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スランプの治し方①

…………って、あるのでしょうか。
多分、あったとしても「ひとによる・場合による」のではないか……と思います。
少なくとも、私は二回スランプを二回ほど経験して、どちらも違う方法で治しました。

①ひたすら休む
②無理矢理書く

このふたつでした。

一回目のスランプは、とてもひどかったです。
およそ三年続きました。
どうしてスランプになったか、理由はよくわからないのですが、「趣味で小説を書いてサイトにアップする」ことが唐突にしんどくなってしまったのです。
「私が書かなくなっても、誰も困らないしなあ」
と、思ってしまって。
そんなの、当たり前のことなんですけど。
惜しんでくれるひとはいるかもしれないけれど、きっとそういうかたも別の小説を見つけて読んでいくのだろう……そう思えて。
おそらく、自分の物語に対する自信を失っていたのだと思います。
世の中には、面白い物語がたくさんあるのだし。自分で書く意義がわからなくなった。
出力するのが、とても億劫になってしまったのです。
もう続けられない。そう思った私はサイトを閉じました。
書きたくなれば、また書き出せばいいと思って。

そんな状態が、三年ほど続きました。あまり、小説も読まなかったと思います。全く読まなかったわけではないですが。
代わりに、よくゲームをしていました。ストーリー性のあるゲームより、黙々とやりこむゲームをよくやっていました。
漫画はレンタルで、定期的に読んでたかな?
とりあえず、インプットも抑えめでしたね。

私は自作に対する愛着も無くしていました。
どのぐらいかというと、パソコンを買い換えたときに小説データの移行をするかどうか迷ったぐらい。
しておいてよかった、と今となっては思います。

そんな日々が続いて……ある日、不意に閃いたのです。
サイトで連載・完結させた作品のスピンオフの未来の話が。
なぜか、とてつもなく書きたいと思って、私は久しぶりにキーボードを叩きました。
すると、次々にそれの続きや、違うエピソードが思いついていきました。
「たとえ(サイトを開いているときに)書いてもサイトにはアップできないであろう」物語を書いていったのですが、これがまた楽しくて。
私はできあがったそれを読むのも、楽しみにしていました。
自分で書いて、自分で読む。究極の自家発電とも言える行為に、私はしばし耽溺しました。

スピンオフ類の執筆が少し落ち着いたところで、シリーズ化しようと思っていた作品のネタ出しをしたり。
サイトで完結させられなかった『西部の悪魔祓い』の続きを書き始めたのも、このあたりだったかと……。

この時点ではまだ、創作意欲は内側に向いたままでした。
公開したりするのは怖かった。

そして、転換点と言えるのが、サイトで完結させていた『ニライカナイの童達』という作品の続きを閃いたことです。
完全に終わらせたつもりだったのに、第二部の構想が降ってきたのです。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892576548

しばらく執筆したあと「これは誰かに読んでほしい」と思って、公開する意欲が出てきました。

世は投稿サイト時代。
まあ私が個人サイトやってたときも、投稿サイトへの移動が進んでいたのですが……。
でも私はまだ投稿サイトに読者としても慣れていなかったので、とりあえず個人サイトを復活させるのを目標にしました。

で、まあ長い時間をかけてサイトを作って、アップしました。

このあたりでしたかね。
「このあふれ出る創作意欲を、公募にぶつけよう!」と思ったのは。
10万字前後で物語をまとめるのって、とても難しいんですよ。
だけど今の自分ならできる気がすると思って、公募への挑戦を考え始めたのでした。

挑戦の末、幸運なことに結果的にデビューが決まり、本を出すことができました。

https://beans.kadokawa.co.jp/product/series181/322007000247.html

一回目のスランプは、ひたすらに「書かない」ことによって治ったようです。
不思議なことに、書き始めたらインプット量も増えていきました。

長くなったので、二回目のスランプについては②で語りたいと思います。


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