自販機までの距離に春の匂い
暖かな日差しを浴びて過ごしていた日中。気分転換も兼ねて近くの自動販売機まで歩いていこうよ、となって歩いて行っていた道中、キャベツ畑の横を通っていたのだけど、そこらへんの匂いがなんとも懐かしくて、これはいつの時に嗅いでいた匂いだったか、と思い返したら、そうだこれは小学生の頃の登下校中だ、と思い出した。道端に結構広めの土地があって、時期が来れば黄色い花がポワポワと揺れている綺麗な菜の花畑になり、土臭いけれどどこか青い葉の匂いもして、そこに菜の花の香りも混ざる、あの道中が脳裏に浮かんだ。景色や暖かさ…とにかく丸ごとが優しいままに当たり前にあって、そこを毎日歩いていた自分も思い出す。菜の花にはアブラムシがいっぱいついていることを知ったのもその菜の花畑のおかげだった。
随分と昔のことになってしまったけれど、もう少し直近でも同じ匂いを嗅いでいたような、と考えると、そうだ職場で、幼児らの遊ぶ園庭でも似たような匂いがしていたような。いやむしろ絶対していたと思うのだけど、仕事場の思い出は心の奥深くに埋めていたのでいまいちノスタルジックな気持ちにはなれなかった。今回のは登下校中の匂いにする。
そして、それは同時に春の匂いだ。芽吹きの季節。青い葉っぱは太陽の光を浴びてキラキラしている。寒さを乗り越えた植物たちが、今日の暖かな日を喜んでいるような気がする。
よく見たらキャベツ畑にも、そのほかの畑にも無造作にぺんぺん草が咲いていて、これもよく遊んだなあ懐かしいなあと心の中で感じながら通り過ぎ、自販機でCCレモンを買って、また帰り道でも同じ匂いを嗅いで懐かしくなり、その間に飲んでいたCCレモンは久々に飲んですごく美味しく感じた。レモン最高、クエン酸最高、と嬉しくなり、青空も少し背中が汗ばむ暑さも、全部が気持ちよかった。気分転換のおかげでテキパキと行動できたので充実していた。体力消耗を引き換えに。腕が上がらないよ。腕の筋肉が破裂しちゃうかと思った。コロナの予防接種の時の腕が上がらない痛さよりも今回の方が断然痛いし上がらない。疲れた。
そうして今日一日まったくもって創作にあてる時間もなければ読書をする時間もなく、体の中の澱みや滞りを感じているのは月のものが来たからというのが一つと、もう一つはシンプルな疲労。
昨夜は晩酌しながら創作関係で仲良くしてくださっているフォロワーさんと長電話をして盛り上がった。
自分が書きたいこと、作りたいことを全面的に肯定してくれたおかげでやる気が漲ったのだけれど、しかし今日は本当、どうしてだか、全くもって作れない。あれれれれ。短歌も、こういうのが作りたい、こういう感じの…というフワッとした輪郭は描けているのだけれど、いまいち決定打にかける。輝かせるための材料が足りないというか、言葉がいまいちしっくりこない。とりあえず伝えたいこと感じたことわかっていることをメモし続ける日々。100首できるのかい!本当に!
小説も納得いかなくて、結局消した。いや、最後まで書き切らんかいな、と思ったけど、昨年の受賞者とどうもストーリーが似ているということに気づいてしまい、泣く泣くやめることにしたのだった。本気で知らなくて、今更受賞者の作品を読んで驚いた。これはいけない。気持ち新たに練り直します。
昨夜の通話でも、作ろう作ろうとすると、余計に離れていきたくなるのって現実逃避だよねって話になり、ああよかった仲間がいた〜と安心しつつも、逃げた分の苦労は全て自分に返ってくるんだ…ということにも気づき、心臓がヒュッとなった。時間は必ず過ぎていくのだから、どこかでは頑張らねばならなくて、良いコンディションで創作時間を作れるそのための体調管理もちゃんとしないといけないなということで今日はもう布団にいますけどいいですか、いいですよね。そして早めに寝て、(寝たいけど寝れないのが常ですが)明日をしっかり生きたいと思います。
布団につれるのは柿内さんの『町でいちばんの素人』と川端の『親友』。ゆるゆる読みながら、疲れを取ろう…。
また明日も、日記がかけたらいいな〜。
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