自分がゴーストタウンにならないために
青森の実家に帰省した際、目の当たりにした「地方の過疎化」。
そこで思ったことを書いてみたいと思います。
まるでゴーストタウン
母は86歳で、青森で一人暮らしをしています。
今回は、兄と私の娘も一緒に帰省し、
みんなで温泉旅館に泊まりにいきました。
母は、体力的にもう遠出ができません。
旅館は、実家から車で一時間ほどで行けるところにしました。
途中に、母の「実家のあった町」がありました。
私の小さな頃は、母の母(私の祖母)を訪ね、
週末によく行っていました。
町を訪ねるのは、実に40年ぶりのことでした。
駅からまっすぐに伸びた商店街。
半分、いや3分の2が空家と思われました。
建て替えたり「住んでいる」らしい家は、本当にわずかでした。
まるでゴーストタウンでした。
旅館、食堂、お菓子屋、雑貨屋、金物屋、八百屋、薬屋、床屋、写真屋、洋品屋、銭湯、、
商店街にあったお店です。
住んでいる人が多かった時代には、「成り立っていた」商売です。
取れかけた看板。
剥がれかけた、色褪せたポスター。
棚に並んだ、高さ40センチほどもある大きな粉せっけんの箱。
「昭和の町」が、朽ち果てた姿をさらけだしていました。
母の実家は、林檎の出荷工場をしていました。
父の実家は、木材の製材工場をしていました。
どちらも、もうありません。
ナンバーディスプレイ
実家に滞在していた時のことです。
家の電話が鳴りました。
母は、電話のあるリビングにいるはずでした。
何度もコールがあったので、私がリビングへ行くと、
母が電話を握り「もしもし」と言っていました。
電話に出るのが遅すぎて、切れてしまったのでした。
「誰から来たんだろう」
電話機の履歴を見ようとしましたが、表示されません。
「?」
説明書を見たところ、
「ナンバーディスプレイ未加入」。
利用するには、「NTTへの申し込みが必要」とありました。
ナンバーディスプレイ!!
懐かしい言葉ですよね?
25年前から、実家の「時代」は止まっていたんですね。。
ナンバーディスプレイを申し込もうとする私に、
母は「そのままで良いわよ。」と。
怒怒!!
家にいても電話に出られない。
留守電も使えない。
折り返しも出来ない。
携帯電話だって、鳴っていても気付かないことが多いです。
高齢一人暮らしは、電話が命綱なのに!
※ナンバーディスプレイに掛かる費用は、高齢者は無料でした。
100年も生きていれば、変化は当然
バブルで
リーマンショックで
ネット通販ができて
ショッピングセンターができて
商売が立ち行かなくなった。
よく言いますよね?
「何かのせい」で起こった「不幸なこと」でしょうか?
ショッピングセンターがなくても、コンビニがなくても、IT化がなくても。
この商店街は、無くなっていたのではないでしょうか?
ここにいた人たちは、どこへ行ったのでしょう?
年金のもらえる年齢に「なんとか滑り込み」できれば、
あとは細々と暮らせる。
そんな時代は、もうとっくに終わってしまいました。
社会構造は変わりつづけます。
新しいものが出現するたびに、古いものは淘汰されます。
全ては連動し、だれにも予測のつかない変化をします。
時代は粘土のように変形しながら、変わり続けます。
人が100年も生きる時代ならなおさら、
その変化に適応せざるをえませんね。
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