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どんどん少子化が進む時代に:田舎の墓問題

皆さんの先祖のお墓は、どこにありますか?
今日は田舎の「墓問題」について考えてみたいと思います。


身近な話


ある日、娘が家に帰ってきて言いました。

「今日カフェに居たら、隣に座ってたおばさん二人が、
お墓を移す話をしていて。
いろいろ大変だって。
100万だか、すごい高いって。深刻そうだった。」と。

娘が気になったのも、私の親の墓問題があるからでしょう。
私もほんの少し前に、全く同じようなことに遭遇しました。

ランチを食べていたら、隣にアラカンと思われる3人組の女性。
田舎の墓を移そうとすると、
相当な手間とお金が掛かるという話をしていました。


実家はこんなところ


私は二人兄弟です。
私は東京、兄は神奈川県に住んでいます。
私の実家は、青森県の津軽地方というところです。

東京駅から新青森駅まで、新幹線で3時間半。
新青森から在来線で2時間半。
自宅から東京駅までの移動もあるので、ドアtoドアで約7時間です。
海外旅行に行けるほど時間が掛かります。

在来線は、お盆過ぎの豪雨の影響で未だ復旧しておらず、
途中からバス代行です。

豪雨の前に、廃線検討の話があったので、このまま廃線かも知れません。

電車は途中駅からPASMOが使えません
私の格安スマホは、携帯の電波が通じません

買い物がとても不便なので、母は生協の宅配を取っています。
生協が、地域ごとで運営が異なるようでネット対応していません
そんなはずはないだろうと調べたのですが。
毎週雑誌の様なカタログが来て、注文票に手書きで書いて渡し、
翌週、配達されます。
なので、急に欲しいものがあっても頼めません。

便利な暮らしをしていると、当たり前に感じますが、
そうでない地域というのは、あるんですよね。


住まなくなる場所に墓を建てるということは


父が3年前に亡くなったとき、
実家から車で20分ほどのお寺に、墓を建てました。

母はかつて、「東京に墓を作ることも考えてみたい」
と言いました。
15、6年ほど前のことです。
東京へ遊びに来た時に、郊外の霊園の見学に行きました。
早めに買うと以降の管理費が発生するということと、
父がおそらくは了承しないだろうということで、
そのままになりました。

それが、いざ父が亡くなったら、
「家の近くに墓を建てたい」と。
気持ちが変わったと。

「家」人生の目的化価値観の象徴という話を書きました。

も同じなのかもしれません。
生きてきた「場所」が、この年代の人たちにとっていかに大事か。
それは、正直私には理解できません。

そうしたら、兄が「いいじゃん」と。
「俺も入るかもしれないし、お前(私)も入ればいいじゃん」と。

私は
「娘に迷惑だから、絶対に入らない。」
と断りました。
そして
母が亡くなったら、もうここ青森には来ないよ、と。
母がいればこそ片道7時間も掛けて来ているのであって
墓参りのためだけには、申し訳ないけど来ません。

兄には
「あなたを、誰がこの青森の墓に入れるの?」と聞きました。
兄には子供がいません。


子供の少ない時代に


家と暮らし相談アドバイザーの時に、
60代くらいの方で、子供のいない「叔父」や「叔母」
介護や、亡くなった後の葬儀家の処分などで
相談に来られた方は結構いました。

さらに、どんどん子供は少なくなっています
自分の、結婚していたら義理の親、そこへ叔父や叔母
葬儀や墓、家の片付けや処分、、何軒の処分をすることになるのか。
結婚せず独身だと、一人でこれらをすることになります。

私の娘は一人っ子で、従妹もいません。
私が死んだ時点でおそらく親戚は誰もいない「天涯孤独」になります。
結婚していれば良いですが、それも今の時代分かりません

私自身、できるだけ「飛ぶ鳥あとを濁さず」
スッキリと旅立ちたいと思っています。


子供のいない人は


娘に「ママのお兄ちゃん、青森の墓に入りたいんだって。
あなたしかいないから、入れてあげて」
と言ったら
「関係ないじゃん」
と。
ですよねー--(-_-;)

親戚だからという理由で、当然のようにやってあげる感覚は
今の時代、もうありません。

自分の「しまい方」、ちゃんと考えてね。
今は「死後事務委任」というサービスもあります。
誰かに頼みたい場合は、生前に「お願いします」と伝え
必要な経費を用意しておいて下さいね。


法要には行かないといけない?


実家の近くに墓を建てたので、今は母が墓参りに行けています。
この10年くらいのためだけにそうしたといっても、過言ではありません。
母にとっては良かったと思います。

母が亡くなった後の墓について、
永代供養がついているから、
墓参りに行けなくなっても大丈夫とのことでした。

しかし、一周忌、三回忌、七回忌、、何もしなくてよいのでしょうか?
墓のお寺のお坊さんに頼まなくても、良いものなのでしょうか?

それくらいは、もう誰もいないところであっても行って、
故人を偲ぶべきでしょうか?

私たちは東京にいて、ZOOMでつないでもらう、
なんて時代になるのでしょうか?

本当に難しい問題です。。
何だかとても薄情な人みたいですが。


墓に馴染みの少ない世代に引き継がれるということ


部屋に、母の写真は飾ると思います。
でも「墓参り」となると、、

「墓参り」、まだ私たち世代は、子供の頃当たり前にやっていました。
でも、私たちの子供世代はどうでしょう?

おじいちゃんおばあちゃんと暮らしたことは無い。
長寿命の時代、祖父母が亡くなるのは、孫はもう大人になってからです。
子供の頃の「墓参り」は全く知らないご先祖様に対して。
子供にとって、形式的なものでしかなかったのではないでしょうか。

核家族化 × 長寿命化、そして「個」の時代
良いか悪いかは別として
葬儀や墓の簡略化につながっている気がします。
そんな次の世代に、墓は引き継がれていくのです。

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