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まもうさ小説

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原作、旧作、Crystal(Eternal、Cosmos)、ミュージカル全媒体のまもうさ中心(エンセレ、タキムン、まもうさちび、キンクイ、キンクイレディ、遠うさ、月影うさ、セーラ…
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2023年8月の記事一覧

チョコレートコスモスが咲く頃に

「ん~、いい香り」

鼻腔を甘い香りが支配する。幸せな香りに包まれて、ホッと一安心した。

「チョコレートコスモス、今年も綺麗に咲いたわ」

辺り一面に咲き誇るチョコレートコスモスを見渡し、満足する。

チョコレートコスモスの見頃は八月から十月にかけて。大好きな彼が大好きだったチョコレート。その見頃が彼の誕生日がある月なのは、何の巡り合わせなのだろう。

セーラーコスモスとして生まれ変わった私、月

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誕生日に向けて

「そ、そんなぁ~~~~~~~~」

7月中旬のある日の午後、うさぎの大絶叫が響き渡る。

今度は月野家ではなく、衛の家でマンション中に迷惑なくらいの声で叫ぶうさぎ。

何故絶叫するに至ったかというと、それは本の数分前の話。

うさぎの脳内はすっかり夏休みに入っていて、衛と毎日会えると喜んでいた。

衛の予定を何の気なしに聞いてみると想定外の言葉が返ってきた。

「8月1日から5日までは勉強合宿でこ

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時を超えたプレゼント

八月三日。この日は衛の誕生日だ。

夏休みに入っているこの日は、衛もうさぎも一日中何の予定も無い。はずだった。

しかし、付き合って初めての衛の誕生日は互いに受験生。衛は進学校に通っている為、学校主催の勉強合宿と言う名のうさぎにとっては何の楽しみも面白味も無いイベントに行ってしまい、当日は全くゆっくり祝う事が出来なかった。

うさぎが中学二年の時は知り合ってはいたものの、会えば喧嘩。気になってはい

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セラムン二次創作小説『打ち上げ花火、上から見るか下から見るか?(まもうさ)』

セラムン二次創作小説『打ち上げ花火、上から見るか下から見るか?(まもうさ)』

『打ち上げ花火、上から見るか下から見るか?(まもうさ)』

「うわぁ~、すっごく綺麗~♪」

隣で喜んでいるうさぎを見て安堵の表情を浮かべる衛はここに来てよかったと心から思えた。
見えないかもしれないと言う恐れは持ち合わせていたが、どうしても衛自身がここに来てみたかった。

「そうだな、よく見えるな花火」
「うん、特等席でゆっくり見られて。ここで見るって発想が無かったから驚いたけど、ロマンティック

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セラムン二次創作小説『泡沫花火(まもうさちび)』

“手持ち花火セット買ってもらったから一緒にしよ”とうさぎから突然の呼び出しに月野家へとやって来た衛。
すると庭先から楽しそうな高い声が2つと、気だるそうな低い声が聞こえてきた。ーーうさぎ、ちびうさ、そして弟の進悟だ。

「楽しそうだな」
「「まもちゃん♪」」

双子かとツッコミたくなるほど同じタイミングで衛の名を呼ぶ未来の親子、うさぎとちびうさの仲のいいハミングに衛の口角は自然と上がる。

「衛さ

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セラムン二次創作小説『白昼夢」

ある日の朝、衛は目覚めて隣を見るとそこにはうさぎ、では無く月影の騎士が寝ていた。

起きたと思っただけで、まだ夢の中なのか?余りの現実味の無さに、そんな事を思い自身の頬っぺを抓ってみる。

「イテッ」

……夢では無かったようだ。

普通に痛みが走り、これが夢では無い事を衛は悟った。と同時に現実である事に激しく落胆した。

何故、又月影の騎士が分離して出てきたのだろうか?

衛自身にも全く覚えが無

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セラムン二次創作小説『スイーツよりも甘い二人(まもうさ)』

セラムン二次創作小説『スイーツよりも甘い二人(まもうさ)』

ある日のフルーツパーラークラウン。

目の前にはラブラブカップルが一組、うさぎと衛だ。

「はぁー」

ラブラブっぷりに目を当てられ、独り身の寂しさから盛大に深い溜息をつく美奈子。

学校帰りに集まる事になっていたが、亜美は塾、レイは神社が忙しい、まことは居残りと結局四守護戦士では自分だけが来た結果、見せ付けられる罰ゲームを受ける事になった。

それぞれ学校が違う為、うさぎの顔を少しでも見たくて来

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偶然の確率に賭ける想い(まもうさ)

↑こちらの後日談として書いた話です😊

8月に入って益々暑くなってきたこの日、朝からうさぎはなるの母親が経営している宝石店の前にいた。
目的は一つ。地場衛に会うためだ。
と言っても、待ち合わせをしていた訳では無い。一方的に待っているだけだった。

会える確証など何も無いが、この日にどうしても会いたい理由があった。
とは言え情報が少なく、家が何処なのかも分からない。知ってることと言えば元麻布高校に

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まもうさ小説『恋人ですが、何か?』

学校からの帰り道、最近よく偶然遭遇するお団子頭にまた出会った。
今までは彼女1人、ないしは額に変な傷を持つ黒猫を連れている事が多かったが、今回は男2人。
彼女もまた学校帰りのようで制服を着ていた。しかし、相手の男は2人共私服。ーー大学生くらいか?
知り合いなら邪魔してはいけないと思い話しかけずに横切ろうと考えながら近づいていた。

「止めて、……ださい」

何やら様子がおかしいことに気付いた。

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