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見上げれば水は光になっていて



 サウナに行きたい。

 と思い始めてからというものの、短歌つくったり小説を書いたりしながらも頭の片隅にはサウナの三文字がずっとあって、悶々としていた。
ついに昨日、「どうしても行きたい!!どうしても!!!」と気持ちが爆発してしまったので、今日、朝から行ってきた。

 そもそもサウナって『大人が入るところ』のイメージがあった。
 子どもの頃、母によく地元の小さな温泉に連れられ、母の気がすむまでサウナにこもっているのを、妹と一緒に水風呂やら露天風呂やらをうろちょろしながら待っていた記憶がある。興味半分で入ってみたらとてつもない熱気と独特の匂いが熱の塊になって鼻から口から通っていくもんだから、(こんなところになんで大人は入るんや……?訳がわからん)とちょっと引いていた記憶がある。

 もう私もいい大人になってきたので(精神年齢は低いけれども)堂々とサウナに入れる訳だし、入ってみたいな〜〜耐えられるかな〜〜多分耐えられると思うんだよな〜〜とイメトレはしていたものの果たして5分も入れるのだろうか、とドキドキしながら、一人で挑戦してきたのだけれども、これがまあすんごくよかった。

 サウナの手練れみたいなおばちゃんたちに混ざりながら数セット入ってきたのだけれども、最初は初めてということもあって、5分間だけ入って1分水風呂、5分休憩でやってみたけれども、案外5分はあっという間で、すんなり耐えられた上に汗はじんわりで体は温もっているけれども整うまではわからない、という感じだった。2回目からは倍の10分にしてみた。そしたらもう汗の出方が違うし温もり方は違うしで、熱さとの戦いだったのだけど、その間に精神が研ぎ澄まされていった感覚があった。

 余計なことを考えない。いつまでも汗が流れる。暑い。熱い。息が熱い。ひたすら熱い。でも気持ちいい。
 三セット目くらいでやっと、『整う』という感覚を体感した。
 
 これか!!これが整うか!!!なんて気持ちのいい!!!

 (いや違ってるかもしんないんだけど)
 
 すーーっと頭の中がクリアになって、何も考える必要がなく、ひたすら気持ちよくて、不純物が飛んでっちゃって、冴える。露天風呂エリアにサウナがあり、休憩中も心地の良い風が全身を撫でていってくれるので、とにかく何もかもが気持ちよかった。
開放感、湯の流れる音。独特の硫黄の匂い。水面が反射してキラキラ揺れている天井。すべてが癒しだった。

 これはハマる。これから願わくば月一で通いたい。(難しいけど)
 ついつい楽しくって何セットかやったけど、初めてだしそろそろやめとこ、ってとこで温泉に移ったのだけど、手練れたちはいつまでも何セットもやってて、すごい世界だ……と感心した。

 ゆったりとした時間を過ごしててまず、何よりも自分が成長したなって思った。
 
 自分のための休日を、自分のために使い、自分を癒すためにお金を使い、自分を労わる。去年の自分なら考えられないこと。
 

 私が、私のための日々を生きている。疲れも眠気も、楽しさも喜びも苦しみも全部が自分の身に起こったことで、自分のものなんだって本当に思える。

 ひたすら病んでいた時は、起こるすべてが俯瞰的だった。斜め上から自分を見下ろしていて、自分の感情を、出来事を、外側から見ているような感覚だった。

(ああ今悲しいのかもしれないな)
(すごく傷ついているかもしれないな)
(でもだからってどうしようもない)
(何もできない、なのにその苦しみはそこにあるんだね)

 そんな具合でいつもいたものだから、痛みにも感情にも鈍く、どこか他人事のような感覚で、そこには『責任』って言葉も存在してなかったような気がする。だから、読書をしていて主人公の気持ちを読んだとき、自分の気持ちが文字となってピッタリと、言葉と自分が合わさったような感覚になったのを今でも覚えている。(それは、西加奈子さんの『うつくしい人』であったり、ハンガンさんの『すべての、白いものたちの』であったり、また、よしもとばななさんの『アムリタ』や『白河夜船』であったりした)

 現在の自分が、まさに『今』の感情がそっくりそのまま、なんのフィルターも介さず自分のものであるという感覚を持つっていうことをわかるようになるなんて、そんな日が来るなんて思ってもいなかったな、と、温泉に浸かりながら考えていた。

 生きたいように生きていて、生きられるように生きている。

 それはすべて自分の選択によって叶っていて、見えなくても人生への『責任』があるように思う。
 自分の人生に責任をもって生きているから、意味があって、楽しくて、ありがたくて、嬉しい。苦しくてもしんどくても、乗り越えようとできる気がする。

 なんだかすごくハッピーな1日でした。今日行って本当によかった〜。

 だからこそ今夜も推敲、頑張ります。ちなみに明日は午前中に健康診断があって、いろいろ怖い。絶対体重増えてるだろうな。こわやこわや。あまりの変化に泣いちゃったりしませんように。


 とにかく推敲頑張ります。傍には読みたい本が積まれていて、はよ読了したいんじゃ〜〜という気持ちをふんぬ!と堪えています。

(ラインナップとしましては、『ラブカは静かに弓を持つ』、『左川ちか全集』、『愚かな薔薇』『年年歳歳』、『少年が来る』『そっと、みどりの』でございます。どれもこれもほんまに早く読みたい。うずうずしています。あと今日欲しかったけどなかった『とあるひととき』、もうネットで買おうかなと思っている)

いつもいろんな方が創作やってえぐえぐしてる私にDMくれたり、ラインくれたり、本当みんなありがとう。
とある方に、『yちゃんには優しい世界で創作楽しんでほしい』って言われて、そう言ってくれるあなたがいるから、私は優しい世界で守られているんだよ、と思った。私も少しずつでも返して行きたい。

 先日は千原こはぎさん主催の『水』をテーマにした短歌のアンソロジー、『みずつき11に』寄稿させていただきました。ネップリしてくれた人やPDFで見てくれた人から感想をDMでいただきました。ありがとうございます。すっごく嬉しい。これからも日々精進します。

それではまた。


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