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ラスコーリニコフ、その名はいつまでも罪犯すたび過ぎる気がする



 昨日のこと。


 予防接種の2回目を済ました。1回目も思ったけれど、かかりつけ医の看護師さんの注射が上手すぎて、痛みがほぼない。本当にこれで予防接種できたのか?本当に今筋肉に刺したの?と一瞬戸惑った。とはいえやっと2回目が終わったので一安心。

 そして夜、副作用が出るかもしれないと散々聞かされていたので内心ちょっとドキドキしつつ、(わくわくもしていた、なんなら高熱出て欲しかったので)黙々と『罪と罰(上)』を読んでいるうちに夜が更けていったのだけれど、全く異常を感じられず、あらかじめ用意していた毛布は暑いし、むしろそれで汗でてポカリは美味しいし、腕の痛みは大したことないし、こりゃ一体どうなってんだ、と思ったらすでに深夜一時。そうこうしてたら『罪と罰(上)』を読了してしまった。

 読んでいる途中で、(副反応待ちながら『罪と罰』読了チャレンジが始まったな〜)とか思っていたので、この調子だとなんもないだろうな、と予想はしていたら予想通りだったっていう。


 『罪と罰(上)』では、ラスコーリニコフの夢の中で馬がなぶり殺されるシーンがあって、それがもう本当に苦しくって、結構ショックを受けていた。とても細かいんだもん描写が。いやでも想像してしまったので一瞬読むのやめようかな、と悩んでしまうほどだった。(強者が一方的に弱いものを痛めつけるものはなんであってもすごく嫌いなのだ。数の暴力しかり。犬や猫などのペットを虐待もしくはいじめたりするのも、もちろん己の好奇心を満たすために殺すのも。『そんなこというけど牛や豚を食べてるくせに』なんて言われても、いや、そういうことじゃないっていうか、それ言い出したらもうなんの感情も抱けなくないか?ってなるわけで。それでわたしがご都合主義の身勝手な人間だと言われたらそれはそれで仕方ないというか)

 ショックを抱きつつも恐る恐る読み進めていたら、ラスコーリニコフは現実で金貸しの老婆とその妹を斧で殺してしまうシーンが来ちゃったので、『うわっ』と思ったのだけど、なんだろうそれはそれで衝撃的すぎて、ページを捲る手が止まらなかった。(馬のシーンよりもまだちょっとその描写があっさりしてたからなんとか大丈夫だったってやつ)

 ラスコーリニコフの心理描写が秒単位感覚で移り変わっていくので、このあとどうやって逃げるのだろう、一体どうやって生きてゆくのだろう、何をしでかすのだろうとハラハラしていたら、彼は事件後、酷く体調を崩して寝込んでしまった。殺人を犯しているのに済ました顔で過ごせるような人間ではないんだな、と思うと少しだけ安心した。やったことは許されないことなんだけども。

 あれこれと世話を焼いてくる親友のラズミーヒンのやけにまっすぐすぎる性格や、敏腕予審判事のポルフィーリィの勘の鋭さ、ラスコーリニコフの母や妹それぞれの性格などなど…登場人物みんなが濃い(し、名前もいちいち長い)ので、2章を過ぎたあたりから急に面白くなってきちゃって、どんどん読み進めていくうちに読了して、しかもまたその終わり方がとても良くて、気がつけば下巻を手に持っていた。いやいや。もう深夜2時だよ、眠らなければ。だけどこの興奮、なかなか冷めないぞ…

 なんて考えているうちに眠っていた。割とあっさり。そして、副反応も出ないままに穏やかな朝を迎えた。


 今日。


 本当に副反応でないじゃーん!腕も回せるしなんてことないな、ラッキーということで久々に外出。熱すぎる日差しはジーンズを通り抜け、ほぼ直火焼の勢いだった。右太ももと右腕だけこんがりしたんじゃなかろうか。こんな暑い中外でお仕事しているひとがたくさんいて、頭上がらないな、と思いながら運転した。なんとなく申し訳なくなってクーラーを消した。

 ファミマの一番くじがシルバニアファミリーだったのでわくわくしながら行ってきた。カップルが1組いて、その子たちの引く量にちょっとだけおっかなびっくりしながらも(多分ね30回以上は引いてるんじゃないかな)、自分も2店舗まわって、欲しいものを最低限の回数でゲットできた(はず)なので満足。引きの強さに驚く。最近またくじ運が上がっている気がする。創作の運は上がらないけど。日頃の行いって大事なんだな〜と思った。今。

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 めちゃくちゃ可愛い。見るだけでほへぇ、と表情が崩れる。取り出すのも緊張しちゃうよ。



今夜は気持ちのんびりと、『罪と罰(下)』と『残像に口紅を』を読もう。



 




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