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終戦記念日に戦争ドラマがなくなった:テレビの存在意義とは?

先日娘が言いました。
「もう何年も前から言ってるけどさ。
この時期に戦争ドラマ、やらなくなったよね。」

そう、昔は必ず終戦記念日あたりに、
スペシャルドラマを見ては泣いていました。
どれくらい前のことだったんでしょう。


ドラマの忘れられないシーン


私が憶えているのは、
レッドクロス~女たちの赤紙~(TBS 2015年8月1日・2日放映)
思い出しても胸が苦しくなるシーンがあります。
※ネタばれあり

看護師だった妻(松島奈々子)は戦地の救護に駆り出され
夫(西島秀俊)と子供を残し、家族で住んでいた家を離れる。
その時には家のある地域は、まだ平穏だった。
通信網のない時代。
どんどん戦禍が迫り、夫が招集されたことを妻は知らない。
そしてある日、妻の勤める野戦病院に、負傷者を載せたトラックが着く。
負傷者を全員下したはずが、一人というか一つ、
包帯にぐるぐる巻きにされた人(もの?)が残されている。
妻が「あれは?」
すると隊員は「虫の息で、どうせ助からないから。」
と言う。
妻が「でも、運びます。」
と担架に載せて運ぶ。
すると、その担架から妻の名を呼ぶ声が。。


戦争のイメージ


テレビドラマで戦争をやったからなんだ?
という話はあると思います。
真実は分からないし、今のウクライナにしても
見方や考え方によって「正」は違う。
しかし、だからと言って
「触れる機会がない」のは問題ではないでしょうか?

以前、ベトナムの「戦争証跡博物館」に娘を連れて行きました。

娘は小学2年生でした。

あらゆるすさまじい拷問の解説がされていました。
「戦争が引き起こす悲惨さ」という漠然としたものではなく、
人間が「意図して」人を苦しめる、その残酷さ。

私は娘に言いました。
「よく見ておきなさい。人間が一番恐ろしいんだよ。
考え方次第でこんなことまでするんだから。」

娘は夜中うなされて起きました(-_-;)。


子供の原体験


大人になってから、例えば仕事で賄賂を渡されたときに
「いやっ」と反射的に言えるか?
「悪いことをしたらバチが当たる」
小さなときに、絵本などで刷り込まれているかどうかだ。

こんな話を何かで読んだことがあります。
子供の時の体験や印象って大事ですよね?

そういう意味で、戦争ドラマは
子供が戦争を知るとても良い機会だったと思うのです。


戦争ドラマはいつからやっていない?


こんな記事を見つけました。

終戦ドラマは本当に減っているのか?検証
2003年(終戦58年)…1局
2004年(終戦59年)…0局
2005年(終戦60年)…5局
2006年(終戦61年)…3局
2007年(終戦62年)…3局
2008年(終戦63年)…3局
2009年(終戦64年)…3局
2010年(終戦65年)…2局
2011年(終戦66年)…3局
2012年(終戦67年)…0局
2013年(終戦68年)…1局
2014年(終戦69年)…3局
2015年(終戦70年)…4局
2016年(終戦71年)…1局
2017年(終戦72年)…1局
2018年(終戦73年)…1局
2019年(終戦74年)…1局
2020年(終戦75年)…1局
2021年(終戦76年)…1局

2015年(終戦70年)のドラマ…4局
・NHK『一番電車が走った』(2015年8月10日放送/主演:黒島結菜)
・TBS系『レッドクロス~女たちの赤紙~』(2015年8月1日放送/主演:松嶋菜々子)
・テレビ朝日系『妻と飛んだ特攻兵』(2015年8月16日放送/主演:堀北真希、成宮寛貴)
・テレビ東京『永遠の0』(2015年2月11日/主演:向井理)
 ※終戦日前後ではなく、テレビ東京開局50周年特別企画

2016年以降の1局は全てNHKです。
民放は2016年の戦後70周年を最後に、
戦争ドラマはやめてしまったようです。
最後に民放の戦争ドラマを見たのは、もう7年前のことなんですね。

ちなみに今年も民法は無し。
NHKは本日19:30~のこちらのようです。


テレビの存在意義って?


テレビ離れが既に進んでいるから、
何をやったところでそもそも見ない?
であれば、制作費のかかるものはやらない?
ひな壇芸人並べて、内容のない話をしておけばいい?

そんな風に見てしまうのは、私だけでしょうか?
テレビってなんでしょう?

ネットが情報の入口の全てになりつつある昨今
(電車の中吊りがあっても、みんなスマホしか見てないし。。)
自分で検索したり、自分用にカスタマイズされた情報しか入ってこない。
これもまた、問題ですよね?

(一応)フラットな情報に触れる機会は?
テレビくらいしか思いつかないです。
私はご飯の時間だけは、テレビを見ます。
大体ニュースをやっています。

情報もすべて「個別」になり、
親子世代の違う人、たまたま知り合った他人と共有することがない。
私はたびたび「個」の時代に触れますが、
「個」の時代を推奨しているのでも、良いと思っているのでもありません。
テレビには、まだ共有という機能がかろうじてあります。
頑張ってほしいです。

「テレビをつける」習慣がまだ残っているうちに
「これなら見たいな」というテレビ番組を作ってほしいです。

「自分で検索はしないけど、これなら見たいな。」
と思う「気骨」のある番組がみたいです。
「これどうですか?」と問いかけてほしい。
でなければ、テレビの存在意義って、ますます失われますよね?

皆さんはどう思いますか?

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