

2022年になると
トチギでは自粛モードが継続されていたが、
基本的に観たいバンドの活動拠点が都内に集中しているためか、
徐々に配信ライヴをやめてしまうところも出てくるようになった。

ただ、
フジロックのような大規模イベントにおいて
複数のチャンネルに分けて配信されることで
数あるステージ間を縦横無尽に渡り歩けたり、
リアルタイムでなくともアーカイブで楽しめる形態に味をしめてしまうと、
観る側としては中々手放し難いものである。

これが定着すれば、
観たいライヴも実際に観たライヴも
さらに増えていたのではないかと思う。


実際のところ、
2024年になった今では

ライヴ現場に行った上で
配信ライヴのチケットも買い

帰ってからもアーカイブで再度楽しむ
という技を覚えてしまった。

本来その場限りのナマモノであるはずのライヴを
繰り返し体験できるという革命的な方法であり、

特にBlu-rayやDVD等の映像作品として残る可能性の低いライヴでは、
生ライヴ後もアーカイブで繰り返し観ることで
そのライヴをより強く頭に焼き付けることができるという点でも有用であると感じた。

ライヴの配信文化が廃れてしまうと
それもかなわなくなるので、
なんとか生き残って欲しい文化である。



▼ 女王の帰還


2021年夏。

コロナ禍における
トチギと東京の温度差を感じ始めていた頃。

ベスハチ・ミワユータ総帥の
乳がん術後の経過も良好だったようで
とうとう復活ライヴの開催が発表された。



復活ライヴをやること以上に、
切除した左胸を晒し、
抗がん剤によって抜けた髪を
潔くスキンヘッドにするというその心意気には
真のロック魂を感じたし、

乳がんになっても
尚 格好良く在ろうとするその姿は
我々の待ち望んだ、
強く気高い女王そのものであった。


さらには、
彼女をスキンヘッドにするための断髪式の模様まで公開された。

※旧Twitterの動画付きポストの埋め込みがうまくいかないため直接は観られないが、断髪式の模様が動画として残されている。
下記のポストをクリックで閲覧可能。


実際の復活ライヴは、
開催数日前というところで
ミワユータ総帥の発熱が確認されたことで
秋頃まで延期となってしまったが、


2021年10月27日

女王の帰還は見事 果たされた。


まだまだ地元を取り巻くコロナ禍の空気感に呑まれていた わたしは、
相変わらずSNSでベスハチの動向を追うに留まっていたものの
その復活を大いに祝福した。


そしてそれに触発され、
急遽
イングランドにおける伝説のプログレバンド
キング・クリムゾンのライヴへ行くことを決めた。
もちろんキングクリムゾン好きな母と、である。

コロナ禍であっても、
ホールでの公演であれば
感染対策もきっちり取られているであろうという
希望的観測によるものではあった。


中々最短距離で目的地へは行けない上、
しかもアクロバティックな方向から攻める、
というところがわたしである。


ブランク期間であっても
年に1度はsyrup16gのライヴに通っていたため
ほぼ途切れた事のなかったライヴ通いだが、

コロナ禍によって初めて丸2年以上途切れ、
これ以上間を空ける事について
危機感が湧いて来たのかもしれない。


ベスハチの勇猛果敢に闘う姿が
殻に閉じ籠りきった わたしに
その行動を起こさせたのだった。



▼ 再び、出会う


コロナ禍になってから初の現場ということで
キング・クリムゾンの来日公演に足を運ぶも、

まだまだ現場参戦は見切り発車感があり、
以降も配信ライヴを中心に楽しむ日々が続いた。


ベスハチの動向も
引き続きSNSで追い続ける日々であったが、


2022年初頭。
ベスハチの新アルバム
クーガルポクチーニ
が発売された。


乳がん発覚から わずか1年後のリリースという、
あまりにも驚異的な復活劇である。


しかも、
わたしにとっては
ベスハチの前身バンド時代の懐かしい曲でもある

ロットガットで飛んだ』が

ベスハチのロックなカラーに馴染むサウンドとアレンジで甦って収録されていたことは、

わたしの本格的な復帰の呼び水としては
十分すぎる材料だった。

完全にわたしの好みを撃ち抜いてくる曲に生まれ変わっていたこと。
それがロックであったこと。
女性ヴォーカルの曲でありながらも、
女性性の殻をぶち破った上で感じられる色気。

これはもう、
死線を乗り越えてきた彼らだからこそ出せるものなのでは?



