「軍艦島」で考える:町の「しまいかた」
人口減少時代、そろそろ町の「しまいかた」も考えるべきでは?
そんな話をしたいと思います。
少し前にテレビで、北海道夕張市のことをやっていました。
夕張の「財政破綻」は、皆さん記憶に新しいのではないでしょうか?
町の「しまい方」の「先進例」として、
全国の自治体が視察に訪れたり、勉強会を催したりしているとのことでした。
どこの自治体も他人ごとではないということですね。
夕張市の人口減少
2022年6月30日時点の人口が、6,918人 のようです。
ピーク時の1960 年の約 11万7000人が、今は約7000人。
62年間で11万人が町を出た、ということになります。
炭鉱があり栄えていたのが、閉山によって人が流出した、ということですね。
日本の人口減少
人口減少については、たびたび触れています。
人口減少に伴い、消えていく集落も増えていきます。
限界集落
・人口減少
・産業構造の変化による人の移動
町は「永続的なもの」ではないということですよね。
軍艦島に見る町の「しまいかた」
少し前に旅行で、軍艦島を訪れました。
とっても興味深かったです。
軍艦島の歴史
たったの160m×480mの「岩礁」の島に、5000人以上が住んでいたんですね。
林立する高層マンション。
世界一の人口密度の記録は、今も破られていないそうです。
エレベーターのない時代に、9階建ての屋上にある保育所まで階段で通っていたそうです。
昔の暮らしの様子
この町の終わりはこうです。
閉山からたったの3か月間で、島民は全員退去しました。
島民が住んでいたのは、全て三菱社の所有していた「社宅」でした。
それもあり、退去はスムーズだったんでしょうね。
ちなみに、軍艦島がなぜ観光地としてスポットが当たったか。
「廃墟」が残った理由は、
無人で危険がなく、取り壊す必要が無かったからだそうです。
「土に帰った」島
今日の「しまいかた」のヒントは、実は軍艦島ではありません。
軍艦島の近くの島です。
軍艦島同様の、炭鉱のあった小さな島は、周辺にたくさんあったそうです。
島民が「順次」退去した島は、危険があるため建物も順次取り壊していきました。
今は完全に土(自然の姿)に戻ったそうです。
「あの島もそうなんですよ」
船上で言われ、そちらを向くと、
小さな、草が生えた島がありました。
高い建物はもういらない
私の好きなYouTube
以前、苗場のリゾートマンション群をやっていました。
まさにバブルの残骸です。
当時数千万から億の値の付いたマンションが、
今は数十万円で大量に売り出されているようです。
「損した」という話はあるでしょう。
しかし、「環境」面でも大きなマイナスです。
苗場の景色は、本来はきれいなはずです。
しかし、自然の中に高層マンションが林立する姿は美しいですか?
そして、あの巨大な建物を、
いつの日か、どのように取り壊すつもりでしょう?
今もあちこちで、高層マンションは作り続けられていますよね?
人口減少時代です。
土に返ったあの島のように。
建物や町をいずれは「土に返す」ことも、そろそろ考える時代では?
将来の「しまいかた」も想定して町や建物を作る。
モノを捨てるのだって、もうタダではないのですから。
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