【実話】もしも親友とお互いバイセクシャルだとカミングアウトしたら、の話。①

私の名前は仮乃 あお。

バイセクシャルである。


バイセクシャルなんだけど、恋愛経験は男性のみ。

女性とは付き合ったことないし、好きになったことがあるのかも分からない。


でも、


女の子と付き合ってみたい!

イチャイチャしたい!!



という気持ちが日に日に強くなっていく。


こんな中途半端な自分が、バイセクシャルを名乗っていいのか、正直よく分からない。


私自身、自分がバイセクシャルだと気づいたのは、今年に入ってから。


彼氏がいるのに、女の子と触れ合いたいとか、付き合いたいとか考えている自分がいた。

もちろん彼氏のことは心から愛している。

寂しいわけでもない。


もしかしたら、「女の子と付き合いたい」ではなく、

「付き合ってみたい」という、好奇心かもしれない。


女の子と付き合ってみれば、この衝動は収まるかもしれない。

でも、それは浮気ってことになる。


何だか、苦しくて……

ついに、彼氏にカミングアウトした。


彼氏は受け入れてくれた上に、沢山優しい言葉を掛けてくれた。


「一度だけなら、女の子とキスしたり触れ合ったりしてもいいよ」

と、彼氏に言われた。


もちろん、申し訳なくてそれは断った。


でも情けないことに、結局彼氏に内緒でレズビアン専用の出会い掲示板を未だに利用している。(直接会ってはいない)


彼氏には断ったものの、やはり女の子に触れたいのだ。


私の周りには同じような境遇の人がいない。



誰にこの苦しみを分かってもらえればいいんだあああ!



という、完全自暴自棄状態。


そんなある日、親友と連絡を取り合うようになった。

親友と最後に会ったのは丁度一年前だった。

私が高校を中退してから、徐々に会う回数が減り、とうとう年に一回のペースになってしまった。


会おうと思えば、もっとたくさん会えるが、私が親友を避けていたために会っていなかった。


親友はとにかく、うるさい。


会えば彼氏の惚気ばっかり話すので、疲れる。

別に惚気が嫌いな訳では無いが、同じことを何度も話すし、たまに自分の彼氏を貶されたこともあったので、親友の惚気は苦手だった。

そのせいで、他の私の友達も皆親友を避けていた。

……本人は気付いていないだろうけど。


でも、年に一度のペースで何故か会って話したくなる。

だから、年に一度しか会わない。自分勝手だけど。


お互い20歳になって、初めて会うことになった。

なので、2人で飲みに行くことになった。


飲みに行く当日までは、本当に憂鬱だった。

「また惚気を聞く羽目になるんだろーなー」と、

嫌気が差していたし、

彼氏からも応援されたレベル。

「彼氏くんも一緒に飲みに来る?」と何度も誘っても、

「絶対に嫌だ」という返事しか返ってこなかった。


当日、待ち合わせの駅に向かっている時も憂鬱と何故か少し緊張していた。

友達と久しぶりに会うって、緊張するんだなぁ。

駅のエスカレーターを上がっていると、親友から、「着いたよー」と連絡が入った。


なのでエスカレーターを上り終えてすぐに、ホーム付近で親友を探した。


目の前にいるのは、黒いワンピースを来た低身長の女の子。髪は肩くらいまであり、巻いている。

私の知っている親友は、常にパンツスタイルだった。

ワンピースを履いている姿を見たことがない。

髪もショートカットだったし、髪を巻くほどお洒落に気を使っていたイメージがない。

しかし、それらしき人物はこの人しかいなかった。


声をかけるのが怖くてずっと女の子を見つめていると、その子は視線に気づいたようで、振り向いた。


何ともまぁ、親友も同じリアクションを取ってくる。

私だって認識出来ないのか、ずっとこっちを見つめてくるが、声は掛けない。


私が彼女に指を差すと、彼女はこくっと頷いた。

同様に、彼女も私に指を差した。

なので、私もこくっと頷いた。




「「えっ?!?!?!?!?!?!」」




これで、お互いが親友であることに確証が得られた。


1年も経てば、人は変わるんだなぁ……



お互い思わず声を上げちゃったよね。









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