ベスハチの前身バンドである、
thelovemachine としての最初の出会い。

そこからイメージを一新した、
ELIZABETH.EIGHT としての二度目の出会い。


そして、
今のElizabeth.eight。

これは完全に、
三度目の出会いだ。


自身のブランク期間以前からもベスハチは
いつでも驚きと興奮をくれるバンドであったが、

ここへ立ち戻っても
単純に以前からの彼らの物語の続きではなく、

全く新しい、
さらなる高次元の驚きと興奮を与えてくれるとは
全く思ってもみなかったことだ。


もちろん、
普通のバンドであれば
ここまで数多くの『死線を潜り抜ける
ような状況になること自体あり得ないのだが。

しかし確実にそれが、
ベスハチというバンドの音楽の糧になっているのだろう。


ELIZABETH.EIGHT(エリザベスエイト) は
2022年春には

Elizabeth.eight という表記となり、


そして わたしは
新アルバム『クーガルポクチーニ』の発売を以て

ベスハチの推し活を本格的に再開しようと
心に決めたのである。



▼ 真打ち登場


2022年春。

ベスハチ恒例の
ミワユータ総帥の誕生日イベントである
女王誕生祭、を主にシカトする祭り
開催の告知がされた。


女王復活は成し遂げられたとはいえ、
コロナ禍にあの奇祭を…!?
という緊張感とともに、

ベスハチ企画の真骨頂でもあるイベントが
再び観られるという喜び。


しかし
ベスハチのライヴとしては
イレギュラーであるこのイベントで
正式に自身の復帰とするのも、
何だか違う気がする。

普段のライヴを観ているからこその
祭感を味わうには、

少なくともこの日までに
現在のベスハチ』が体験できるような
ライヴを観なくてはならない。
という気持ちにもなった。


このイベントの開催自体も
トチギの田舎と東京のコロナへの温度差を
否応無く感じられるものとなったが、

この頃の わたしの住むトチギでは、
まだまだこういった場への参加だけでも
瞬く間に噂となり、
罪人扱いされるような状況である。


まだまだ現場は早いだろうと躊躇するなか、

しばらくしてシカト祭りの続報を待つと
なんと配信ライヴもやるというでは無いか。


この朗報で弾みがつき、
それならば

シカト祭りまでの間に予定されているライヴも
配信で観てしまおう!!
と決めた。



そして来る、
2022年4月22日。

横浜BAYSISというライヴハウスでの配信ライヴ。


正直言って、
この規模のライヴハウスでの映像や音質のクオリティについてはあまり期待しておらず、

これまでに観てきたフジロックの配信を始め
数々の高クオリティの配信ライヴを観てきて
無駄にハードルが上がっていたところもあるが、

今現在の『ベスハチ』が
配信にきちんと反映されるかどうか
祈るような気持ちで臨んだ。


始めて触れる配信ライヴ閲覧アプリも
恐る恐るインストールしたが、

いざ始まってみると
それまでに抱いていた心配は杞憂に終わった。


それどころか、
思っていたものより
遥かに素晴らしかった。

映像、音質のクリアさに加え、
定点カメラではなく
曲の要所要所のタイミングに合わせて視点も切り替わり、
それらがカッチリと合っている。

そしてその全てが、
画面から涌き出てくるような臨場感と共に、
ベスハチのライヴの格好良さを
余すところ無く映し出していた。


まさかこの規模のライヴハウスで、
ここまでのものを魅せられるとは思わなかった。

ベスハチがこんなにも格好いいバンドで、
自分の知る中で最もロックなバンドであることを、
完全に思い出させてくれた。


この日のライヴは、

①トランジスタシス
②ロットガットで飛んだ
③現実逃避ラヴィ
④アイアンガール
⑤あたしバンドマン

というセットリスト。

ブランク前からも耳馴染みのある曲も多く、
それがまた、
この場に再び帰ってきたことを
実感させてくれたのだった。


↓当時のセットリストのプレイリスト。
あの日の感動をもう一度。
全く便利な世の中になったものだ。


ここまでに かなり時間を要してしまったし、
配信ライヴであれば
もっと早く観られたのではとも思うが、

だからといって後悔などしない。


この瞬間だからこそ味わえる、
最高のライヴを目撃出来たのだから。



▼ 配信文化が生んだもの


2022年5月12日。

女王・ミワユータ総帥の誕生日イベント
通称『シカト祭り
が開催された。

わたしは安全をとって
配信ライヴでの参加となったが、

以前からも対バンやイベントを共にしてきた
ザ・ハンズインポケッツ
劇団GuReM♂♀N など、
わたしにも馴染みのある出演者が居たことも嬉しかった。


ただでさえ情報量の多いこのイベント。
来場チケットに対して
配信ライヴチケットがその1/3程の価格という
あまりの破格さにもひっくり返り、

さすがシカト祭りだぜ…

という、
何があってもおかしくないことを覚悟しておける謎の信頼感がまた、
当時からすっかり染み付いた思考ということにも気付いて笑ってしまった。


シカト祭り当日は
とにかく驚きと笑いの連続で、

出演者全てが最高のステージを見せてくれたのはもちろん
怒濤の如く進行する感じも懐かしく、

終わってからも
