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近くにいる人みんなを冬だと思わせた風



 月一で会おうねと約束していた友人と、お互いの都合で月一で会うことは叶わず、やっと会えた今日。短い時間だったけれども話したいことを話あえたおかげで、じめじめと苔の張り付いていた心が海水で洗い流されたようにスッキリした。やってみたいことはやろうと思うし、なんでも積み重ねなのだとほんとうに思う。書きたい。作りたい。残したい。そういう気持ちになれました。

 流れでまた写真も撮ってもらった。彼女に撮ってもらうことが嬉しい。心が強くなれる。頑張ろうと思える。パワーをもらえる。


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 写真を撮ってもらうために海へ行った。初めての場所だった。道がないようである、そんな道ばかりを進むと着いて、こんなとこ歩いていいの、というところを歩いていくとパッと世界が広がって、穏やかな海が待っていた。静かだった。砂浜は柔らかくて、ブーツの踵でぼこぼこと穴をあけた。太陽に照らされているうちは暖かったのだけど、日がかげると途端に寒くなるし風は強くなった。だけど、初めて行った海岸だったので、こんなところもあるのかと嬉しくなったから、帰り道で突風に煽られて口の中がじゃりじゃりになっても楽しかった。写真の仕上がりが楽しみ。風でほとんど目が開いてなかったように思うけれど。笑
 四半世紀以上生きてきて、どうしてわたしはこんなにも知らない場所ばかりがあるのだろう。知っている道もわずかなのだろうな。知っているのは安全な道。堤防沿い。知らない場所がある楽しみもあるけれど、もっと早くに知っていれば、もっと早くからここに来て、遊んでいたんだろうなと思う。そうしたら人生もう少し違っていたのだろうか。

 大人になると慣れ親しんだ場所を大事にするようになるけれど、新しい場所へ、ちょっと違うところへ行ってみよう、という気持ちがあれど、いろんな理由を見つけて行けなくなるようにしてしまう。新しいことを知るのが怖い時とそうでないときの違いってなんだろうね。でもできれば、勇気を出して、好奇心で心がくすぐられるままに、新しい道や、場所や、人との関わりを増やしていきたい。そうして、また、大事にしたい。

 だから今日は本を読んでいない。今から読む。堀江敏幸さんの『定形外郵便』。寝落ちするまで読む。



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