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7月に読んだ本とか



 猛暑日が何度もあった。年々その、猛暑日の基準が下がっていっているような体感がある。すでに暑い、ずっと暑い、猛暑じゃん、と思うばかりだった7月。

 室内で過ごすのが一番快適だし安心じゃ〜ん、とわかっていながらも、どこらかしこへ出掛けていた。海が見たくなったり、どうしてもルヌガンガさん(香川県高松市にある本屋さん)に行きたくなって行ったり。
 どこへ行くにも何をするにも鞄の中には本が入っていて、隙があれば読んでいたし、そして、人と過ごす時間も多く、一人じゃない時間で埋まっていたし、でもそれが全く苦痛ではなかった。夏の魔法なのだろうか。基本的には一人で過ごすことが好きなはずだけど、ここ最近は色んな人と関わっているので、それが全てプラスに働いているので、どんどん楽しくなってくれよ、人生、と思う。

 そして本を読むだけではなく、作家やブックチューバーなど、本好きというジャンルの中でもいろんなクリエイターの方とも仲良くできるようになったので、それも本当にご縁だなあと思う。そしてこれからも大切にしていきたいご縁だ。

 …と、読書記録のはずが日記みたいになってきたのでそろそろまとめる。
今月はなんだかんだ買う方が多く、読むのは少なかったな。

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・月金帳         石田千・牧野伊三夫
 
・生皮          井上荒野

・生活の批評誌

・三月は深き紅の淵を   恩田陸

・その本は        又吉直樹・ヨシタケシンスケ

・小説すばる『エバーグリーン』  佐原ひかり

・ペーパー・リリイ     佐原ひかり

・遠慮深いうたた寝     小川洋子

・町でいちばんの素人    柿内正午

・短歌研究9月号

・N /A                                     年森瑛

              合計11冊でした。
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振り返ってみたらまあまあ普通に読んでるじゃん、とここに書きながら気づいた。


 それにしても芥川賞は逃したけれど、『N /A』はすごくよかったし、佐原ひかりさんの『エバーグリーン』も『ペーパー・リリイ』も爽やかで夏の最中に読んで大正解だったしで、とても良い読書体験ができたな。『ペーパー・リリイ』のあの爽やかさといい、爽やかなんだけど中身はちょっと複雑で、やっぱりひかりさんは人間がいつも我慢して目を逸らしている部分へのフォーカスの当て方が、生意気な言い方をすると、めっちゃ上手くて、なによりいつもそれが挑戦的で、かつかっこいいのだ。モリでぐさっとくる感じ。痛いな表現が。でも本当に、真っ直ぐに飛んでくる感じ。自分に経験がある感情・シーンがなまなましく蘇ってくる。すごくいい。味方になってくれているような感覚だ。
愛は恩にも罪にもなって、それが誰にどういう名前で呼ばれようと事実は変わらなくて、傷つけたり傷つかなかったりもするし。全てがニュアンスの話にはなるのだけど。でも、すっごく大好きなストーリーだった。オチも最高。曽んな物語をガツンと書けちゃうのだから(本人曰くアホアホスケジュールの中で)すごい。本当に尊敬する。

 読む前と読んだ後では見えている世界は違うし、私自身も違うな、という実感がより生っぽくなってきてて、こりゃ〜ちょっとは中身も成長したんかな、と考える。
 自分が書く側になろうと思い立ってまだ一年足らずだけれども、難しさに加えて奥深さもあって、決して簡単な世界ではなく、だけど、挑戦して行くしかなく、私もまた誰かの万能薬になれたらいいなと思うのも変わらないし、それが果たしてどんな作品でそうなれるかはわからないけれど、読むことで得ること、書くことで得ること両方を大事にしていきたい。

 それにしても夏の選書をしたわりに全く選書の本を読めていないのだけれど、またそれも私らしくていいな。適当で。自分勝手で。


ではまた来月。いや、もう今月か。8月はなにを読もう。




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