繰り返し繰り返し配信アーカイブ動画を
限界まで観る日々が続いてしまう、
完全なるシカト祭りロス状態となる程であった。

ブランク期間があったことなど、
完璧に忘れることの出来たイベントとなった。


そしてその中で気になっていたのが、

配信映像の端にしばしば映り込む、
ベスハチのロゴマーク入りの
お手製の御神輿

どうやらベスハチファン、
現在の呼称で ゼルバニア による
お手製グッズのようだった。


推し活の再開にあたり、

いつからか始まっていたらしい
ミワユータ総帥 個人による会員制のネット配信によって出来たファンコミュニティは、

ベスハチの最前線を知るためにも
いずれチェックする必要性は感じていたものの

濃いファン同士で群れた経験もなく
尚且つ『ニンゲン コワイ』などと言う
この時期の わたしにはハードルが高く、

既にしっかりと形成されているであろう
バンドと密接に関わるコミュニティの存在は
閉鎖的な分、
かなり近寄りがたいものがあった。


しかし
今回のシカト祭りの配信コメントの盛り上がりや、
その映像の中にも映り込んでいた
お手製 御神輿を見ていると、

少なくとも
ベスハチ愛に満ち満ちた人々
であることは間違いない、という
確信に近いものを感じられた。


それだけで何だか、
深刻に考え込む必要など何も無い、
全て大丈夫。

そう思えてならなかったのだ。


そうして気付けば、
ベスハチの最前線である
ミワユータ総帥 個人による会員制ツイキャス配信

ミワせんせいのほけんしつ』へも

とうとう入会するに至るのであった。



▼ そして最前線へ


2022年のシカト祭り終了後。

ミワユータ総帥の会員制ツイキャス配信に入会したことで、
完全に推し活を再開した わたし。


そこでは配信主のミワユータ総帥の雑談に対し、
参加者がテキストコメントで反応するという形で
コミュニケーションが取れるというものだった。

この頃の漫画等で何となく知ってはいたものの、
こういった双方向にコミュニケーションの取れる配信の文化は新鮮で、

東北の震災に伴う計画停電のあった頃、
多くのバンドマンがやっていたようなインスタグラムの弾き語り配信を観て以来だった。


ベスハチの最前線を知るためとはいえ
ファン同士でもコミュニケーションが付随するような配信に飛び込むのは不安もあったが、

女性限定ということで、
女子高のようなノリでわいわいと行われる配信は

実際には
しっかりとした気遣いのできる大人な方ばかりで、
シカト祭りでの配信コメントで盛り上がる
ゼルバニアの様子を信じて良かった、
と思えるものだった。

ファン環境に恵まれているのも
ミワユータ総帥のお人柄ゆえのものであり、
ベスハチの強みであると感じられた。


中でも、
配信中にベスハチのグッズのアイディアが提案され、
さらに実際にグッズ化されるという展開を見せたことも
驚きのひとつであった。

まさにバンドとファンが共同で作り上げる、
互いにwin-winとなる画期的なシステムだ。

ゼルバニアの要望のもと生まれた、
ギターマンこふじ氏による漫画『女王さまと犬』に登場する
キャラクター化されたメンバーのアクリルスタンド。
飾るもヨシ、連れ歩いて写真を撮るもヨシ。
双方向にコミュニケーションのとれる配信というものを
最大限に活用している様にも驚かされた。

↓【こふじ氏の漫画ブログ】女王さまと犬


この会員制の配信は、
ミワユータ総帥のお人柄を知れると共に

ベスハチの最前線の情報や
新たな企画のアイディアが生まれる場でもあり、

バンドの根幹の部分への理解を深めることのできるコンテンツとしても、
わたしの推し活ツールのひとつとしても
無くてはならないものとなった。


このようにして
ミワユータ総帥 個人の配信と、
普段のベスハチの配信ライヴを観ることで、

じわじわと
現場参戦への距離を縮めていくのであった。


本来2021年に発売されるはずだったベスハチ15周年記念グッズ。
ミワユータ総帥の乳がん治療関連でそれどころではなく、
2022年になって改めて発売された。
収集癖のあるオタクとしては物理グッズの存在がありがたい。

わたしの観ていたベスハチは15年の歴史の中の
ほんの一部であることを実感させられたが、
逆にこの先はコンプリートするぞという思いを新たにした。



次回へ つづく。



ベスハチというバンドの格好良さが凝縮された曲のひとつ。
ミワユータ総帥によるライヴパフォーマンスが素晴らしく、
ライヴ現場で観る度にその格好良さに心臓を撃ち抜かれる。

ロックンロールが死んだって 僕らは捨てられない / 棺桶開けたまま フロアで踊るだけ
というフレーズは
ロックに思い入れのある自分にとって刺さりすぎるもので、
このフレーズを一生大事に抱えて生きていく、という思いである。
生き様ロックであれ!

👑 Elizabeth.eight(エリザベス エイト)

Webサイト
https://beth8.net/

YouTube公式チャンネル
https://m.youtube.com/@ELIZABETHEIGHT

X(旧 Twitter)
https://twitter.com/ELIZABETH_EIGHT

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